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「嫉妬」がなぜ最悪なのかというと、ものすごく脳のエネルギーを食ってしまうからです。これは自戒を込めて書いていますけど、妬む、恨む、悔む、怒る、悩むは思考の五悪で、これに脳のパワーを取られるとパフォーマンスが大幅に落ちてしまいます。ネガティブ思考の断捨離、大事ですね。
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人工知能に音楽を作らせる研究はそれなりに進んでいて、例えばショパンの曲のデータを大量に飲ませると確かにショパンぽい曲を捻り出してくる。ただ決定的なのが曲を閉じられない、終わらせられないということ。作曲という創造行為が、実は「音を断ち切る」ということではじめて完結するという矛盾。
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電通というのは不思議な会社でここ十年ずっと不祥事を起こし続けているのに業績は堅調なんです。今年なんて上場以来の最高益を見込んでますから。これは消費財企業では考えられないことで、いかに世間評価が介入しない特殊な経済世界で電通のビジネスが成り立っているかを物語っていると思います。
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パワーポイントはクソ仕事の元凶です。人を「仕事してる気」にさせてしまう。パワーポイントを禁止にすれば仕事の質も上がるし能力も高まるのに…と思って調べてみたらAmazon本社では既に禁止だとのこと。さすが。文章と口頭で明快に説明するには整理された論理が必要ですからね。
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パリのタクシー運転手が交通規則を完璧に守るという「遵法ストライキ」が面白くって、これをやった途端に交通麻痺が起きる。システムとルールの設計者はそれが完璧に機能することを想定するわけですが、実際に完璧に機能するとシステムが破綻するという
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「これまでの人生が、これからの人生を決める」と考える人が多い。心底、それは間違いだと思いますね。そうではない、「これからの人生が、これまでの人生を決める」のです。今日の、いま、ここからの人生が、これまでの人生に意味を与えるということです。
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1日8時間働く労働モデルって工場がベースなんでしょうけど、頭脳労働を8時間やるのって無理だと思うんです。執筆みたいに集中力を要する仕事って5時間もやるとボロボロに疲れる。AIが出てきて人の仕事が創造のみになれば時間より密度が大事になるので、1日4時間労働みたいな会社も出てくるかなあ、と。
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知人に「運が良い」と自負してる人がいて、その理由が「いつも神社やお寺でお祈りしてるから」だって言うんですね。最初は「ハア?」と思ったんですけどこれって真実で、なぜなら「お祈りする時」って「一番大事なもの」を考えるんですね。それを日常的にやってるから優先順位を間違えないわけです。
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中学の時に授業があまりにアホらしいので寝てるかマンガか岩波新書を読んでいたら、テストで学年最高を取ったのに成績で4をつけられたことがある。全校集会の時にその理由を説明せよと詰問したのに説明がなかったという事件以来、この国の教育システムは信用できないというのが僕の持論。
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アマゾンは創業から2017年までの間に70近い数の新規事業に参入していますが、3分の1は失敗して撤退しています。大事なのは成功の数ではなく、この失敗の数で、だからこそ彼らはどんどん失敗から学んで成功確率を高めてる。意図的に質の良い失敗を織り込むのは成長にとってとても大切です。
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リモートワークについて「コロナが収まったらウチは止める」という会社がありますが相当に厳しいだろうと思ってます。「通勤がある会社」と「通勤がない会社」で比較すると前者は平均で毎日2時間の「給料の出ない仕事=シャドウワーク」を社員に強いてるわけで採用競争力は大幅に低下しますからね。
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「勝とうとする」ことの最大の問題は、「モノサシが乗っ取られる」ことです。勝とうとする瞬間に相手のモノサシで戦うことになっちゃうんですね。そうすると振舞わされることになってしまって、結果的に勝ったとしても幸せにはなれません。常に「勝つこと」ではなく「楽しいこと」にフォーカスする。
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電通時代の上司がパリ支局に赴任していた時に遊びに行ったのですが、その時に印象深かったのが「フランスでは広告が効かない、広告で人が動かない」と嘆息していたことです。自分の好みに自信がある、流行などに惑わされない成熟した生活者が多い、ということなんだろうな、と。
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「頭の良さ」の基本は「見る力、聞く力」です。情報処理は「入力→処理→出力」ですから「入力」が弱ければ「出力」も弱い。みんな論理思考等の「処理」やプレゼン力なんかの「出力」を鍛えてるけど「入力」が弱いとどうしようもない。資材が納入されない工場でプロセスだけ磨いてるわけですから。
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人から奪った時間は高く売れる。民放テレビ局の平均年収が異常に高い、あるいは一部のYoutuberの年収がトンデモないことになっているのはそういうことです。奪われた側はどうなるかというと見ての通りです。ホッブズ的に言えば現在の様相は「万人による万人の時間の奪い合い」です。
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「頑張る人」はなぜ「夢中な人」に勝てないのか?つらつら考えるに、それは「累積思考量の圧倒的な違い」ということになると思います。
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フィットする相手を見つけるコツは「最初から自分らしさ全開で行く」、これに尽きます。合えばずっと続く関係になるし、合わなければどうせ長続きもしないので最初から仕事しなければいい。最悪なのは「最初は人並みにしてて信用されてから自分らしさを出す」というパターンで悲劇しか待ってない。
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アフリカの雨乞いって100%的中するんです。なぜかというと雨が降るまでずっとやり続けるから。これってギャグのネタになる話なんだけど、キャリアも同じで、成功する人って、結局のところ、成功するまで「ずっと失敗したけどトライし続けた」ってことなんですよね。
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本当に辛いのは「長時間の労働」ではなく「意味のない労働」なので、働き方改革を謳うなら「仕事の量」よりも「仕事の意味」に目を向けないといけません。まあ量は可視化しやすいですからね、みんなすぐそっちに流れてしまう。
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アウトプットが出ないな、と思ったらそこで粘らず、すぐにインプットに切り替える。アウトプットが出ない時はアウトプットの問題ではなく、インプットが足りないことが原因であることがほとんどです。
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チャンスに恵まれない、とボヤいてる人が居ますけど、チャンスって後から振り返った時に初めて「チャンスだった」ということがわかるんです。だいたいそん時は「すげえタイヘンな仕事」「すげえメンドーな仕事」でしかないので、それを避けてるとチャンスは絶対にやってきません。
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相手の自由度を奪う言葉を「呪い」と言います。典型的には「人に迷惑をかけない」「わがままを言わない」という言葉がそれです。こういう呪いを親や教師からかけられて不自由になってしまった人は、しばしば他人にも同じ呪いをかけて自由度を奪おうとするのでタチが悪い。気をつけましょう。
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アート作品みて「わからん」と吐き捨てるオッサンたち。ではそもそも、いったいなにを「わかってる」んですか?と。部下や家族の気持ち、社会の動き、アナタ自身の行く末、全部わからないんじゃないの?と。わからなさを積極的に楽しめないから、そういう哀しい状態なんじゃないですか?と問いたい。
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センスとスキル。センスがあってスキルがない人はリーダーに、センスもスキルもある人は参謀に、両方ない人は現場に据える。最悪なのはセンスがないけどスキルは高いという面倒くさい人で組織を悪い方向に引っ張るので隔離が必要。センスのない人がスキルを高めると価値が下がるというパラドクス。