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今日、長男がNZL留学に旅立つのですが、準備の過程でつくづく感じたのは、自分がとても臆病になってたということです。「準備が出来たら飛ぶ」というのは真っ当な考え方に響きますが、そんなことしてたらチャンスは掴めないですよね。「51%行ける」と感じたら飛ぶ。これを繰り返すしかないよな、と。
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失業率が5%から10%に上がればみんな「問題だ」と思うわけですが、これが更に20%、30%、50%、70%と上がっていって100%になればそれはユートピアを意味する・・・この数値の連続性のどこにネガティブからポジティブに切り替わる分水嶺があるのか。
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人生には力づくでやらなければならない時、大胆に流れを断ち切るべき時と、逆にそうしては絶対にいけない時、流れに身を任せてタイミングを見計らなければならない時があると思うんですね。人生の達人というべき人はこの見極めが自在なんですよねえ。
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女性活躍の文脈では「女性にゲタをはかせるのか?」という批判がよくありますけど、逆で「アナタが履いているゲタを脱ぎなさい」ということですよね。自分がゲタを脱いだら頭ひとつ凹むのをわかってる人ほどこういう批判をするわけで、気の毒といえば気の毒な人なんです。仕事変えた方がいい。
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私が本当に腹からいいたいことは、仕事そのものは立派なものだという信念が、多くの害悪をこの世にもたらしているということと、幸福と繁栄に至る道は、組織的に仕事を減らしていくことにある、ということである。バートランド・ラッセル「怠惰への賛歌」p13
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コンサルの顧客によく「事例を見せてください」という人がいますけど、これって「抽象で考えることが出来ないので具体で見せてください」ということですよね。でも事例は原理的に全て過去になりますから未来を先取りすることはできません。常に「後追いして右往左往する立場」でしょうね。
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ラグビーの平尾誠二さんの「良いパスの定義」が素晴らしくて、それは「そのパスによってチームの状態がより良くなること」なんですね。同じことを「言葉」にも当てはめてみる。その「言葉」によって受け手の状態が良くなるか?良くなれば必ずどこかでリターンが返ってきます。
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日本の労働生産性の低さを批判する人はたくさんいますが労働生産性は「失業の問題」と表裏一体だということは意識した方が良いと思います。経済学者のタイラー・コーエンは米国の00年代の労働生産性の向上を「賃金に見合う生産性を発揮できない人を大量に解雇したから」と結論づけています。
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さらに指摘すれば、私は件のおぞましい記事内容が、当時の価値観や常識に照らして許容範囲内であったとは全く思いません。当時はマスコミの暴力的な記事に対して、不快に思った人、傷ついた人が声を上げられなかった、というだけで許容されていたわけではないのです。 twitter.com/shu_yamaguchi/…
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「逃げろ」という指摘に「責任」を持ち出して噛み付いてくる人へ。どうして「無責任が良い」かは歴史が証明してます。事業失敗の責任が個人に帰された中世ではリスクが高すぎて事業は起きなかった。「責任を取らなくて良い」とする有限責任法人が生まれて初めて事業を始める人が増えたんです。
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「家」というものの位置付けによってコロナの影響が随分と違いそうですね。以前から自分の家に「居場所」を作っていた人はそれなりにやっていける状況でしょうが、そうでない人にとっては「居場所でない場所にずっと居ろ」ということなので、これは精神的にキツイでしょうね。
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先日の早稲田入山先生の「創造性は移動距離に比例する」という言葉が忘れられない。僕ももうすぐ50歳ですが、これからは意図的に「旅」を学びの契機にしていきたい。パリの書斎にこもるサルトルとジャングルを透徹するレヴィ・ストロース。
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スキル礼讃の世の中でスキルの危険性を訴える。そういえば村上龍さんが坂本龍一さんを評して、一番気の毒だと思うのは3歳からピアノをやってることだ、と言っていますね。スキルとしては素晴らしいけどそれはシステムの奴隷になるってことで、そこから抜けるのは大変だろう、と。鋭いなあ。
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密閉空間に集まるということが一定のリスクを孕むものになると、オフィスでの仕事が「命懸け」になります。宣言が解除されて早速オフィスに向かう人も多いようですが、そもそも「命懸けでやるべき仕事」なのか。ギャラップ社の調査だと日本で「仕事にヤリガイを感じてる人」はたったの6%ですからね。
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マネジメントというのは特殊な技能を持たない人が高い報酬を得るための、殆ど唯一と言っていい仕事だったわけですが、実はこのマネジメントこそが最も人工知能に代替されやすい。彼らが人工知能に職を奪われた後、どのようにして「人間ならでは」の付加価値を再獲得するか。
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最近感じるのは「世間というのは5月の海に似てる」ということです。飛び込む前は「冷たいんだろうな」という気がしてなかなか踏ん切れないけど、いざ飛び込んでしまうと意外と暖かい。
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今の教育では「与えられた問題を実直に解く子」がポジティブに評価されるのでそういう人材が世の中に大量に生み出されています。僕は率直に言って教育に過剰な期待はしていませんが、真逆の「ワガママな衝動を発揮する子」がポジティブに評価されるようになると状況は随分と変わってくると思います。
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解答を出すことを知的生産だと思ってる人が多い。でも本当に難しいのは問題を見出すことです。特に人工知能が出てくると、前者の「速く正確に正解が出せます」と自慢してる人ほどワトソンに代替されていくことになります。
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オリンピックに関連する日本批判を非常に嫌がる「日本が大好き」という種類の人がいますが、過去の歴史を振り返る限り、自己批判が行われなくなった国こそが衰亡への道を歩むということは知っておいた方が良い。逆に言えば自己批判・衰亡論が議論される国というのはまだ健全だということです。
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基本的なことを一つ。国際学力調査(PISA)の数学的リテラシーの順位、日本=6位、米国=37位、科学的リテラシーの順位、日本=5位、米国=18位。なんか誤解してる人が多いので。ちなみに両方とも一位は中国です・・・しかも「圧倒的大差」で。恐るべし。
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リモート会議をするならいっそのこと、参加者の実名も明かさずに意見をテキストでやりとりするようにしたらいい。すると「誰の発言か?」ではなく「どんな意見か?」を考えるようになる。会議から「空気の影響」を除外できれば意思決定の品質も随分と変わるように思うんですけどね。
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みんな「わかる」「わかってもらう」ということを求めていますが「わかった」と思われてしまうということは消費されるということでもあります。聖書や資本論は最も長く、多く売れたテキストですが、その魅力は一種の「分かり難さ」にもあるわけですよね。
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昨晩のAbemaTVは「クソ会議」がテーマだったのだけれど、まあワンサカ不満が来る。でもね、クソ会議が減らないのはまさにこうやって愚痴を言うだけで「この会議はクソなので出ません」と真正面から言わない人たちのせいでもあるんですよ。起きていることの責任の一部は必ず自分にある。
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Twitterは一種の市場調査でレスで命題の品質を判断できる。「反応がない」はレベル1で一番ダメ、「賛同がたくさん」はレベル2でまあまあ、「大量の反論と一部の賛同」がレベル3でこれが一番メッセージとして品質が高い。人がムキになって怒るのは「本質を突かれた時」ですからね。