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身の回りでもこういう空気になってきている。危険手当どころか人件費が削減される現実に目が覚めた。使命感とプライドに踊らされていたのだ。感染すれば健康な将来を失う。多才でほかの道を選べる者は去り始めた。必死で防護具を掻き集めたが、これが尽きて我が身に危険が及ぶとき、私も去ろうと思う。 twitter.com/qqdoctor18/sta…
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なんかもう、えらいことになってる。お盆期間は日勤で病棟係を1回しただけなので、直接に感染リスクの高い業務には従事しなかったが、発熱外来がパンク。緩い予約制にしてみたところでウオークインで次々来られてしまうと制御不能。保健所も精一杯だと思うが電話がつながらず苦悶。
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リンク先は長文ソースだが、特に医療者の皆様に、是非お読みいただきたい。5月から入院全例PCRを実施され、6月に院内PCRを導入された病院。
驚くなかれ、【病床数52床】の個人病院である。院長先生の見識の高さに深く敬意を表したい。
chichibu-med.jp/director/
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そろそろPCRを院内で実施することも珍しくなくなってきた。これから導入を考えておられる施設もあると思う。
これは医療者の皆様で共有いただきたいこと。
【LAMPは偽陽性が出ます。検出可能コピー数もPCRに劣りますので偽陰性が増えます。初期診断に使用することは強く勧めません。】
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もうひとつ、今年スタッフに上がったばかりの、循内の若手からの話題。
彼はかねてより『新型コロナウイルスが自己免疫疾患としての血管炎のトリガーを引くのではないか』という説を唱えていたが、適当にあしらわれていた。(続く
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承前)ところが。8月19日付の国際腎臓学会誌に米国から2例の症例報告が出た。1例はMPO-ANCA陽性、1例はPR3-ANCA陽性、いずれも血管炎から急性腎不全をきたしたが、ステロイドパルスとリツキサンで腎不全を脱した。
ANCA陽性血管炎が起こることに驚いた。まさに免疫の暴走。
kireports.org/article/S2468-…
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これは非常に良い情報がたくさん詰まった動画なので、広く皆様に御覧いただきたい。
300床規模の和歌山ろうさい病院。導入機器はBioRadのCFX96なので5色対応のリアルタイムPCR。良きかな。
院内スタッフ間の情報共有が素晴らしい。電カルの覗き見とかしなくなるよね。
nhk.or.jp/osaka-blog/oha…
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9月初頭の段階での私のPCRについての見解は以下のとおり。※長文です
①商品として確立された蛍光プローブのリアルタイムPCRキットを使用すれば、試料の誤混入やデータ取り違えといったヒューマンエラーでしか偽陽性は出ない。特異度はかぎりなく100%に近いと考えて良い。100%と言い切る文献もある。
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核心を突いたツイート。PCR問題が一定の決着をみたところで、検査に批判的な論客は散り散りになった。今般、特異度も感度もPCRに大きく劣る抗原検査を政策導入する奇っ怪な話になっているのに論客の群れは姿を見せない。 twitter.com/SeigoIzumo/sta…
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新型コロナと、インフルや風邪の何が違うか。医療者の立場で考える最大の違いは「殉職する可能性が少なからずある」ということである。
先のRTは感染して亡くなった産婦人科2年目28歳女性の上司のツイート。英文に抵抗の無い方は連ツイのgofundmeの記述を読んでみて下さい。つらい。明日は我が身か。
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先週話題になったのは、ソフトバンクがPCR検査を2000円で、1日1万件実施するとの報道。
案の定、医療関係者を中心に非難の声が上がっているが、私は歓迎する立場をとる。
別立てで、その理由を書いてみる。
※引用したCNET Japanには1時間半近い会見のフル動画あり。
japan.cnet.com/article/351600…
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承前)喩えるなら、「皆様にレンタカーを御用意しています」と言われて見てみたらズラリと高級車が並んでいるような状態である。安かろう悪かろうではなく、検査原理を理解する者が見ても明らかに一流品と分かるモノを持ってきた。しかも市場価格より大幅に安い。(続く
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2000円PCRを肯定的に受け止める理由・総括
実は、私は孫氏やソフトバンクに良い印象を持っていない。関係者の皆様には申し訳ないが、「安かろう悪かろう」を感じることが多かった。
そこへきて、今回、初めて率直に「やるじゃん」と思えることが起こった。しかも私の得意分野において。(続く
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承前)また、国立国際医療研究センターに後ろ盾を頼んで国府台病院に間借りして、正規の手続きを踏んで登録衛生検査所を立ち上げた。箱としてはどこからも文句を言われない施設を作った。
これは4月に暴走した楽天との大きな差である。知略家としてのレベルが段違いである。(総括・了・追加情報へ
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①発信力の強い先生方が、蛍光プローブのリアルタイムPCRについて、特異度99%だのベイズ(事前確率)だのを持ち出して、一般の皆様のみならず医療者をも欺く結果となった。
実際には偽陽性はきわめて出にくいため特異度は100%として行動してよい。事前確率を無視できる、検査としては例外中の例外。
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飛沫のサイズと滞空時間を理解するうえで分かりやすいのは下記リンクの室内環境学会のまとめ。一読の価値あり。
siej.org/sub/sarscov2v1…
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あと、これは全国的に深刻な問題として露呈してきていることと思うが、12月のシフトがオープンになるのを機に、年末で退職するスタッフのカミングアウトのビッグウエーブが来ている。
「賞与もらい辞め」と有休消化で12月後半は人手が足りなくなる可能性が出てきた。
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うわ。深圳の大学病院に導入されたとな。スタッフ介在なしで1時間後に結果が出て150円。
カップヌードルの自販機かよ。 twitter.com/mako_63/status…
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院内PCRは、早出と居残りのシフトにより日中3runとオーバーナイト1run、再検も入るので約300検体/日が96穴1台の限界。人はもちろんのこと、いまに火を噴くのではないかと思うくらい機械も頑張っている。不具合で止まるようなことがあれば、すべてが立ち行かなくなる。それほどPCRに依存している。
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検査抑制論を唱えていた「専門家」を叩く風潮があるが、その先生方が軌道修正なさって、誤った情報を流すことをお止めになればそれで良いと思っている。
ただし、誤った知識をもとに私たちを罵倒嘲笑した先生おひとかただけは、忘れることはないだろう。
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病床と人員の運用を考慮した結果、当院では年内の予定手術は12月4日をもって終了となった。
私は全身麻酔を支えてくれる設備とスタッフがない場所では社会的に役立たずなので、この状態が続くようなら去るしかないと思うようになった。
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私が退職するということは、単に他施設に移るのではなく、指導者を退くことを意味する。
医療崩壊にも目先のキャパオーバーの「即時型崩壊」と、後進が育たなくなる「遅延型崩壊」があると思う。アレルギーのようだ。
アナフィラキシーを乗り越えたとしても、その先にもうひとつ、問題がある。
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CQ6 「無症状者が自身の感染を承知する、社会防疫上ではない、御本人にとってのメリットは?」
①突然死予防
「初発症状が突然死」ということがある。凝固系スクリーニング(危機が差し迫っていれば変動があるはず)や、抗凝固(RCT中と聞く)といった介入の可能性。(続く
twitter.com/kakeashi_ashik…
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この一週間、病院を取り巻く状況が大きく変わった。先週書いたように、出口が無い。
用意した病床は中等症と軽症ハイリスクで占拠、軽症ローリスクは取らなくなった。新コロ診療をしない病院からの中等症転送も受けられなくなりそう。そっちで診てください、から防疫体制の薄い施設でクラスターの図式