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承前)カウンター1本の狭い店だったり、オフィス街のランチタイムで大繁盛だったり、そんな場所が換気が不十分なら一人で訪れても感染しうる。これを御本人がリスクと認識しておられないために経路不明にカテゴライズされている例が少なくないと考える。(続く
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承前)実際のところ、声を出さなくても呼気中にウイルスは放出されている。
昨年秋に話題になった解析。リンクのPDF資料に呼気PCRについて説明がある。島津製作所の「呼気オミックス」らしいが、日本語にomicsをつけるセンスは微妙。(続く
covid19-ai.jp/getattachment/…
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飲食店の営業時間、人数、マスク着用。会食についていろいろ議論されているが、【単独であっても換気の悪い混雑した店で、他人がマスクを外して吐いた呼気ミストの中に入って行ってマスクを外せば感染は成立しうる】と思っている。(続く
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まさに、これ。NYパターン。日本でも情報の上流に居る人たちは、私たちよりさらに早く、1ヶ月以上前の2月中旬に察知していたはず。
そこでE484Kスクリーニングの系を確立して全国に普及させるべきであったが、タイミングを逸した。 twitter.com/kenmomd/status…
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昨日4月2日夜のNHKかニュースから。
やっとここまで情報が統合されて報道されるようになったか。当院のブレインたちより実に3週間も遅い。(続く
www3.nhk.or.jp/news/html/2021…
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3月28日付の沖縄からのニュース。
88検体のうち22検体が変異株で、1検体を除く21検体が「N501YなしのE484Kあり」。おそらくは日本株?R.1(B.1.1.316)と思われる。拡大が進んでいることは1ヶ月以上前から分かっていたが、感染研に回せる、viral loadの高い症例が増えた?
okinawatimes.co.jp/articles/-/728…
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本日ここまでの一連のツイートの結び。
3月上旬の時点で感染研が把握している変異株で最大数のものは英国株ではなくR.1株で、これは武漢型に対する免疫からエスケープするE484K変異をもつ。
竹槍(E484K非対応ワクチン)の医療者とノーガードのボランティアでオリンピックを迎えるのだ。この国は。
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承前)R.1株の登録情報を参照すると厳密にはB.1.1.316に3ヶ所の変異が加わったものとなっている。国際的な分布の18%がJapanと。
免疫からエスケープするE484K変異が無視できない程度に蔓延している状況で、ファイザーのワクチン接種を受けるか?深刻な迷いが生じている。
cov-lineages.org/lineages/linea…
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その一方で3月末で退職するスタッフがオープンになり、結構な離脱ぶりに愕然とする。新人教育に優れる中堅ナースが複数、居なくなる。COVID病棟を引っ張ってくれた人も。謝意と報酬が、犠牲に見合うものではなかったと思う。辛かっただろう。
ウチだけの現象ではないと思う。大丈夫か、日本の病院。
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医療者の中には「普通のPCR」を『大学院で嫌というほどやった』という方、『実習でやった』という方、『全然覚えてない』という方、様々おられるだろう。
議論の前提として「普通のPCR」をどの程度、理解しておられるかを把握するうえで有用なのが、次の質問である。(続く
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承前)医局での議論の中心は、副反応が怖いといった話ではなく、私たちに回ってくるであろう最初のワクチンが、変異株をカバーできそうにないことである。
英国株B.1.1.7には効果は低く、個体差も考慮すれば事実上無効の人も出るだろう。(続く
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尾身先生が「無症状者に焦点を合わせた検査をやることによってリバウンド(再拡大)を防ぐ」とおっしゃったとのこと。
第一波のあと、ここまで議論が進むのに半年以上かかったことになる。(続く
jcp.or.jp/akahata/aik20/…
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教授&臨床医vs末端技術者(その1)
①青島1089万人PCRの報告から【偽陽性ゼロすなわち特異度100%】であったことが読み取れることを解説した。これでもn数が足りないとかおっしゃる方はおられないだろう。
多くの科学者医療者の皆様に共有いただけたことは一段階進歩である。まずは感謝申し上げたい。
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⑩見逃してはならないのは、発端者の港湾労働者(1番と2番)が見いだされた経緯である。サーベイランスが機能しているのだ。
3種類のPCRの使い方、すなわちsurveillance / screening / diagnosis がすべて適正に機能しており、もはや日本はこれに遠く及ばない。
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⑨結論。1089万人の検査をして、陽性者は全員クラスタ関連で全員が後日発症。それ以外の陽性者は皆無。すなわちクラスタ外の陽性者はもとより偽陽性もゼロ。
この検査は【正しくクラスタの輪郭を描ききった】のだ。
青島の大規模検査では偽陽性は出なかった。これが今回の石家荘につながっている。
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⑧1089万人の検査をして、新規に見いだされたのは9名で、すべて既知の単一クラスタに関連していた。No additional cases were found.それ以外の事例は無かった。大規模検査で診断された9名を含む二次三次例10名は全員発症している(図の日数表示が赤い四角になっている)。
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①中国の短期間大規模スクリーニングの事例として、昨年10月の青島市の1089万人検査の報告が12月のNEJMに短報告として出た。
実はこれが【検査の特異度が100%である】ことを裏付ける報告でもあることを読み取れていない方が多いようなので、私なりに解説する。
nejm.org/doi/full/10.10…
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1000万人を6日7日8日の実質3日間で完遂。二次三次と感染が広がる前に、短期間で洗い出しと隔離を行うという基本を、この規模で実践している。
日本ではひとつの医療機関の院内感染クラスタの検査を2日以内に終わらせることすら、できていない。少なくとも自施設では、それができるように準備したい。 twitter.com/CRIjpn/status/…
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蔓延期の院内防疫と検査について所感(その1)
①「社会防疫の失敗という大きな波に呑まれつつある」と書いたのは3日前のこと。
蛍光プローブのリアルタイムPCRに、年余に亘って専従に近い格好で関わった過去をもつ臨床医として、私は一貫して「特異度は100%だが、感度は高くない」と書いてきた。
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承前)なお、院内のイベルメクチン(商品名ストロメクトール)については出荷調整がかかって以降、電カルのテーブルから削除されている。皮膚科医からの申請時にのみID個別に制限が解除される。要は『疥癬以外に使うなよコラ』ということらしい。
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イベルメクチンが世界の一部地域でしか使われていないのは、日本で抗原検査が推進されているのと同じく、不思議なことだと思っている。
国を挙げて最善を模索し実践するムーブメントが起こらない現状に、嘆息するばかりでである。(続く
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政治家の突然死を契機に空気が変わったことを感じている。以前から書いているように、症状があろうがなかろうが、早期診断は「健康上の」利益になると信じている。隔離されたくない方には社会的経済的不利益はあるだろうけれど。(続く twitter.com/kakeashi_ashik…
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承前)大阪府吉村知事が『一定の基準を満たす民間病院は受け入れを』と入口を広げることを要請されたが、見当違いだ。
院内防疫体制の弱い、スタッフの練度も高くない医療機関に、これから重症化する可能性のあるfreshな症例を入れても、患者も医療者も不幸な結果にしかならないと思う。(続く