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自分の人生はくだらない紛い物だけれど、相手の存在だけは本物で美しくて、2人でいる瞬間だけは確かに輝いているという思いつめ方は、危ういからこそロマンチックですよね。「あなたがいない世界は無価値」と告げて、わけも分からず笑った相手を見て「この瞬間が永遠に続けばいいのに」と願って欲しい
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「私と一緒に幸せになって」というお願いもひたむきで好きですが、「私を忘れて幸せになって」というお願いも苦しくて好きです。相手には幸せになって欲しいから自分と一緒にいるべきでないと考える人と、相手と自分は一緒にいないと幸せになれないと考える人のすれ違いは、切なくいじらしく素晴らしい
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「やめて」と拒絶しながら首を力なく振るだけ、「見ないで」と笑いながら顔を覆う、「もっと」と囁いて抱き寄せる、「気持ちいい」の声はかすれて途切れ途切れ、「好き」とこぼして涙を溢れさせ、「ふざけんな」と潤む瞳で相手を罵り、頭が真っ白になって繰り返すのは相手の名前ばかりなのが好きですね
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相手がずっと「綺麗だよ」とか「大好き」とか熱っぽい声で褒めてくるので「うるさい」と怒りたいのに声は言葉にならず、荒い呼吸を漏らしながら相手を睨みつけるしかない展開も好きです。片方が熱に浮かされて言葉を発し、片方が熱に苛まれて声しか発せないという描き分けが、艶めかしくて良いですね
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力ではなく言葉で、肉体的にではなく精神的に縛られる物語は素敵ですよね。人に愛されなかった人が「愛してる」の言葉に、人に認められなかった人が「君は天才」の言葉に、人に称賛されてこなかった人が「一番可愛い」の言葉に依存して、言葉を与えてくれる相手から離れられなくなる姿は可哀想で可愛い
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食事を食べさせる姿は妖しいですよね。「口開けて」とスプーンを口元に運ぶのも、無理やり口に突っ込んで「美味しい?」と笑いかけるのも、舌の上にのせて「味わって」と告げるのも、どれも耽美な光景です。食べさせられる側は子供のように言いなりになり、食べさせる側は支配欲を満たされて欲しいです
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手料理を相手に食べさせながら「僕の手が君の血肉を作っているんだ」と恍惚とするのも、相手の手料理を食べながら「自分の生死はこいつに握られている」と恐怖を感じるのも、毒気があって惹かれます。並んで手料理を食べながら、自分達の細胞はほとんど同じなんだろうかと夢想するのも怖くて良いですね
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自分が相手に友情以外の感情を持つことに薄々気が付いているからこそ、なにかにつけて「俺たち友達だよな」「私たちは親友だから」と言い聞かせるように口にする人は、ねじくれていて愛しいです。友達の枠組みを誰より意識しながら時にふと「本当は友達なんて枠組みが邪魔だ」と考えて欲しい
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この想いは伝えてはならないと長年感情を押さえ込んできた人が、その相手に想いを伝えられて思わず感情が決壊する場面は美しいですよね。泣きながら「私はあなたの友達として生きようと思ったのに」と言って欲しいし、相手はその涙をぬぐって「ごめんね。でも好きだよ」と笑って欲しいです
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一生を誓い合った2人がいたとして、片方は相手がいないと生きていけないので離れるつもりはないのに対し、片方は相手がいなくても生きていけるが共にいることを選んだという関係性が、眩くて大好きです。自分のための深い愛と相手のための大きい愛、異なる愛で結びついた2人がたまりません
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相手の愛する対象にはなれないから、せめて相手が嫌う対象になりたいと思う歪な人が愛しいです。好きの反対は無関心の言葉を信じて、相手から無関心の態度を取られないために嫌われる言動を繰り返し、苛立つ視線をもらえば「これでいいんだ」と言い聞かせ、優しくされれば怯えてしまう人は悲しくて良い
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「優しくしないで」の一言は想像力を刺激します。常に優しい相手に心惹かれたくなくて言うのも良いし、普段冷たい相手に絆されたくなくて言うのも良い。他人に優しくされなかった人の言葉でも、優しくされて失った経験がある人の言葉でも良い。涙を零しながらでも良し、挑戦的に笑いながらでも良しです
