401
口の中に指を押し入れる行為は背徳的な美しさがありますね。嫌がらせ目的で薄く笑いながら指を押し入れて「間抜け面」と嘲っても、調教の一環で指を押し入れて「なめて」と静かに命令しても、いたずらのつもりで指を押し入れてじくじく口内を弄っていたら互いに恥ずかしくなっていくのも、どれも危うい
402
ひとに頼ることが苦手な人間の精一杯が「ここにいて」な姿に心動かされます。疲れて1人では過ごせないと思っても、「助けて」や「逃げ出したい」は口に出来ない不器用さがあるから、袖を掴んで「ここにいて」だけを絞りだして。「うん、いるよ」と返されて初めて、どれだけ弱っていたかを知れば良い
403
独占欲が強い人が、相手の身体に歯形をつけるのが危うくて甘美です。普段は抑え込んでいるのに、熱に支配された瞬間に目の前の肌が輝いて見えて気付いたら歯を立てていて。柔らかな弾力の後に刻まれた跡にゾクゾクした幸福を覚えて。「この跡が消えなければいいのに」と、歪な願いを持ってしまえば良い
404
普段はツンツンしているくせに、お酒が入ると素直になってしまう人に胸を掴まれます。ピッタリと身体をくっつけて「好き。大好き」と甘えた声を出して、「ねえねえ、君も好きって言ってくれないの?」とねだってみせて、相手に「酔うと途端にタチ悪いんだから!」とドキドキ胸を高鳴らせてしまえば良い
405
相手を甘く噛むって、内に秘めた捕食本能が現れるようで好きな癖です。興奮して首筋を噛むのも良いし、内腿を噛んで独占欲を示すのも良いし、約束するかのように左手薬指を噛むのも良いし、気を引くために小指を噛むのも良い。噛まれた相手が、薄く跡の残る肌を愛おしげに撫でたら特に良い
406
お酒が入ると普段とは打って変わって甘えたになってしまう人は可愛らしいです。傍の身体にもたれて「キスして」とふにゃり微笑んで、相手は最初はあしらっていたけれど次第に自分の身体にも火がついてしまい「途中で酔いがさめたと言い出してもやめてあげないからね」と言って荒々しく唇を奪って欲しい
407
自らの独占欲を満たすため「お揃いの品」を贈る人の、抱える歪さに魅了されてしまいます。愛する人が誰かに熱い視線を向けられてしまうのではないかと、想像するだけで胸をかきむしられて、マーキングのためにお揃いを贈って。「自分の物だって誇示しなきゃ気がすまないんだ?」と笑われてしまえば良い
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憧れの人のためなら全てを捧げられると思っている人が、弱気なあまり「相手のためなら恋心を捨てることもできる」と思い込んでしまう姿に惹かれてしまいます。相手の人生に自分はいてはならないんだという考えは、当の本人の「どうして君は僕と一緒に生きようとしてくれないの」の一言で壊されてほしい
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ふとした表情を「色っぽい」と感じてしまう瞬間が、どの恋人達にも訪れてほしい。ただ会話をしていて、ただ会話が途切れて、ただ相手が視線を外しただけなのに。その横顔に突然色気を感じてしまって、目を奪われて唾を飲んで。「どうしたの?」と尋ねてくる見慣れている顔を、直視出来なくなったら良い
410
「あなたがどれだけ大切か」を、愛を信じられない臆病な人に、教え込んでいく人が美しい。「愛してるよ」と口にしても困った顔をされるから、「本心だよ。ただあなたを、喜ばせたくて言ってるんじゃない」と顔を見据えて。好きなところを並べあげていって、「まだ信じないの?」と逃げ道を塞いだら良い
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「寂しがり屋の人ほど触りたがり」と言われているそうですね。相手の姿が見えないだけで狼狽えて、しばらく会えないだけで不安に苛まれてしまうのに、素直にそうと口に出来ない人が、言葉はないままにペタペタと身体に触れて、輪郭をなぞって、肌の温度を確かめて、自らの寂しさを夢中で埋めたなら良い
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酔っ払って初めて、相手を誘うことが出来る寂しい人が愛おしいです。普段なら隣に並ぶことすら躊躇うのに、アルコールの力を借りれば、身体に触って、「好きだよ」と甘ったるい声で形作って。呆れ笑った相手に「酔ってない時に言ってくれたら、本気にしてあげる」と言われて、胸を締め付けられたら良い
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夏祭りの季節ですね。浴衣を着つけながら素肌の白さに固まる関係や、花火が上がって周囲が空を見上げた瞬間キスをする関係や、カキ氷のシロップで染まった舌に目を奪われてしまう関係が眩しい季節です。記憶に焼きつくような夜を過ごして、翌日夢のようだったと胸ざわめかせながら思い返して欲しいです
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左耳のピアスは勇気の象徴で守る者の証、右耳のピアスは優しさの象徴で守られる者の証と言いますから、一見愛らしい人には左耳にピアスを、凛々しい人には右耳にピアスをつけて欲しい。一組のピアスを1人が右耳に1人が左耳にと分け合うのも呪縛めいていて良い、相手の耳につけてあげる姿は官能的です
