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すると、私が受けた返答何だったと思います?東京の人の感覚だと「まだまだ大丈夫ですよ、良い人紹介しましょうか」をイメージしませんか。甘いです。私はっきり言われました。「あー、じゃあもうダメだね」です。厳しいでしょう?もう共同体には入れないのです。
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学生にお伝えしたいのは、外国語の本は、プライドで読むのですよ。有名大学の学生が外国語の本を演習で読まされてますが、実際は最初はまるで太刀打ちできません。ただプライドで読むのです。文法は僕が教えるから、とにかく気概だけで外国語の本を読み切りましょう。
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戦後の東京の復興の早さに私は慄然とします。「お前らそんなに田舎が嫌だったのか」と。そんなに田舎が嫌な人たちが不景気だとかコロナだとかで分散するわけがないのです。私がひたすら田舎をdisり続けているように誤解されている方もいるかもしれませんが、私がdisってるのは東京人のエゴです。
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(うろ覚え)昔、伊集院静が東大の物理の教授に「なんで物理なんか教えてるの?」と聴いたところ、「東大に限ったことじゃないんだけど、こんだけ学生がいれば一人くらい天才がいるはずでそいつが世界を救うかもしれない。他の凡百はや制度は彼の環境を支えるために存在しているのです」と言っていた。
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真面目な話、氷河期世代はどうなるのだろう。大学業界というやや特殊な断片に身を置いていて気づいたのは、ある時期から、70年代生まれの人々の履歴書は門前払いになり80年代から検討の対象に入るようになっていた。70年代を棄民すると色々な収支は綺麗に合うようになる。近く悪役にされるのだろう。
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市場が機能していないので、共同体のメンバーになれないと、生活費がかかるのです。ガス代とか凄かったです。実は安い灯油ストーブの設置は可能だったのです。でも業者が極めて少ない。そのアクセス方法が分からないのです。誰も教えてくれないからです。よそ者だから。ガス代とか月3万円でした。
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僕の経験からのアドバイスになりますが、まずは「権威」ある書物(研究でも作品でも)の奴隷になることです。服従は初学者にとってとても効率の良い学習法です。その上で、ちょいちょい謀反を起こしましょう。行き詰まったら「権威」に戻り、また気が向いたら謀反を起こす。これを一生繰り返すのです。
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長万部町最大の町内会富野会の第4区区長、長万部町ゴミ廃棄物原料推進審議会会長という、二級市民としては私は極官を極めたのです。町立文化センターでアメリカ史を老人相手に講じた博士の学位を持つ有識者です。その私にして正式な市民権は与えられなかったのです。だから生活費がとにかく高かった。
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戦争中は卑屈に農村に食材を恵んでもらいに行っていた東京の人々は、戦争が終わると瞬く間に東京に戻り、これでもかというくらいの東京中心の日本を作りました。呪われて当然なのですよ。
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今回のロシアによる侵略戦争で改めて痛感したのは戦況分析や具体的な武器や装備の知識が、国際政治を考える上でとても有益であるということ。日本の場合、敗戦から冷戦期にかけてそれを忘れさせる仕組みがとられていたために、とても抽象的な理論(これは大切)しか重視されず車輪の片方が欠けていた。
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「よく学問以外のことを『学校で教えるべきだ』という言葉を目にするが、いい加減にしてほしい」。そんなものは、それぞれの企業なり役所なりで教えてください。学校は、外国語、国語、数学、理科、社会を教えるところです。高等教育の大学は、研究者が教えて大学生が自分の研究するところです。
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「鉄道でつながっている」というのは文化的紐帯が存在している感覚があって、これは自動車やバスではあ代替できないのですよね。ただ稚内に住んでいる母と話していても、諦めが凄い。「もう駄目だ」と。
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ライフスタイルは自由ですから好きにすれば良い。しかしそれを大きな規模で奨励してはいけない。ママゴトなんだから、個人レベルでしかできないのですよ。もっと現実的にものを考えましょう。
