2301
相手がいなくても生きていける人間が、「君がいないと生きていけない」と軽やかに嘘をつく姿が憎らしいですね。言われた側は、嘘だとは知っていて、「いなくなってもピンピンしてるくせに」と悪態はつくけれども言葉自体は嬉しくて。「いなくなったら生きていけないのはこっちだろうな」と知ったら良い
2302
「あげたいだけです。何も言わず受け取ってください」と一月前にチョコを渡してきた相手を呼び出して「優しくしてくれなくて結構です」と言うのに笑って「優しさじゃないよ。一月考えて分かったんだ。君が好きだって」と口にして、泣き出した相手に「一緒にこれ食べよう」と告げる日ですね。3月14日
2303
「親しい人との30秒間のハグで、3分の1のストレスは消える」と言われていますよね。その話を逆手に取って、「癒させてよ」と相手に迫る人が可愛らしいです。「どうぞ」と笑われるから自分から抱き寄せながら、ゆっくりと30秒を数えて。自分こそ癒されているという事実は、あえて口にしなければ良い
2304
周囲には関係を隠しているカップルが、人目につくかもしれない場所で、キスをする瞬間に夢を見てしまいます。ダメだと分かっているのに、押さえつけようとするほどに「キスしたい」の欲がふくらんで、そっと引き寄せて唇を見つめて。「バレたらどうするの?」と尋ねる口元に、覆い被さっていけば良い
2305
「ねえ、唇が荒れているよ」と相手が親指で唇の輪郭をなぞってきたから、リップをつけようとしていたらそれより先に、しっとりした唇に口付けられて水分を分け与えられて「これで大丈夫だね」と笑われるので、唇まで色を変えるぐらい赤くなってしまって「真っ赤だね」とますます笑われてしまったら素敵
2306
小さい頃から知っているからこそ、恋愛対象だと見れず、もどかしくなってしまう恋模様に惹かれます。成長しても相手が子供のままのつもりで、「君はまだまだ子供でしょ?」なんてからかったら、急に手をとらえられて「僕はもうとっくに大人ですよ。大人としてあなたが好きだ」と返されてしまってほしい
2307
肌を重ねることを「いいこと」とあらわすと、甘美さが漂いますね。直接的な言葉が苦手な人が、誘う時に「いいことしようよ」と子供っぽい口調で、ぎこちなく膝を触ってみせて。相手は「その慣れなさが反対にそそるんだけどな」と思いつつも指摘はせず「いいことってなに?」とさらなる言葉を望めば良い
2308
キスをかわす際に、無意識で相手の身体を引き寄せてしまう人が、艶めかしいですね。普段は欲を隠していて口でねだることもしないのに、唇を与えられて柔らかい愛を与えられたなら理性なんて散り散りになって。首の後ろに手を回して腰を密着させて、「もっとしないと許さない」とあけすけに語ったら良い
2309
肌を重ねている時だけの、特別な名前を持った2人が甘美です。「今日からベッドの中でだけこう呼んで」とねだられたから、熱を追い求めながらその名前を呼べば、相手が「もっと呼んで」と潤んだ声を上げるので、全身が熱を帯びて。何度も何度も呼んで「この姿は自分だけのものなんだ」と錯覚すれば良い
2310
ふざけていたつもりが、後戻りができなくなる恋人達に、夢を見てしまいます。ふとその線が以前よりもほっそりとしたように見えたから、「痩せた?」となんの気なしに触ってみたら甘い声を途端にあげられて。「……今のなし」とじわじわ赤くなる顔を見ているうちに、胸のうちがざわついてしまったら良い
2311
普段は表情も口調も淡々として感情が読み取りにくいのに、肌を重ねている時だけ、声や肌が雄弁な人が艶めかしいですね。いつもは変わらない表情が、クッと歪められて狂おし気に真っ赤な唇を噛んで、甘い声をしきりに漏らしているものだから、その違いに煽られてどんどん深みにはまってしまったなら良い
2312
「きて」の一言で相手をこちらへ呼ぶのが美しいですね。切羽詰まった声で相手を呼んで、近寄られたら抱きしめるなり深々と息を吸い込んで香りすらも自分のものにしようとして。「君を抱きしめてると辛いこと全部忘れていける気がする」と溢して、「全部忘れさせてあげるよ」の声に胸が詰まったら良い
2313