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「肌を重ねる時に出てしまう声と笑い声は似ている」という話があるそうですね。真偽は不明なものの、その話を耳にしてから、片思いの相手の笑い声が喋り声よりは高くて押し殺したものであることを聞き過ごせなくなって、「もしかしたらこういう声を…」と考えては赤くなってしまうピュアな人が愛おしい
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愛し合う2人がいたとして、相手に「君がいないと生きていけない」と軽々しく言ってしまえる側は生命力が案外強くて、相手がいなくても生きていける人間だけれど、「君がいなくても平気」と笑う側は実は脆くて、相手がいなくなったら日に日にやせ衰えていく人間だという組み合わせが、仄暗くて好きです
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8月8日は「世界猫の日」です。猫といえば噛み跡をつけてくる動物ですが、人間が肌を重ねる最中相手に噛み跡をつけてしまうのは「可愛くて仕方なくて食べてしまいたくなるという、捕食本能の現れ」説が好きです。夢中で跡をつけてしまい、後で恋人に責められて「凄い可愛かったから…」と呟いてほしい
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「馬鹿」や「ガキ」と相手を日常的に悪く言う人間が、けれど決して相手に「嫌い」とは言わない様子に惹かれます。相手が落ち込んで「本当に僕のこと嫌いなんですね」と嘆いたら、一瞬黙ってから「そうとは言ってない」と小さく返したら良い。口が悪く素直になれないけれど、嘘はつけない人は可愛いです
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5月23日はキスの日、キスといえばグリルパルツァーの『接吻』という詩です。「手なら尊敬。額なら友情。頬なら厚意。唇なら愛情。瞼なら憧れ。掌なら懇願。腕と首なら欲望。さてそのほかは、みな狂気の沙汰」。同じキスでも額へは友人へのもので、首へは恋人へのものになるなんて、ときめきますね
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形は違うけれど情緒不安定な者同士、いわゆるメンヘラとヤンデレの、閉鎖的で病的で依存的な恋愛関係に惹かれてしまいます。自分に愛情を注いでくれる存在が欲しいメンヘラが「好きって言って」と縋り付くと、自分が愛情を注げる存在が欲しいヤンデレが「世界一好きだよ」と微笑む構図、怖くて美しい
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「30秒間のハグ」はストレス軽減に効果的と言われているので、「癒して」を名目にして相手にハグをねだる人が、可愛らしいです。ギュッと抱きしめられた腕の中で、ゆっくりと30秒を数えているうちに、頭がフワフワ浮ついて。「もう30秒経ってない?」と尋ねられても、「まだ」とくっついたままなら良い
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人に隠れてキスをするその一瞬が刺激的で惹かれます。手を引っ張って物陰に連れ込んで、相手に「バレたらどうするの?」と言われたら「バレませんよ」と笑って荒々しい口付けを仕掛けて。唇を離した後に真っ赤になっている相手に向かって「家に帰ったらもっとやらしいことしますから」と宣言してほしい
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「ご褒美」の名目で肌を重ねると、艶めかしさが際立ちますね。「いいこだね」と相手を抱き寄せてわざと身体を触らせて、唇を舐めながら「ご褒美、あげよっか」と口にして。言葉の意味を理解してじわじわ赤くなった相手を「いま、なにを想像したの?想像したことしてあげるよ」と優しく追い詰めてほしい
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孤高の人の空気を纏っている人が、たった1人には心を開いていて側にいることを許しているのが好きです。懐かれている側は他人に「よくあんなやつと一緒にいられるね」と驚いた顔をされたら、2人きりの時の意外と無防備な姿を思い出して「いや、結構可愛いとこあるんだよ?」と余裕で笑っていて欲しい
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楽しくもないのに癖で笑ってしまう人の寂しさに惹かれます。つらいことがあっても優しく笑っているものだから恋人は無性に腹が立って頬に触れて「つらいことがあった時ぐらい悲しい顔しろ」と言うけれど、笑う癖がついた人は驚いて目を瞬かせた後はまたいつもの笑顔に戻って「無理だよ」と言ってほしい