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看病をするお話は、仲の悪い2人にこそして欲しい。赤い顔で倒れれば馬鹿にされると思ったのに相手は顔を青ざめさせて、見捨てられると思ったのに甲斐甲斐しく世話を焼かれて「優しいね」と皮肉で呟けば「うるさい」と言った相手が泣きそうな顔をしていたので、病のせいではなく胸が詰まったら愛おしい
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病にかかって身体を高熱で蝕まれているために、看病してくれる相手の平熱の手のひらが冷たく心地よくて、ついつい猫のように擦り寄って頰にあて「気持ちいい」と呟いてしまうのも、看病における好きな瞬間です。「もう少しこのままでいさせて」と掠れた声で頼んで、相手を固まらせたら可愛いですよね
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病に倒れれば、家事が苦手な相手が頑張って雑炊を作って匙で口元に運んでくれるので幸せがいつも以上に身に染みて、静かに微笑みながら「こんな幸せだった時ないや」と本心こぼしてしまい「治ったらもっと幸せにさせてやる」と返されて「…早く治さなきゃなー」と呟くような可愛い2人を応援しています
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相手の髪を指に絡ませたり梳いたりして甘えながら「切らないの?」と尋ねて「あなたは長い方が好きでしょう?」と返されたり、「私も色をいれようかな」と呟いて「君とお揃いになるのは嫌だよ」とあしらわれたりする姿に惹かれます。髪を弄ぶって子供じみた行為なのに、どこか甘く爛れて見えますよね
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好きな人の理想の存在になろうと努力する人も可愛いですが、好きな人の服装や髪型や話し方をじっくり観察してうっとり真似て、自分と好きな人の姿を重ねようと努力する人もいじらしくて好きですね。好きな人に「俺と似てるね」と言われたら「そう、あなたのようになりたい」と舞い上がって欲しいです
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袖を引くのは原始的な求愛表現のひとつですし、相手の袖を引く行為にも夢を見てしまいますね。袖を引けば「後で会おう」の合図、袖を引けば「秘密だよ」の合図、袖を引けば「一緒に抜け出そう」の合図。人前でさりげなく行なわれる2人の人間の明確な意思の疎通を目撃して、困惑する人になってみたい
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勉強を絡めたお話は瑞々しくて素敵です。成長する様子のない相手を「少しは覚えたらどう」と叱ったら「そしたら君が教えてくれなくなるでしょう?」とはにかまれて黙る話や、相手に「なんでも知ってるね」と眩しい瞳を向けられたくて裏で地道に勉強続ける話なんて、青春の1ページとして輝いてますよね
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教師役と生徒役の2人の人間がいて、生徒役は知識を相手から吸収し「あなたといると学ぶことばかりだ」と笑うけれど、実は教師役も感情や生活の知恵など机の上だけでは学べないことを相手と接する内に教わっていて「それはこちらの台詞です」と心中返しているような、両者教師役の救済関係に惹かれます
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今までずっと一緒だったしこれからもずっと一緒だとこのままでいられると根拠なく信じていられた2人の関係が、たった一枚の薄っぺらい進路調査票によって亀裂を入れられて、相手が書いた現実感のない第一希望をじっと見つめながら「この瞬間を一生忘れられなくなるんだろう」と予感する青春が好きです
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盗み見るという瞬間には、危うさの中に色気がありますね。知り合いが知り合いにキスしている場面を盗み見て唇に人差し指を当てる仕草を呆然と追うのも良いし、知り合いが自分の私物を愛おしげに触っているのを盗み見て秘密が生まれてしまうのも良い。隠されていた秘密が白日の下にさらされる瞬間は素敵
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「お前」や「あんた」という呼びかけも好きですが、甘さが表面にはほとんど現れないからこそ、「きみ」という呼びかけに惹かれます。「君ってどんな顔で笑うんだろうね」「きみは優しすぎる」「きみのことは好きだよ本当に」「キミは幸せになるべきだ」、このほろ苦い雰囲気は他の二人称では出せません
