1601
お揃いの指輪を身に付けることが叶わない関係の人が、せめてもの反抗として、相手の左手薬指に口付ける一瞬に夢見てしまいます。「ここは僕のものだよ」と刻み付けるように口にしながらもなんの拘束力もないことは分かっていて、「うん、君だけのもの」と従順に返されたら胸が苦しくなってしまえば良い
1602
「遺伝子的に相性が良い人の体臭は、悪く感じ取れないもの」という説がありますね。綺麗好きで、他人の湿った肌には嫌悪感を抱いていた人が、どうしてか相手が放つ香りには惹かれるばかりだと気が付いて。ひとたび絡みついて「君の匂いってそそる」と深く吐息を吐けば、離れられなくなってしまえば良い
1603
愛が深まったあまり、相手の体臭が媚薬代わりになってしまった関係に惹かれます。少し汗ばんだ相手の身体を抱き寄せて、首元に顔を埋めて深呼吸を繰り返して。「も…恥ずかしいよ」と弱々しく訴えられてもやめず、「君の香りを僕だけのものにしたいんだ」と熱っぽい声で囁いて首筋を舐めてしまえば良い
1604
恋人が自分の顔に惚れ込んでいる自覚のある人が、「君ってほんとに僕の顔好きだよね」とからかうのが可愛いです。相手は最初は「うるさい」と答えをはぐらかそうとするものの、抱き寄せられて吐息のかかる距離で「認めないつもり?」と笑われたら真っ赤になって「……好きだよ」と吐き出したら良いです
1605
非喫煙者にとって、喫煙者の口内は苦く感じることがありますよね。煙草は嫌いで、キスで独特の苦みを移された時も不快に感じて、「まずいキスだな」と思ったのに、繰り返すうちに嫌いではなくなって、むしろ苦味が癖になって。「まずいはずなのに、欲しくなっちゃうのなんでだろうな」と考えたなら良い
1606
相手に対する感情の整理がつかないまま、ひどい言動で接していたのに、相手は変わらず優しいからどんどん逃げ場を失って、いっぱいいっぱいの状態で「もう優しくしないで」とこぼす状況に惹かれます。「君を好きになりたくない」と続けそうになって初めて自分の心に気が付いたら、初々しくて可愛いです
1607
「君と一緒にいると、気が付けなかった自分の長所を教えられる」と胸を満たされている恋も素敵ですけれど、「君と一緒にいると、自分が自分でないものになっていくようだ」と背筋を冷やしている恋も、劇的で良いですよね。変わっていく自分に怯えながらも、想うことを止められないでいて欲しいです
1608
「愛してる」よりも「大切だよ」よりも、「君がいないとダメだ」と言われることに、喜びを感じる人が罪深いですね。恋心は、今は本物でもいずれ色褪せてしまうかもしれないと思っているから、愛の言葉より自分が隣にいないといけない理由がほしくて。「君がいないと生きてけない」こそを求めたら良い
1609
相手の顔が好きなあまりに、いつまでも美しさに慣れない人がいじらしい。もう長くともにいるのにふとした時に見惚れてしまって、間近で眺めれば息を飲むばかりで。「いつになったら慣れてくれるの?」とからかわれたら「いつになっても慣れないよ。これからもずっと狂わされる」と返すしかなければ良い
1610
自分自身が、内に抱える依存心に気が付いていない関係性に惹かれます。さばけた性格だと思っていて、誰に頼ったこともないし、相手にも弱音を吐かないくせに、未来を想像した時は必ず相手がいて。「もしいなくなったらどうするの?」と問われたら、「生きていけない」が、喉元まで迫りあがったなら良い
1611
普段笑わない人が、不意に笑みをこぼしてしまった瞬間ってひときわ魅力的ですね。ふっと口元を緩めたら、相手が自分を凝視しながら固まったので思わず「なに」と尋ねると、「き、君が笑ったから…!」と言われて一気に恥ずかしくなり「忘れろ!」「あんな可愛い姿、忘れられないよ…」と交わしてほしい
1612
相手と離れて初めて、自分がどれだけ想っているかを突きつけられる人がいじらしい。普段は強気で1人で生きていけると自信を持っていた人が、離れた瞬間に心に空白を感じてしまって。顔が浮かんでは離れなくて何をする気も起きなくて、「知りたくなかったな」と自分の弱さを嫌と言うほど実感したら良い
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看病をしてもらう話が好きです。病気だからこそ寂しい気持ちが増して看病してくれる相手の存在がありがたく思えて、熱い手で平熱の手をとらえて「どこ行くの」と尋ねて「買い物に行ってくるだけだよ」と苦笑する相手に「…もうちょっとだけこうさせててよ」と普段なら口にできない甘え方をすれば可愛い
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初々しい相手がする、欲の匂いがしないキスが愛おしい。好きを伝える手段として相手にキスを教えたなら、日常的に頬や首筋にしてくるようになるから戸惑って。「可愛い」とは思うものの、されるたびにグラついて、微笑む顔に噛み付いて表情を変えてやりたいと思う自分がいるから、欲と戦ったならば良い
