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手首にする、「懇願」のキスは艶めいていて夢を見てしまいますね。断わろうと思って、言葉だって用意していたのに、優美に腕を捕まえられて屈み込まれて、手首に口付けを落とされて。「拒まないで」と言われたならば頭が真っ白に塗り潰されて。ズルい人間だと分かりながらも、逃げられなくなったら良い
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相手の首の裏にキスをするのが、甘美で際立って見えますね。背後には隙だらけの相手にこっそりと息をひそめて近づいて、素早く屈み込むなり、音を立てて口付けて。意味を理解した相手が、手のひらで箇所を覆い隠して自分を振り仰いでじわじわと赤くなっていくさまを「可愛いなぁ」と堪能したならば良い
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泣いている相手のかたわらに、ずっと寄り添う人の姿が甘美ですね。涙を流されても慌てはせずに抱きしめて、頭を撫でながら「平気だよ」を繰り返して吐息を落ち着かせて。ポロポロと、透明な大粒を落としていく相手を見つめながら、「どれぐらいだってそばにいたい」の感情を、抱かせてしまったなら良い
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相手の存在が、精神安定剤になってしまっている関係に惹かれます。常に自分の視界の中にあってほしくて、気付かぬうちにそばに寄って指をそっと絡めて。微笑まれて「あなたは大丈夫だよ」と言われたならスッと気持ちが落ち着いて。「この人がいないとダメなんだな」と、息を吸える理由を知ったなら良い
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「どれぐらい好き?」の尋ね方で、相手の愛をゆする人が可愛らしいですね。さんさんと愛の言葉を降らせられないと我慢ができなくて、黙って待ってはいられずに、「どれぐらい好き?」と聞いて。簡単な言葉では許さないワガママさは見せるのに、満足をしたら、自分もどれだけ愛してるかを示したなら良い
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肌を重ねている時にしか、「好き」の言葉を口にしない人が艶めかしいですね。普段は、「好き?」と問いかけられても「別に」とあしらっているのに、頭が蕩けたその瞬間には全身全霊で縋って、「好き、大好き」と夢中で告げて。「こんな時ばっかり」と相手に思わせながらも、燃える熱を移したならば良い
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人前では、そっけないフリをしてしまう恥ずかしがり屋の人が可愛らしいですね。本当はありあまる愛を捧げているのに、他人に「好きなの?」と尋ねられると答えられなくて煙に巻いてしまって。2人の時に相手に「不器用だよね」と笑われたなら、「茶化せないぐらい好きなんだよ」と返してしまったら良い
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眠っている相手に、秘密で落とされるキスが美しく見えますね。スヤスヤと眠りにつく、安らかな寝顔を見ていたら、じんわりと愛おしさが胸に広がって。チュッと小さくキスを頬にして、それでもまだ起きない相手を眺めながらさらにキスをしようか違うことをしてみようかと、幸せな悩みに浸ったならば良い
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言葉を奪うため仕掛けられるキスが、鮮やかに見えますね。「黙らせてみたら?」と挑戦をされたから、カッと内が燃えて頬に手を添えてグッと身を寄せて唇を荒々しく奪って。先ほどまでは生意気だった相手が、か弱く吐息をもらして背筋を震わせていくことに、支配欲を満たされてますます貪ったならば良い
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暑いばかりの部屋で、肌を重ねる2人は、いっそう色っぽく映えますね。ますます熱くなることは分かりながらも、手を伸ばすことを諦めきれなくて。浮かんだ汗の粒が、次第に混ざりあうことに思考が乱されて。不快でしょうがないはずの室温と湿度なのに、「このまま時間が止まればいいな」と思ったら良い
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外は雨が降りしきる中で、室内で肌を重ねる恋人たちに惹かれます。「雨が降ってるから外には出られないね」を言い訳にしてそっと肌に触れて、その肌がいつもよりも温かく感じられるから愛おしくてのめり込んで。うるさい雨音にかき消されないほどに強く、濡れた声をたっぷりとこぼしてしまったなら良い
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なかなか目覚めない人を、起こすまでの一悶着が可愛らしいです。揺さぶっても眠たげな声をあげるだけで、「起きて」と口にしても「あと5分」をモゴモゴと繰り返すだけで。「どうしたら起きてくれる?」と尋ねたならしばらく黙られてから、「キス」と返されるので、深い溜め息とともに許したならば良い
