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音楽や絵画に心から感動するような豊かな感性を持った人は、社会の中の乱雑な感情のやり取りに辟易とする事が多いと思います。
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絵を作品として成り立たせるには技術が必要なのですが、技術は心の上にはいかない。技術は表現の、あくまでもサポート役、裏方という視点が大切なんだと思います。
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どんなに凄い技術があっても、その後ろに心があって、それを表現した人間の想いや精神の揺れが伝わってこないと、つまらない作品になってしまうという所はあると思う。
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絵を描く上で一番大切な事は技術ではなく、自分の心が何を求めていて、何を魅力に思い、何を美しいと感じるかを的確に把握、理解しているという事だと思う。
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感受性が鋭く意識の奥で思考をし始めるような人は、周囲との温度差に気づき、表層に馴染まずに世間を持て余し始める。
そのような人の帰すところが文学や芸術の世界であり、唯一自らを自由に解き放つことができる。
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人が生きるという事の、ほの暗い深淵に気づいてしまう様な人は、深淵の底まで覗きに行かなければならないという運命にあると言える。底にたどり着いて観察し見回してみて初めて、新しい認識と新しい生き方が見えてくる。
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アインシュタインは「思考は音楽と同じでそれ自体が目的です」のような事を言っていたけれど、空想をしていたり脈略もなく思いを巡らせる時や、世界について、生きるという事について深く考えるような時間こそ、誰にも奪われない本当の自由であり彩であり、決して無駄な時間などでは無い。
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音楽や芸術は直接的な生活の為には不要、と言われるこの時世だけれど、音楽や芸術が無くなった世界を生きることが出来る気はしない。
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ツイッターは、普段の生活では言えない心の奥を、ビンにつめて太平洋に流してるようなものだと思っているので、拾ってくれる人がいるのは奇跡だと思っている。
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色の変わった世界ではどれがまやかしで、どれが本質であるかが分かるようになるし、自分にとって何が必要か、何が不必要かが分かるようになる。悲しみは絶えず存在するけれど、淡い色の景色の中の繊細な輝きが見えるようになる。
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一度、精神的に危険なところまで追い詰められた事のある人にとっては、求めるものは心の平静であり、それ以外の事は大して重要ではないという心境になるものだ。
その時点から物事の価値が根本から変わり、世界の色が変わる。