701
誰とでも寝てきた人が、初めて本気で好きになった相手には臆病になって、寝ようとしない葛藤がいじらしいです。「どうして?僕のことが嫌いなの?」と尋ねられたら、「…好きだからだよ」と小さく返して。「他の奴らは寝たら皆離れてった。好きだから…君には離れられたくない」と切々と吐露すれば良い
702
シガレットキスは一晩のお誘いという、官能的な説がありますよね。煙草をすう相手に「火、貸してよ」と近づいて、ライターを出されるより早く、その焦げ付いた先へ煙草の先を触れ合わせて。火が付いた煙草を深々とすいこんで煙を吐き出しながら「シガレットキスが持つ意味って知ってる?」と笑えば良い
703
「チョコレートには媚薬効果があり恋心を抱かせる」と、古くは信じられていたそうですね。その知識を語ってから相手の口に甘い一粒をいれてあげて、「どう?」と微笑みかけて、「ドキドキする?」と胸に手を当てて。早くなっていく鼓動を数えながら「本当に効果があるみたい」と惑わせてあげたなら良い
704
愛のために死を選ぶ2人も素敵ですが、愛のためと分かってもどうしても目の前の相手を殺せなかった2人も美しいです。つらい現実から逃げ出して2人で海まで心中旅行に赴いたのに、ひたひた海中に足を進めていく内に相手が死ぬのが耐えられなくなって、手を掴んで抱き寄せて「帰ろう」と泣く恋が悲しい
705
身長差があるカップルがするキスは可愛らしさがありますよね。唇に距離があるからどうしても自然な流れでは重なることが出来なくて、「したいな」と思ったら相手を見上げて手を引っ張って強請るしかなくて。たまに意地悪で「なに?」とはぐらかされたら苛立つのに、屈み込まれたらすぐときめいたら良い
706
甘えるのが苦手だった人が、相手の甘さに溺れていくさまが魅力的ですね。甘やかされるのは子供扱いだと思って避けて生きてきたのだけれど、甘やかすのが好きな相手に出会ってしまったら欲が生まれて自分という形が崩れていって。2人きりになるなりピッタリくっついて、言外にねだってしまったなら良い
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潜在的に自分が嫌いだから自虐的な行動ばかり繰り返して、「自分を大切にして」と諭される度に自嘲的に笑っていた人が、馬鹿がつくほど真っ直ぐな相手に「君が自分を大切にできないなら僕が君を大切にする」と生涯かけた大告白されて、罵りたいのに思わず泣く場面が嫌いな人はこの世にいないでしょうね
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「口内は神経が張り巡らされた場所で、特に上顎は敏感に作られている」と言われますから、指で相手の口内をいたぶる姿が甘美に映ります。口を開くように促されて、大人しく従えば、普段は触れられることがない場所に異物が入り込んでくるから。優しい指の動きに電流が走って、理性が削られていけば良い
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両思いだと分かっていながらも、一歩踏み出せない姿に心を掴まれます。2人で夜道を歩いている時、テレビを見ている時、人混みに巻き込まれてしまった時、目の前にある手を繋げばなにか変わるかもしれないと分かっているから一瞬だけ迷って、一瞬後になにもせず、なにも気づかなかったフリをしてほしい
710
触れられずに時間が過ぎた意味を、「大切にされていたから」ではなく、「特別に思われていないから」だと、勘違いしていた人の不器用さにときめいてしまいます。ただ触れられただけで感情が決壊して、気付けばとめどなく涙を流していて。「あなたになんとも思われてないんだとばかり」と吐き出せば良い
711
泣いてしまった人に、ただ寄り添う人の大切さを感じます。ポロポロと涙をこぼす相手に肩を貸して、そっと首を触って、大丈夫だと分かったら頭を撫でて。「ありがとう」とお礼を言われたら「別になんにもしてないから気にしないで」と返して、「だから君も気にせず好きなだけ泣きなよ」と付け足せば良い
712
目が覚めたら左手薬指に見知らぬ指輪が嵌っていて、頭が真っ白になりながらまじまじと見つめていると「驚いた?」と隣で眠っていた恋人が身を起こしてきて「今年のプレゼントは君がほんとに欲しいものにしたつもりなんだけど……感想は?」と尋ねてくるので、思わず泣いてしまう日ですね、12月25日
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相手への恋心が増せば増すほど、相手の香りにも肌が熱くなってしまうようになる人が、愛おしい。眠っている相手の首筋や頭にこっそりと鼻を寄せて、ひっそりと息を吸い込んで。胸を満たした慣れた香りに安堵が広がって。「匂いまで好きになっちゃうとか馬鹿みたい」と思いながらも離れられなければ良い
714