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褒められるのが苦手な人を誉め殺しする姿が可愛らしくて惹かれます。「可愛いね」「優しいんだ」「君は完璧」「そんなところが好き」となにからなにまで甘い言葉でくるんで、慣れない言葉の数々に真っ赤になった相手に「もう言わないでよ」と言われたら「なんで?」と返し「…意地悪」と呟かれてほしい
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恋に落ちたら生活が生き生きすると思っていたのに、初めて恋に落ちてみたら寝ても覚めても相手が頭を離れず会っている時は世界が眩く輝くのに離れている時は世界がくすんで見えて何も手につかなくなるから「あなたに恋なんてしなければよかった」と呟いて「最高の褒め言葉」と笑われる初恋に惹かれます
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自分が与えられるものは何もないと、思い込んでしまっている人が、いじらしいですね。相手からプレゼントをされるたびに嬉しいのに心苦しくて、「返してあげられないのに」と思ってしまって。本当は相手は、微笑まれるだけで好きと言われるだけでありあまる幸せを与えられていると、知らなければ良い
1618
「君は僕のものだ」と告げる話も好きですが、「僕は君のものだ」と告げる話に惹かれます。相手は「知ってる」とはにかんでも、「でも俺はお前のものにならないよ」と呟いても、「お互い相手のものなんだ」と目を輝かせても良いです。相手に屈服して、生殺与奪を握らせるという関係は究極に見えますよね
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暗闇の中で泣く相手を、抱きしめている姿は甘美ですね。泣き顔を見られたくなくて明かりの下では笑っていた相手が、小さく小さく声をもらして涙をこぼしているのが分かるからそっと抱き寄せて。「大丈夫だよ。大丈夫だから。ここにずっといるからね」と繰り返してうなじにキスをして、愛を伝えてほしい
1620
外で雨が降りしきる中、部屋の中で肌を重ねる2人は艶めかしさが際立ちますね。湿り気を帯びた室内は2人分の吐息でいっそう濡れて、高い声もどこか掠れて聞こえて、なぜか感じる寂しさを埋めるために夢中になってしまって。事後に「…雨、まだ降ってるね」と、相手の心音に耳を澄ませながら呟いたら良い
1621
「逃げてもいいよ」と言いながら、相手を捕まえる人の狡さが愛おしいです。少しでも力を入れたならばすぐに解けるようなゆるい手つきで捕まえて、「逃げたいなら逃げていいよ」と口にして。狼狽えた末に止まることを選んだ相手が、本当は捕らえられたいと望んでいたことを、浮き彫りにしてしまえば良い
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いつもニコニコ笑っている相手と仲を深めるにつれて、その笑顔が痛々しく思えて苦しくなるのが好きです。相手が辛い話をしながらも顔はいつもの笑い顔のままだから頰をするりと撫でて「辛い時ぐらい辛い顔をしろ」と言えば「…優しいんだね」とふっと笑みを深められるので自分こそ泣きたくなったら良い
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喫煙者と非喫煙者の恋人達には夢がありますね。恋人がいつも悠々と煙草をすっているから興味が湧いて「一口だけ」とねだって奪ってすってみたけれど口にするなりむせてしまって。恋人に「馬鹿だね」と笑われてそのままキスをされて「君の舌から僕の味がする」と呟かれて恥ずかしくなるのがロマンチック
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相手のために自分の身を進んで捧げる救済愛も好きですが、相手のためになにか大きな行動を起こすわけではなく、ただ清らかな魂と穏やかな言動で相手を無意識に救ってしまう救済愛も良いですね。救った側は自分が救済した自覚はなく、された側ばかり「君のおかげだ」と眩しく見上げている関係は神聖です
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眠りに落ちる瞬間まで、たわいない会話を交わす恋人達が愛おしいです。今日の天気、明日の朝ごはん、今のとりとめもない感情などを思いつくがままに言葉にしていって。ゆっくりと押し寄せてくる眠気に少しずつ口も鈍っていき、「明日も明後日もこういう夜ですように」と願ってから意識を手放したら良い