201
「寒いから」を理由に触れ合ってしまう2人が愛おしいですね。本当は少し寒いぐらいは気にしてもいないのに、「寒いから家にいようよ」と口にして、本当はあたためる方法なんていくらでもあるのに、「寒いからこっちきなよ」と口にして。熱くはなくてじんわりあたたかいだけの身体を、離さなければ良い
202
指に口付ける姿には、艶めかしさがともないますよね。素直になれなくて、「イヤ」と言って手のひらで退けたつもりが、その手を相手に捕らえられて、ゆっくりと指にキスをされるから。唇の温かな熱と柔らかな弾力を生々しく意識して熱が上がってしまい、「いや」の声がどんどん掠れてしまったなら良い
203
相手が隣にいなくなった瞬間に、自分がどれだけ依存していたか実感してしまう人が、いじらしいですね。いつもは隣にいてくれるから、大切さを改めて反芻することはなかったけれど、いなくなってしまったなら、心がざわついて落ち着くことができなくて。「寄りかかってたんだな」とため息吐いたなら良い
204
キスをする前に、焦らす時間を作る人が罪深いですよね。本当は、距離をゼロにするのなんて簡単なはずなのに、目が合って閉じられてもすぐには重ねないで。頬をゆるゆるとなぞったり、顎を親指でくすぐったりして時間を余裕たっぷりに費やして。もともとはなかった恥ずかしさを、引きずり出したなら良い
205
「本気にしてもいい?」と、相手にあえて尋ねる人に、罪深さを見てしまいますね。目線が重なって指が触れ合って、そういうことなんだなと口にせずとも分かったのに、求めている顔を見据えて「本気にしてもいい?」と小さく口にして。身震いした身体が、「いいよ」を言うまでは、待ってしまったなら良い
206
相手を抱き枕にする姿に、深い愛を見てしまいますね。普段1人でいる時は、眠れなくてグズグズと夜更かしをしてしまうのに、相手が隣にいてくれるとスッと心が落ち着いて。その身体にキツく抱きつけば、すぐに意識を手放すことができて。微睡みの中で、額に落ちるキスの感触を幸せに思っていたなら良い
207
報われなくてもいいと謙虚に思っていた人間が、両思いになって欲張りになってしまう姿が、艶めかしいですね。「好きになってくれるなんて」と奇跡にすら感じたのに、両思いの実感が芽生えるにつれて、「もっと見て」「もっと構って」と欲が増えてしまって。自身に呆れながらも、後戻りできなければ良い
208
冷え込んだ手を、自らの手であたためる人に研ぎ澄まされた愛を見ますね。外気に冷やされて凍えた人が、ふっと手を取られて握り込まれて、「冷たい」と笑われるから、思わず寒さとは違う理由で震えてしまって。「このままあたためてあげるよ」と体温を移してくれる姿に、身も心も甘えたくなったなら良い
209
相手の隣にいると、そっと落ち着くことができる関係が美しいですね。引き寄せられてもときめきはしないし、体温を感じても甘さはよぎらないけれど、触れている箇所からじんわりとした温かさが生まれて全身に広がっていって。「不思議だな」と、魔法のような力を持つ相手に、静かに焦がれていたなら良い
210
「恋」が「愛」に変わる日を、恐れてしまう人が愛おしいですね。相手に対して常に浮ついていて、指を絡めるだけで甘い痺れがはしる今こそが特別だから、いつか隣にいるのが当たり前の関係になるのが嫌で、逃げてしまいたくて。「ずっとドキドキさせていてよ」と自らの頭を、恨めしく思っていたなら良い
211
誰に対しても距離が近い人が、相手に対しては一定の距離を保っているのが、いじらしいですね。視野に入れていない人間ならば何も考えずに、抱きついたり肩を抱いたり指を絡めたりができるのに、その人を目の前にすると硬直してしまって。「自分には触るのイヤなのかな」と、勘違いされてしまったら良い
212
髪の毛を撫でる仕草に、深い愛を見てしまいますね。普段は気ままな相手が突然に身を任せてくるから、野良猫のように見えて可愛らしくて、毛並みを整えてあげるつもりで手を伸ばして、ゆっくりと髪を梳いてみて。見え隠れする耳が次第に色づいていくから、ますます撫でくりまわしたくなってしまえば良い
213