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相手を束縛するには暴力も脅迫も必要ありませんよね。優しい言葉と眩しい笑顔で十分、上質な暮らしがあれば文句のつけようがありません。「君は完璧」と日々甘く囁いて警戒心を解かせ、上質な衣食住でがんじがらめにし、気づかぬ内に堕落した相手を柔らかな牢獄に閉じ込めるヤンデレはたまりません
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自分が相手に無我夢中で愛されている証拠が欲しいから、相手に傷つけられてみたいと願うヤンデレも良いですね。馬鹿なことをしてみて「怒らないの?」と相手に尋ね、穏やかに「怒ってほしいの?」と返されて首を振り、心中で「強く愛されたいだけ」と答えているような、純情に潜む歪みが愛おしいです
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屈折しているから相手に冷たい言葉ばかりかけてしまう人と、相手は冷たい言葉ばかりかけてくるから嫌われているんだと勘違いしている人のすれ違いは絶妙です。冷たい言葉をかけられている人が追い詰められ「私を嫌っているくせに」と言ったら、かけている人は狼狽えて「違う」と馬鹿な返答をしたら良い
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ただ純粋に相手が好きで「好きだよ」と口にする人と、好きというより嫌いになれなくて嫌いになりたくて嫌えてしまったら楽なのにと思うけれどいつまでも離れられないという混濁する感情を現す言葉が見当たらないから「俺も好きだよ」と口にする人の、明確なすれ違いを内包する両思いは最高ですよね
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傷跡や怪我の跡に唇を寄せる姿に心惹かれます。傷跡を持つ側は喉で笑って「もう、くすぐったいだけだよ」と目を細めても、息を乱して「なんか熱い気がするからやめて」と眉をしかめても、びくりと身を震わせて「汚いよ」と呟いても良い。慈しむように傷跡に触れる行為は、神聖なのにどこか怪しくて良い
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相手が眠りに落ちている姿を見つけた時、額にキスを落とそうか髪を梳き通そうか手に手を重ねてみようかと悩んで、結局傍に座って見守るに止める人が好きです。相手が眠っている無防備な瞬間ですら、自分が触れていいはずがない眠りを妨げていいわけがないと考えて何もできない不器用さが愛おしいです
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眠りと覚醒の淵でとろとろとしていたら相手がやって来た気配があって、どうやら何かすべきかを迷って何もしないことを決めたようだったので物足りなくて苛立って、手を伸ばして服の裾を掴み「…なにかしなよ」と小さく告げる話が好きですね。相手はちょっと黙ってから「起きてる時に言え」と返せば良い
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手に触れるって、単純ながら細やかな愛情表現ですよね。季節が深まったことを理由に、2人組みには相手の手に触れて欲しいです。「手冷たいですね」と触れて言えば「君があったかいんだよ」と相手がドギマギと返すので、「じゃあ、ずっとこうしてたら温度移りますかね」と言って自然に指を絡めて欲しい
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相手に優しくされて「…誤解しますよ?」と挑戦的に問いかける姿は、色めいていて惹かれます。問いかけられた側は視線を外して「勝手にすれば」と呟くのか、うっとり微笑んで「誤解じゃないんだけどね」と囁くのか、困ったように眉を寄せて「させたなら謝るよ」と吐き出すのか、どれも異なる空気の密度
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人前で相手が甘えてきたので、2人きりになった時たしなめるつもりで「あんなことしてると皆に誤解されますよ?」と言ってみたら、相手が唇を釣り上げて「してくれたら嬉しいよね」ともたれかかってくるので、「本当は思ってもみないくせに」と内心毒づきながらも突き放せない人のダメさは愛しいですね
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相手にもたれかかった状態で会話を交わす姿は、距離の近さが2人の許容の証明に見えて好きです。愚痴をこぼしていた相手の声が涙交じりになったので「怒るなよ」と告げて頭を撫でるのは粋で良いし、面と向かっては恥ずかしくて「好きだよ」「知ってる」「…だよね」と告白するのは微笑ましくて良い
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ひたむきで積極的で空回りしがちだが憎めなくて”犬”と例えられる人と、気まぐれで消極的で誤解されやすいが優美で”猫”と例えられる人の2人組は、毛色が違うからこそ上手くいきそうですね。犬めいた人の情熱に猫めいた人が絆されたり、猫めいた人の不器用さに犬めいた人が引きずられたりして欲しい