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眠っている相手ににじり寄って、抱きついてしまう人がいじらしいですね。フッと目を覚ましたならば相手はまだ眠っていることが分かって、薄暗がりの中そっと近寄って、ゆっくりと胸元に頭を載せて。トクトクと響く鼓動に耳を澄ませて心を落ち着けながら、「この人が好きだなぁ」を噛み締めたならば良い
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自らの「香り」を相手に移す、可愛らしい欲の見せ方に惹かれます。目で見える形では縛れないから、目に見えない形で縛ってやろうと画策して。くっついてほんのりと、自分の香りが移るようにして。第三者がすれ違いざまにフッと、自分のことを思い浮かべて、「もしかして」と考える隙を与えたなら良い
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身につけるものを贈る人の、ひそやかな独占欲に惹かれてしまいます。「きっと似合うと思ったから」と気軽に口にして贈りながら、本当は、相手が身につける時に自分のことをクッキリと思い浮かべることを計算していて。自分の目が届かない瞬間も、自分に縛られている関係性にウットリと浸ったなら良い
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肌を重ねている最中に、噛み跡を残してしまう人が艶めいていますね。食べたくなるほど可愛いなんて言葉がありますが、真っ赤に肌を染めて瞳を涙でいっぱいに潤ませている相手を見ると、自分の中の加虐心に火がついてそのまま柔らかな肌に歯を立てて。濡れた噛み跡を見て、ウットリと満たされたなら良い
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本気だからこそ、「好き」とは言えない人の厄介さが愛おしいです。相手が自分にたびたび好きだと言ってくるのは、真剣ではないからだということが分かっていて、言われるたびに少し嬉しいのに少し傷ついて。「こっちは好きなんて、そんな簡単には絶対言えないのに」と溜め息を吐きたくなったならば良い
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「好き」と口にすると負けだと思っている、面倒な人が可愛らしいですね。恋心を持ってはいるけれど、プライドの高さからきちんと認めることはできなくて。「でも好きなんだよね?」と他人に尋ねられたら逃げ場を失って、目を逸らしながら「……嫌いではないけど」と精一杯の言葉で誤魔化したならば良い
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ものを「食べさせる」行為は、支配の香りが付き纏うからこそ美しいですよね。目上の人間が目下の人間に、「食べさせてあげるよ」と口にして。目いっぱいに開いた口に乱雑にスプーンを突っ込んで。大人しく咀嚼する姿を眺めながら、目の前の人間の生殺与奪は自分が握っているのだと酔いしれたならば良い
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「口移し」は実用性が全くないからこそ、耽美に映える行為ですよね。「くち開けてて」と優しく命令をして、たっぷりと水を口にふくんで、開いた口内に注ぎ込んで。当然うまくいくはずもなく、ダラダラとこぼれ落ちてだらしなく口元や首が濡れてしまったなら、「ダメだね」と笑って指先でなぞったら良い
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「一度だけ」で始まったキスが、終わらなくなってしまう瞬間に夢を見ています。ねだったなら、「一度だけならいいよ」と了承を得てゆっくり味わおうとしたのに、ひとたびその柔らかさを知ったなら、すぐには身体を離せなくて。相手との約束を破る背徳感を覚えながらも、何度も何度も重ねてしまえば良い
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触れるだけのキスで、我慢できなくなってしまう一瞬が、扇情的ですね。相手が穏やかに微笑んで、唇をかすめるようなキスをしてくればカッと身のうちが燃えて、途端に我慢が効かなくなってしまって。その手を捕らえて自らへとグイと引っ張り込むなり、刻むような荒々しいキスを仕掛けて離さなければ良い
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肌を重ねる際に、思わず相手の服を痛めてしまう一瞬が色めいていますね。布が破れたりボタンが飛んだりした瞬間は、自分自身も切羽詰まっていて思いを馳せる余裕がないけれども、事後に身につけるとなれば、悲惨な服に狂うほどの情熱を見て。「どれだけ余裕なかったんだ」と、いたたまれなくなれば良い
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肌を重ねる際に、あたりに服を脱ぎ落としていく2人が甘美ですね。お互いに求めあっている時は礼儀なんて何も考えられないけれど、熱がほんのりと冷めたなら、床に散らばる布の数々が、自分たちの余裕のなさを表しているように見えて恥ずかしくて。少しだけ気まずさを覚えながら、拾い上げたなら良い
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相手の膝に頭を載せる体勢は、上下関係が垣間見えて艶めいていますね。「ここに頭のせてよ」と言われたら逆らえなくて、抵抗感はありながらも、おずおずと床に膝をついて、膝にそっと載せて。強ばった身体が、「いいこだね」と撫でられるたびに解けていって、潤んだ目で相手を見上げてしまったなら良い