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大切な相手に「優しくしないで」と言われた時、唇をなめて「当たり前だ」と笑う人も良いですが、顔をゆがめて「優しくさせて。君に優しくしたいんだ」と懇願する人に、切なくて心惹かれます。失うのが怖くて他人からの優しさを拒む人に、暴力のように惜しみない愛を注いで泣かせて欲しいです
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『天智と天武』は、ヤンデレ男が初恋の男を愛憎するあまり斬り殺して首にキスするが、弟でもある初恋男の遺児が父親に瓜二つなのでやはり心をかき乱されて憎いと思うのに殺せなくて、かわりに弟が愛する人間を皆殺しにして「どうだ寂しいか」と尋ねる漫画なのでお読みください。主題が男2人の愛憎です
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『天智と天武』はヤンデレ兄が、初恋の男に瓜二つの弟を愛憎するあまり弟の身近な人間皆殺しにするが、死にかけた兄を弟は命がけで助けて殴り合いになり「俺をなぜ殺さぬ?」と尋ねられ「お前は私のものだからだ」と答えてなんだかんだでキスし、この時2人のせいで1万人が無駄死にしてる青年漫画です
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「君は僕のものだ」と告げる話も好きですが、「僕は君のものだ」と告げる話に惹かれます。相手は「知ってる」とはにかんでも、「でも俺はお前のものにならないよ」と呟いても、「お互い相手のものなんだ」と目を輝かせても良いです。相手に屈服して、生殺与奪を握らせるという関係は究極に見えますよね
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「夏も終わるね」という一言には浪漫が詰まっていますね。夏の間に距離が近づいた相手の指に自分の指を絡めて微笑みながら囁いても良いし、一夏しか一緒にいられない相手の目を見つめて噛み締めるように告げても良い。いつのまにか肌寒くなって甘ったるい季節は終わると、2人で実感して声にして欲しい
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相手の声を好きになる展開は、艶めいていて素敵です。従いたくないのにその声には抵抗が出来なくて、囁かれたら耳から全身に熱が回って、1人でいる時も声が蘇って恋心を実感する人は可愛らしいです。相手に「名前を呼んで」と頼んで、望み通りに名前を呼ばれたら幸せそうに笑って欲しいです
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一番最初に忘れる他人の特徴は声だという話は、相手との別離を恐れて声に執着する人も、離れた相手との音声を繰り返し聞いて過去にすがる人も、離れた相手がどう自分に呼びかけてくれたかを思い出せずに苦しむ人も、再会して声を聞いた途端に過去が蘇って身が竦む人も想起させるから素敵ですね
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相手のことは気に入らないのに、顔だけは好きなので余計悔しい関係が好きです。うっかり見惚れた後に目が合って「誤解だから」と言い訳して、「その顔が無かったら許してない」と言ったら顔を近づけられて「許しちゃうんだ?」と口にされて。視覚の暴力に心かき乱されて、ボロを出し続けたら可愛いです
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顔だけはタイプな人間に「顔以外取り柄がないくせに!」と吐き捨てたら、嬉しそうに「この顔は好きなんだ?」と微笑まれたり、悲しげに「顔…だけ?」と迫られたりして、焦がれる顔が間近にあるために混乱してしどろもどろになって主導権を握られてしまう展開が好きなので、積極的に推していきたいです
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眉目秀麗な人間が、平凡な容姿の人間の顔に惚れ込んで「何しても可愛い」「綺麗でずるい」と惜しみなく賞賛している姿は、愛おしいですよね。平凡な人間は「君こそ綺麗な顔のくせに」と思いながらも、眉目秀麗に熱を上げる周囲の人々と同じとは思われたくなくて、褒め言葉は口に出来ないとなお良しです
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可愛いと言われるのが嫌な人と、その人に可愛い可愛い連発する人の組み合わせがコミカルで好きです。言われた相手が苛立って「可愛くねーわ」と唇とがらせたり、睨みながらバシバシ叩いてきたり、「他の人に言えば」と鼻で笑ったりすれば、「やっぱり可愛いね」と口を滑らせて火に油注いで欲しいです
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世界か相手か天秤にかけられた時、迷わず相手を選んで世界を見捨てる人と、迷った末に世界を選んで相手を殺す人のCPが好きです。相手を選ぶ人は本気で1人で世界と戦えると信じていて欲しいし、世界を選ぶ人は泣きながら「馬鹿だなぁ」と言って見殺しにして欲しい。世界を賭けた愛のテーマは永遠です