キスマークを「つけてほしい」とねだる姿には色っぽさがありますね。相手を自分に縛り付けておきたいから、「跡つけて」と口にして肌を自ら晒して逃れられなくして。鈍い痛みとともに刻まれた跡を撫であげながら、「一生消えなければいいのになぁ」と、すぐ消えてしまうことを残念に思ったならば良い
2314
人がいない瞬間にだけ手を繋ぐ、隠れたカップルが美しいです。外を歩いている時にふと手を繋ぐ人々を目撃して、したいなと思うけれど勇気は出なくて。人目がつかない裏道に入ったなら、そっと手を伸ばしてキュッと指先を掴んで。ビクッと震えた相手には気付かないフリして、束の間の幸せを感じたら良い
2315
相手の美しさを思い知っているがあまりに、触れることを躊躇ってしまう人が愛おしい。「美しいな」と日々実感して、得体の知れない清らかさを感じてしまうから。「こんなに美しい人に自分なんかが」と、触れたならその箇所から穢れてしまう気がしてしまって。手を伸ばそうとして引っ込めてしまえば良い
2316
血の味がするキスは、官能的な魅力を帯びていますよね。夢中になって求めているうちに唇に血が滲んで、かわす唾液に仄かに鉄の味を感じて。普段だったならば嫌悪感を覚えてすぐに離れるはずなのに、強く求めた証のように思えたなら血も甘く感じて。傷つけ合うように重なり合って、深々と刻んだなら良い
2317
「人間は自分の名前を呼んでくる相手に親密感を覚えて、自然意識してしまう」と言われているそうですね。出会ったばかりの相手に名前で呼ばれて、最初は馴れ馴れしいなと思ったはずなのに、次第に呼ばれる度に心が跳ねるようになって。その声でもっと他の言葉をも言ってほしいと、願うようになれば良い
2318
明るく上品な姿を崩さないのに、相手の前でだけ、ぶっきらぼうで粗雑な素の姿を見せる人が可愛らしい。他人に「あんな人と付き合えるなんて羨ましいな、尽くされてるんでしょう」と言われて咄嗟に「尽くしてるのはこっちだし、尽くされて当然って顔されてるよ」と浮かぶも、惚れた弱味で誤魔化せば良い
2319
触りたがりの人が、相手を誘いたい時に難儀する姿に胸がはずみます。肩や膝を触って、自分側から意思表示をしたつもりなのに、普段から触っているから相手は意味に気付いてはくれなくて。「これでもダメ?」と必死に重ねていく内に自分を見失って過激さが増して、半ば襲っている形になってしまえば良い
2320
好きだと自覚しているからこそ、相手に触れなくなってしまう人が可愛らしいです。なにも意識していない相手には簡単に、肩を抱いたり膝に触れたりとスキンシップを交わすことができるのに、相手を目の前にした瞬間にぎこちなく固まってしまって。ちょっとの距離がずっと遠いなと、恨めしく思ったら良い
2321
相手に夢中なあまり、全ての行動が惑わせるものに見えてしまう人が、愛おしいですね。さりげなく触れた指先やフッと逸らされた視線や突然かすれた呼び声の、全部が全部色めいて見えて、「わざとしているんだろうか」と頭を占められて。答えなんて出せないままに、ますますのめり込んでしまったなら良い
2322
叶わない夢だと分かっているのに、「自分だけを見てほしい」と感じてしまう人がいじらしいです。微笑まれるたびに、その微笑みを自分だけの宝物にしておきたいと思って、自分以外の誰かにも向けられることにもどかしさを覚えて。「あの人が自分だけのものになればいいのに」と胸を締め付けられたら良い
2323
服を着せる姿には、色っぽさを覚えてしまいます。無防備にさらされている身体にかしずいて、自分の手で一枚一枚、覆い隠していって。気づけば、人前に立つ普段通りの姿になった相手を見ながらも、先ほどまで見ていた素肌が忘れられなくて。「あの姿を知ってるのは僕だけだ」と考えてウットリすれば良い
2324
いつも明るく朗らかに振る舞っている人が、相手の前でだけ弱った姿を見せるのが、美しいですね。慣れた笑顔を消して大きな声をひそめて、そっと寄りかかって。何も聞かずに「おつかれさま」と優しい声を聞きながら、「この人がいるからいつも元気に見せられるんだろうな」と、秘密を反芻したならば良い
2325
肌を重ねている時に落とされる、なだめるためのキスが艶めいていますね。相手がクッと歯を噛み締めたり涙をポロポロ溢したりしたのを見れば、慰めたいとの欲が湧いて、けれども頭を白く焼かれたままでは特別な言葉も浮かばなくて。音もさせずに、額や頬に唇を落として、重なった心を溶かしたならば良い