眠っている相手の額にそっと落とすキスが、美しいですね。常日頃はかたくなに鎧をまとっている人が、スヤスヤと安らかな眠りに落ちて無防備な姿を晒しているから、安堵したはずなのに思わず触れたくなってしまって。額に素早く唇を落として、「…ごめんね」と誰にも聞こえない謝罪をしてしまったら良い
214
「親しい人との30秒間のハグで、3分の1のストレスは消える」と言われていますよね。その話を逆手に取って、「癒させてよ」と相手に迫る人が可愛らしいです。「どうぞ」と笑われるから自分から抱き寄せながら、ゆっくりと30秒を数えて。自分こそ癒されているという事実は、あえて口にしなければ良い
215
一見冷たく見えるけれど、内面は優しい人が魅惑的ですよね。辛いのに無理をしていたら叱られて、「辛い時ぐらい辛い顔して」と言ってきて。そう言う相手の顔こそ、らしくもなく歪んでいるから、「意外に優しいんだね」とからかうつもりが笑えなくて、不器用な優しさに甘える形になってしまったら良い
216
一見隙がなく見えるのに、日常的には隙だらけな人が愛おしいですね。面倒を見ている相手は、周りに「あの人って普段もしっかりしているんでしょう?」と聞かれるたびに、だらしない一面が脳裏に蘇って。けれどその姿は自分だけのものだと優越感を覚えながら、「いつも完璧だよ」と断言していたなら良い
217
しっかり者で隙を見せない相手だからこそ、「甘やかしたい」との欲を湧かせてしまう人が罪深いですね。つらいはずなのに、「大丈夫なの?」と聞いたら「大丈夫」とすぐに返して前を向くから、そのピンと張りつめた背を撫でて蕩かして、「大丈夫じゃなくていいよ」と言いたいと夢想してしまったなら良い
218
相手に触っていると落ち着く人が、可愛らしいですね。その柔らかな肌と温かな体温にくるまれると、嫌なことが遠ざかっていくように思えて。眠りに落ちている身体にたおやかに触れて、慣れた香りを肺まで吸い込んで。「いないとダメって依存してるのかな」と、しやすくなった呼吸を小さく吐いたなら良い
219
言葉では、何ひとつ素直に表明できないのに無自覚に、触ることで愛をしめしてしまう人がいじらしいです。ボンヤリと目を覚ましたなら目の前に、いつも焦がれている身体が無造作にあるから「ああ夢だな」と思って、夢だからこそ大胆に触って頬擦りして。覚醒している相手の悶絶には、気付かなければ良い
220
喧嘩の後に肌を重ねる2人には、よりいっそう艶めかしさを見てしまいますね。「ごめん」と子供じみた口調で繰り返す身体をグッと引き寄せて、涙の跡に口付けていくうちに気付けば唇が重なっていて。なんであんなことを、と先ほどまでの自分に苛立ちが湧くほどに、目の前の素肌への熱が高まったら良い
221
約束ができない関係なのに、「ずっと一緒だよ」と言ってくる相手を、憎いと思ってしまう人がいじらしいですね。永遠なんてないし未来なんて確実じゃないはずなのに、明日を誓ってくるから、「ずるいな」と思って憎いのに嬉しいと思ってしまう自分もいて。「ずっと一緒だよ」の声に、小さく頷いたら良い
222
泣き顔に黙って口付ける姿に、艶めかしさを見てしまいますね。相手がポロポロと涙を溢れさせても、「泣かないで」とは口にせずにただ顔を近づけて。とめどない涙の跡に唇を落として、塩っぱい水滴で唇を濡らして。「なんで」と言うなりますます泣いてしまう相手に、そっと寄り添ってあげたならば良い
223
天真爛漫な相手を、「泣かせたい」と思ってしまう歪みが愛おしいですね。いつも笑っていて誰にも平等に笑いかけるから、そんなところを好きになったはずなのに、次第に違う欲望が生まれていって。「この手で泣かせてやりたいな」とふっと思っては自己嫌悪に陥って、眩しい顔を直視できなくなったら良い
224
寂しい時に、「寂しい」とは率直に口にできない人がいじらしいですね。不安に埋め尽くされて1人ではいられないと思うのに、そうとは言えなくて。ただ黙って相手の腕を掴んで。「寂しいの?」と問いかけられても答えはしないのに、その手を離すこともできずに、不器用に寄りかかってしまったなら良い
225
「忘れないでね」と最後に呪いをかける人の、愛の重さに惹かれてしまいます。別れ際に「さようなら」でも「ありがとう」でも何でも綺麗に終わらせることはできたはずなのに、「忘れないでね」の言葉を選んで。口にしながら微笑んで。言葉通りに相手は永遠に、その人の幻影に苦しめられたならば良い