私の住むニューヨーク州での検査の陽性率が約1ヶ月ぶりに10%を下回りました。まだ陽性になる方の数は多いですが、明らかに状況は改善したと思います。約1ヶ月かかっていますが、1ヶ月頑張れば、とも言えるかもしれません。
マウントサイナイの新型コロナによるICU入室患者さんは現在97人。減っていません。新規感染者数が減っても、重症になられた方は長い闘病生活が続きます。私たち医師は仕事が大変でも良いですが、本当に大変なのは、入院している患者さんたちです。
「せん妄」をご存知ないという方のために、ご参考までに過去に書いた記事も添付しておきます。新型コロナによるせん妄は、非常に頻度が高いことが指摘されています。 mi-mollet.com/articles/-/307…
誤解が多いようですが「急に認知症になった」という訴えでコロナが見つかった場合、それは「認知症」ではない可能性が高いです。「せん妄」と呼ばれる別の病態です。せん妄は、感染症の改善とともに改善が期待できます。隔離で難しい場合もありますが、家族からの声かけや面会なども大切です。
オミクロンの感染では、喉の痛みや鼻水などの症状が多く、味覚低下などが減少と報告されています。ワクチン接種後の高齢者では、それらの症状も目立たず「急に認知症になった」「居眠りがちになった」「食欲がなくなった」等の変化でコロナが見つかることもあります。頭の片隅に入れておきましょう。
オミクロンの症状の特徴がよくまとめられています。一点、NY市内で最大の入院患者を抱える医療機関で勤務していますが、病床の逼迫までは経験せず、ピークを超えました。回転が速くなったことなどが理由として挙げられると思います。それ以上にスタッフの不足が問題でした。 news.yahoo.co.jp/byline/kutsuna…
NY市は完全に峠をこえたようです。様々なことが重なってのことだと思いますが、例えば潜伏期間が短くなったのも戦いやすくなった要素の一つだと思います。これで終わりになれば良いのですが。
ニューヨーク市内の入院患者数の動向です。明けない夜はない。このままおさまりますように。
ニューヨーク市のコロナ陽性者の動向(ワクチン未接種者=紫vs 接種後=オレンジ、判明分)
医療現場にとっては、隔離、検疫期間の短縮も重要でした。現在米国ではともに最短5日間になっており、もちろん再検査も不要です。これが以前のような10日や2週間であれば、現場は全くまわっていなかったと思います。そのぐらい急速に医療スタッフの感染、濃厚接触が発生してきました。
ニューヨーク州の感染流行、やっとピークに達したのでしょうか?ただし、一度入院した患者さんはすぐに退院できるわけではなく、ピークを越えても多くの感染者が発生し続けているため、医療機関が峠を越えるのはまだ先になるのでしょう。まだ辛抱です。
ニューヨーク市内では、実際に感染者の急増によってビジネスの一部が停止してしまいました。例えば近所のスターバックスは、普段なら夜中まで空いていたのに、現在はすべて早い時間に閉店です。十分なスタッフを確保できないからです。「まん延防止」のために閉店になったわけではありません。 twitter.com/ojimakohei/sta…
2020年春のように、テントを貼ってセントラルパークにもベッドを準備しなければならない状況には全くなっていません。しかし、戦力ダウンも相まり昨冬より確実に厳しい冬を迎えています。
このような時期は、どうしても他の病気の診療が手薄になります。現在コロナ以外の内科の病気は、外科が対応するようにタスクシフトをしています。こういう時期こそ、逆説的ですが、あまりコロナに捉われすぎず、十分睡眠をとり、しっかり栄養を摂り、ぜひトータルで健康に気をつけてください。
年末に引き続き、今週一週間NY市内の大学病院でオミクロンの入院診療にあたりました。業務は、予想以上に厳しいものでした。 あまりにも感染者が多く、十分検査も追いついていないのだと思いますが、病院に来るすべての患者さんがコロナではないかと思われるほどの出現頻度になりました。(続く)
また、「オミクロンは重症化しない」という先入観が邪魔をして、判断能力を低下させた側面もあるかもしれません。感染者が増加すれば確実に重症者も増えるのはデータが示している通りですが、それを低く見積もってしまったかもしれません。「しにくい」のであって「しない」のではありません。
デルタ以前と比較し、あまりに感染が広がりすぎたので、仮にコロナ自体は軽症だとしても、体調悪化により転倒して怪我、喘息を悪化させた、コロナが引き金になり細菌による肺炎をおこしたなど、本当に様々な病気で患者さんが次々と運ばれてきました。まさに、「withコロナ」だと感じました。
医療スタッフの欠員も響いています。感染力が強く、院内の思わぬところで院内感染も問題になります。我々の医療機関では、隔離期間を最短5日に短縮し、一人あたりの勤務時間も延長しての対応となりました。
今週は一瞬でした。診療のほぼ全てがCOVIDに逆戻りしました。患者さんが多病棟にまたがり救急にも行くので、数えきれないほど何度もPPEを着脱しました。これだけ十分にPPEが備えられているのはありがたいことです。嬉しい退院もたくさんありました。元気な退院姿で、疲れは一気に吹き飛びます。
来週から医師一人あたりの勤務時間が延長されることになりました。患者数の増加だけでなく、医療スタッフの感染者が多く、同勤務時間でシフトをまわすのが厳しくなってしまったのだと思います。ニューヨーク市内の医療機関は、戦闘モードです。
年末から引き続き、朝から晩までコロナの入院診療にあたり、長時間オミクロンに暴露されていますが、今のところ自身のPCR検査は陰性です。しっかりと防御すればオミクロンの感染も防ぐことができます。(いつまでこれを言えるかは分かりませんが😂)
今週新しく入院してくる患者さんはもうほぼCOVIDだけという状況になってきました。昨冬を思い出します。昨冬と比較し人員確保が難しく、医療機関の厳しさは増しています。院内ルールに日々変更があり、不安定な状況を物語っていると思います。
我々の医療機関では、本日から一部の内科の病気の患者さんを外科に入院とし、我々を含む内科はより多くの新型コロナ患者さんを受け入れることになりました。我々の診療科もすでに過半数はコロナの入院患者さんになりました。ニューヨーク市は今が踏ん張り時です。
NY州の感染者数急増に伴い、医療機関の状況もかなり悪化してきてしまいました。COVIDとCOVIDによる持病の悪化の入院が急増しており、現場の私たちも時間外労働が必須となってきました。市内の外出時はとにかくお気をつけて。今はどこでも感染しうる状況です。
また1-2日で景色が変わってきました。病院のベッドの25%がCOVIDのベッドに逆戻りしました。入院の半数がワクチン未接種、残り半数のほとんどが2回接種で、3回接種の人の入院は極めて稀です。NYにお住まいで3回目接種がまだの方はぜひお早めに接種を。感染拡大はかつてない勢いです。