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朝が弱い人が、頭が働かないままに相手に甘えている姿が可愛らしいですね。寝起きは受け答えがままならないから、起こされてもボンヤリした顔で相手を見つめるだけで。何を言われても小動物のように、うんうんとただ頷いてしまって。その大人しさに、相手は胸撃ち抜かれていることに気付かなければ良い
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常日頃はお喋りなのに、色めいた空気になった瞬間に黙り込んでしまう人が可愛らしいですね。いつもなら、頭に思いつくままに話しているのに、相手の顔が近づいた瞬間に思考が真っ白になってしまって。「こんな時だけ静かなんだね」とからかわれても、何も言えずにただ大人しく見つめてしまったなら良い
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大切だと思うからこそ、一線を越えたくない人が愛おしいですね。相手は美しいばかりだからこの手で触れただけで汚してしまう気がして、「大切にしたい」と思えば手を繋ぐことすら躊躇ってしまって。自分の中に確かにある、「この綺麗な人をかき乱したい」という仄暗い欲望をひそかに恐れていたなら良い
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キスをされるだけで、身体の力が抜けてしまう人が罪深いですね。初めてでもないのに唇を重ねると、伝わった柔らかさに頭が浮ついて、そのまま力が入らなくなって。気付けば抱き止められる格好になって、煽られた相手に「これぐらいで腰が抜けてどうするの?」とますます激しくされてしまったならば良い
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身長差がある2人がいたとして、背が低い側から背が高い側に不意打ちでキスをする姿に魅了されてしまいます。いつも向こう側のタイミングで屈まれてキスをされるのが、主導権を握られているようで不満で。隙をついて首元を引っ張って不用心な唇を奪って。「油断してたでしょ?」と笑い飛ばしたなら良い
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背が高い人が頭を撫でられるのは、慣れない行為だからこそ魅力的に映りますね。いつもは当たり前のように見下ろしている相手に「かがんで」と言われて、言う通りに頭を下げれば手が伸びてきて。柔らかに後頭部をかすめる感覚が未知数で、「いいこだね」と言われたら動転したままに赤くなったなら良い
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相手の汗の匂いを好きになってしまう人が、耽美ですよね。それまでは他人の汗なんて不快でしかなかったはずなのに、相手が汗をかいていると嫌とはどうしても思えなくて、ぬかるんだ肌に頬を寄せて香りに包まれたいとの考えがよぎってしまって。1人こっそり、脱ぎ捨てられた服に手を出してしまえば良い
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肌を重ねた後に、途端に恥ずかしくなってしまう人がいじらしいですね。求め合った瞬間は、熱に頭を浮かされて何も考えずにいられたのに、熱が引いてしまえば、冷静に行動を吟味する余裕が生まれてきて。「よくあんなことできたな」と思えば違う意味でまた頭が熱くなって、目線も合わせられなければ良い
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長く知り合いの、歳の差がある2人がいたとして、ふとした時に相手の成長を実感してしまうのが甘いですよね。抱きしめられた時に「こんなに身体大きかったっけ」と思えば、今よりも小さくて今よりも細かった相手が瞼の裏にチラついて、そんな年下に手を出してしまった自分への罪悪感がよぎったなら良い
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眠っている相手に、そっとくっつく人が可愛らしいですね。悪夢を見て目が覚めて、嫌な感覚が尾を引いて、呼吸を整える中で目の前で眠りにつく身体が目に入って。ゆっくりと距離を縮めて、静かに触れて、トクトクと一定の心音を感じながら「もう大丈夫なんだ」を実感して、今度は幸せな夢を見たなら良い
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キスをする際に、相手の腰に手を回してしまう人が艶めかしいですね。自分からしたいなんて言えなくて、降ってくる唇を受け入れる時もされるがままなのに、唇が重なったなら腰に手を回してギュッと引き寄せて。その、言葉にはされない愛の強さが相手に、「こういうところが可愛い」と映っていたなら良い
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無表情な相手の感情の変化を、一緒にいるうちに分かっていく姿がいじらしいですね。知ったばかりの頃は、何をしても反応が乏しい相手をつまらないと思ったのに、少しずつ、声のトーンが変わることや言い回しが柔らかくなることに気が付いて、「意外と可愛いとこあるんだな」と胸を跳ねさせられたら良い