両想いで結ばれたはずなのに、片想いの気がしてしまう人がいじらしいです。「愛してるよ」と告げたならば、小さく笑われて「うん、愛してる」と返されるから重さが違う錯覚が起きてしまって。「本当に愛してくれているの?」と尋ねたい衝動が湧きながらも出来ず、ただ目の前の身体を抱きしめたら良い
715
他人から愛情を注がれたことがなかった人の空っぽの身体に自ら溢れんばかりの愛情を注ぎ込んで、自分から決して離れられなくする刻印づけの愛の形に惹かれます。「君に出会わなければ1人で生きていけたのに」と甘えられて、ひっそり微笑みながら「もう1人で生きていかなくていいんだよ」と返せば素敵
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相手を喜ばせるためではなく、相手の涙を止めるためにするキスが愛らしいですね。泣き出してしまった恋人を抱き寄せても髪を撫でても、ボロボロと涙は溢れ出るので、ついにキスをして、軽い触れ合いを何度も繰り返して。言葉にせず「僕が満たすから泣き止んでよ」という優しい想いを伝えてあげてほしい
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初めて一夜を共にした2人が一緒に朝食を囲むことになった際、互いに「あの手が…」と目の前の美しい指に苛まれたことを思い出して目が離せなくなったり「あの唇が…」と目の前のすました唇につけられた跡が熱く感じられてきたりして、ぐずぐず食べ物を口に運ぶようになってしまう姿が色めいて好きです
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キスマークのつけかたすら分からなくて、苦戦してしまう幼い人が愛おしいです。物語で見た所有印に似た跡に惹かれて、自ら刻んでみようと思ったのに、吸い付いてみても肌は変わらないままで。「分からないの?」と笑われるなり鈍い痛みが走って、「ほらね」と自らの肌に赤黒い跡が残されてしまえば良い
719
1番最後まで残る記憶は「香りの記憶」説がありますよね。雑踏の中、ふと反射的に振り返ってしまって。なんで振り返ってしまったのだろうと考えて、「あの人と同じ香りがしたからだ」とようやく気づいて。「忘れられたと思っていたのにまだこの身体には、”あの人”が染み付いてるんだ」と自嘲して欲しい
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相手への感情を恋と認められずにする葛藤に、心臓を刺激されてしまいます。視界に入っただけで追いかけてしまって、声を交わしただけで反芻してしまって、気付けば相手のことばかりを考えてしまっていて。行動が指す意味を本当は頭で分かっているのに、「これは違う」と否定して、逃げようとすれば良い
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「君の幸せのためならなんでもする」と言うくせに、相手の幸せのためには自分の存在が必要だとは思い至らず、むしろ「君が幸せになるためには僕は隣にいてはいけない」と勝手に思い込んで善意で距離を置く愚かな奉仕者が愛おしく、いずれ自分の価値を相手から教えられて頭が真っ白になって欲しいですね
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普段は自分から相手にペタペタ触りにいっているのに、相手に迫られたら逃げようとする人が可愛らしいです。触り慣れたはずの手に手を重ねられただけでびくりと身体を跳ねさせて「僕がいつもどんな想いであなたに触られていたか分かりましたか」と輪郭をたどられたら言葉も忘れて必死に首を振ったら良い
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表情が変わらず口数も多くなく、周りから「分からない人」と思われている人間の感情の起伏を、ただ1人だけがよく理解している姿が美しいです。何も口にしないし何も態度に出さないから「なんであの人の考えていることが分かるの?」と驚かれるけれど、本人は「分かりやすいよ」と思っていたなら良い
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年下が、年上を甘やかす姿には、倒錯した色気が生まれますよね。いつだって自分の前では年上ぶって、ちゃんとした大人でいようとする相手を抱き寄せて、「年齢なんて気にしないでください」と囁いて、背中をそっと撫でて。「生意気」と呟きながらも腕の中から逃げはしない姿に、不器用さを見たなら良い
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「黄泉の国で記憶や愛や絆を失って転生することを拒み、拒んだために川に身投げさせられ、千年もの間、冷たい水底で耐えてから転生する人達がいる。彼らの頰にはえくぼが刻まれる」という中国の伝説があるそうですね。恋人に「僕の頰を見て。君にまた会うために千年待った証だよ」と告げる人が愛おしい