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僕の観察によれば、いわゆる一流大学の学生だって、本当は外国語で書かれた学術書は最初はチンプンカンプンなはずなのです。しかし意地で食らいついて読むのを諦めないのだと思います。僕はこの意地を育成するのが現段階の自分の仕事の一つだと思ってます。
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11月から皆さんは、アメリカ大統領選挙で「えええ?」という話をたくさん目撃すると思います。中にはそれがデモクラシーの国アメリカの終わりというか成れの果てだという論者も出るでしょう。しかし残念ながら、まさにこれがアメリカン・デモクラシーなのです。そういう視点で映像を見てください。
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日本にも確実に存在していた階級というものが不可視化されていた要因の一つが、日本語で何でもできたということもあったのかと思います。西洋の貴族連中は多言語なのです。日本の学者でも背景は色々ですが、普段は見分けつきませんがスッと英語、独語、仏語を使いこなす人はいて「あ!貴族だ!」と。
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購入した時の問題関心と身体、それから月日が流れ、あるものを書こうとしている時の問題関心と身体。そのギャップが独創性を形成するのだと僕は考えています。だから本棚に読んでない本があることは大切なことなのです。学生である皆さんは図書館の本棚を4年間眺めていてください。何か思いつきます。
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第二次世界大戦で日本は焦土と化したとか言われますが、日本全体の面積の何割くらいが焼け野原になったかご存知でしょうか。3割です。3割は確かに大きいです。人体の3割が欠損したら大抵死にます。しかし7割は無傷だったことは小さな話ではありません。田舎の人は食うに困らなかったのです。
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「第二に、創造とは自分が所蔵している文献を把握できなくなってから可能となります。その時の問題関心から文献を購入するのですが実際には忙しさからすぐには読めません。時が流れ、新たな問題関心から何かを書こうとした時、異なる関心から購入した文献がインスピレーションを与えてくれます」
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以前書いたことですが、僕の父親はたいへんな読書家でした。でもある時期から(今の僕くらいの年齢の頃)、その読書は「自分の知っていることの確認」になって行きました。心地よいものだったと思いますが、こうなると読書は知的発展の営みにはなりません。読んだ分だけ視野が狭くなることもあります。
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海外からの優秀な人材?。来ねーよ(笑)。私の中学時代は勉強苦手すぎて中卒でタイル職人になった同級生がいますが、最果ての公立中学で試験最下位の彼も普通に九九できてましたからね。大したものですよ、これほど学力を兼ね備えた最大の人口ボリュームを氷河期世代にして棄民したんですから。
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僕はアメリカ建国史が専門なので、例えば日本の近現代史とか東洋史に関わる知識は平均的です。ただ年齢の分だけ学生よりは上手に史料は探せますが、(ああ、これは分からんな)と思ったら専門としている先生にお尋ねするように指示します。すると、見事にGoogleさんは機能します。
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いずれにせよ、ほうほうのテイで田舎から東京に私は出てきました。大学院まで行っちゃったので、ソフトウェアが都会仕様だったからです。ところがようやく見つけた安息の地がコロナでしょう。マジでチクショーなのですよ。私の苛立ちは更年期ではなく、もっと根源的かつ理論的なものなのです。
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本棚を眺めていると、愕然とすることがあります。まるでいつ購入したか覚えていない文献がしばしばあります。それを紐解くと、そこに重要なヒントが記述されていることがあります。問題関心は肉体のように変化すると同時に、同じ一つの頭がそれを購入していることがとても重要なのです。
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30代までの性格は全く当てにならないのですよ。これは採用人事の賭けです。いくら面接しても見抜けません。40代終わり頃、顔つきが悪くなった時に初めて分かるのですが、ちょっと手遅れ。結構偉くなっている。性格の悪さのピークは55歳前後で、これが熟成されると、自殺者製造マシンが出来上がります。