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寝ている人にかすめるキスが、秘密めいた美しさを持ちますね。起きている時には見せない無防備さを、相手が見せているから、美しい寝顔を眺めているうちに「一度だけ」の夢が生まれて。震えながら顔を寄せて、一瞬だけ頬に唇を重ねて。「誰にも言えないな」と、自分だけの秘め事を持ってしまえば良い
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一度目は流れでキスをしてしまった2人の、「二度目のキス」に夢を見てしまいます。最初こそは雰囲気に飲まれたと言い訳はできるけれど、今度こそはどんな言い訳もきかなくて、もうなかったことにもできないと分かってはいるのに、それでも「したい」の気持ちは消せなくて。震えながら、重ねたなら良い
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大人っぽい人を、子供になるまで甘やかす姿には、倒錯めいた美しさがありますよね。手を広げて飛び込んでくるのを待って、思い通りになったなら整えられた髪をかき混ぜて、「2人きりの時は子供になってくれていいからね」と囁き落として。抗えずに頷いた相手に「いい子だね」とご褒美をあげたなら良い
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大人が大人を寝かしつける姿に、色っぽさと可愛らしさのふたつを見てしまいますね。疲れているはずなのに、グズグズと夜更かしをしたがる相手をベッドに引っ張り込んで、「寝なさい」と優しく告げて。「子守唄でも歌ってよ」と拗ねられるから、溜め息ひとつ吐いてから、不器用に歌ってあげたなら良い
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「爪を噛む癖がある人は寂しがり屋」と言われているので、爪を噛んでしまった人は甘やかされてほしいですね。「また噛んだの?」とギザギザの爪に触れて、呆れながらヤスリで整えてくれる相手の愛が嬉しくて。こうして面倒を見てもらえるなら、悪癖を直さなくてもいいかなとこっそり考えてしまえば良い
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目が覚めたばかりの2人が、ボンヤリと頭が溶けたまま触れ合う姿に、可愛らしさを見てしまいます。夢見心地のまま、乱れた髪に指を絡ませて。開ききっていない目元が笑うのを幸せだとゆっくり感じ取って。「寝ぼけてるの?」と聞いてくる声に甘えたくなって、しばらくは子犬のように戯れてしまえば良い
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「好き」と言われるたびに、相手への愛が深まってしまう人が愛おしいですね。最初は、向こうこそ自分を好きなぐらいの気持ちでいたのに、毎日毎日甘い声で「好きだよ」と言われるから、どんどん溺れていって。これ以上好きになったならどうなるかも知れないままに、「もっと言って」とねだったなら良い
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相手に甘やかされることを、恥ずかしいと思ってしまう人が可愛らしいですね。壊れ物に触るように触れてきて、蜜の溶けた声で呼んできて、「君が大切だよ」といつだって繰り返してくるから、落ち着かなくて。「もっと雑に扱ってくれても大丈夫だよ」と口にして、「できないよ」と笑われてしまえば良い
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相手の過去にまで、嫉妬してしまう人が愛おしいですね。触れてくる時の顔の赤さや、眠っている際の安らかな顔や、キスをする際に震えている指先を大切に思うのに、思うからこそ、「この姿を見た他の誰かがいるんだ」と嫉妬してしまって。もっと早くに出会いたかったと、無意味な夢を持ってしまえば良い
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お互いに、相手を「無自覚」だと思い込んでいる2人がいじらしいですね。距離を縮めたのもあだ名をつけたのも上目遣いになったのも自分は全部が全部計算だったのに、同じことを相手にされると、無自覚と勘違いして。「他人に勘違いされたらどうするんだ」と、無意味な嫉妬を燃やしてしまったなら良い
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相手の身体にこっそりと、自らの香りを移す人が、罪深いですね。この人は自分のものだと本当は、大きな声で言いたいほどに独占欲が深くて、けれどそんなことをしたら相手に嫌われてしまうかもしれないと、臆病な心もあって。香りだけ移して、目には見えないその証を気付いてもらいたいと思ったなら良い
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キスマークをつけようと、格闘してしまう人が可愛らしいですね。「束縛の証」というものに憧れがあって、了承を得てウキウキと肌に口を寄せたのに、吸い付いても綺麗に色がつかなくて、「どうしたらつくの」と途方に暮れて。「覚えて」と、自分こそが身体に跡を刻み込まれる羽目になってしまったら良い
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熱をふくまないキスが、可愛らしくて愛を見てしまいますね。「おはよう」も「いってらっしゃい」も「おかえり」も「おやすみ」も言葉だけではなくて、額や頬に一瞬だけ柔らかく掠める唇があるから気恥ずかしくて。「子供だと思ってない?」と拗ねて見せつつ本当は、愛されている実感を得ていたら良い