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「昭和的優秀さの終わり」について書きました。「ニュータイプ」本日から発売です。diamond.jp/articles/-/206…
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電線の地中化率。100%=パリ、ロンドン、香港、台北、ボン、ワシントン、ハンブルグ、シンガポール。80〜99%=ベルリン、ミュンヘン、クアラルンプール、ニューヨーク。30〜50%=ソウル、ジャカルタ。0〜10%=東京、大阪。「美の発展途上国」、それが日本。
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「役に立つ」と「意味がある」は住む場所についても言えます。都心のマンションは「役に立つ」けど、僕の住んでる葉山は「役に立たない」。いま鎌倉や葉山にどんどん人が移ってるけど、これも「役に立つ」から「意味がある」への転向と考えるとわかりやすいですね。文明から文化へのシフト。
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ポジティブ地獄。建設的と破滅的、楽観主義と悲観主義。建設的X悲観主義なら良いけど、ポジティブ思考の多くは破滅的楽観主義に陥る。旧日本軍では悲観的なことを言うと非難された。神風?確率によると吹きません。何となく予感される嫌なことはだいたい起きる。対策するかしないかはあなた次第。
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「論理では勝てない、正解には価値がない」と指摘すると「どうすればいいですか?」という質問が来ます。いわゆる受験エリートが多いんだけど、その問いへの一般解がまさに「正解」で、それに価値がないって話をしてるんですけどね。大丈夫なのかな、正解探しの精神構造。
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「すぐにできる」系のことは他人にも「すぐにできる」わけです。ですから「すぐにできる」ことばかりやっていれば、代替可能な「どこにでもいる人」にしかなりません。競争戦略のキモは「時間」です。模倣に「時間」がかかるユニークさを作るには「すぐにできない」ことに時間をかける必要があります。
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楽器をやって良かったと思うのは「事後性」の感覚を持てたことです。効果がよくわからない練習を二十年、毎週続けてるといつのまにか楽器が人生のパートナーになる。「1日で頭が良くなる」とか「聴き流すだけで英語が話せる」とかとは真逆なんですね。この「待てる」感覚はとても大事だと思います。
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みんなが「すぐ役に立つもの」に飛びつく時代だから「すぐには役に立たない」ことを楽しんでやってきた人が活躍する。するとそれを見て「すぐ役に立つ」と思って同じことを真似するけど、「すぐには役に立たない」ので挫折する。時間軸を長く取れないヒトがこのサイクルを繰り返すと何も残りません。
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天才と努力型。よく「天才は努力型に比べて努力してない」と思ってるヒトがいますがそれは誤解です。努力の量は同じか、むしろ天才の方が多い。ただ天才はそれを努力と思ってやってない、遊びだと思って楽しんでるんですね。そう考えれば「努力型が天才に負ける」のは当たり前です。
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最近つくづく思うのは「楽しんで仕事をしてるヒトには誰も勝てない」ということです。論語にある通り「これを楽しむものに如かず」なんですね。だから「勝ちたい」と思うのならスキルを高めて努力するよりも「楽しさと価値が一致する場所」を探す方が良い。努力とスキルで何とかなるのは二十代までです
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「忙しさ」と「充実」をはき違えない。「忙しさ」には質があります。「質の悪い忙しさ」は人生の浪費に直結します。ソローも言ってますね、問題は「忙しいかどうか」ではなく「何に忙しいのか」だと。「この忙しさの先に何が待ってるか」を考えるのは怖いことですが、考えなければもっと怖いことに。
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「役に立つけど意味がない」と「意味があるけど役に立たない」。今後、価値があるのは後者。スキルを高めるのも良いけど「役に立つ」は高く売れません。スキルからセンスの時代。logmi.jp/business/artic…
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戦略という言葉は「戦いを略す」と書きます。「戦いに勝つための作戦」が戦略だと勘違いしている人が多いんですが、本来は「戦わない」ために考えるのが戦略。だから本当に戦略的な人ほどプラプラ遊んでいるように見える。必死に戦って目立ってる人というのは「戦略的には全然ダメ」だということです。
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これほど律儀に信号を守る国は日本以外にありません。一方で、そういう国においてコンプライアンス違反が続出している。これは矛盾に思えるわけですが、実は全く矛盾ではありません。善悪の判断が自分ではできないので、周囲5メートルの人々に依存するという知的貧弱さという点で同じなんです。
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人生の質を左右する五要因。住む場所、やる仕事、身の回りのモノ、余暇にやるコト、一緒にいる人。それぞれ本当に好きなモノ・コトを選べば自然と人生の質は上がります。一方で、年収を上げる、一流企業で働く、高級車に乗る、ブランドエリアに住む、などは全く効果ありません…むしろ逆効果でしょうね
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「働き方」と「豊かさ」の関係。有名な思考実験ですが、一週間働く漁師の漁獲高は、A=毎日8時間、B=毎日目標数だけ、C=穫れる日に沢山働いて後は休むで、C>A>Bの順になる。「ノルマ決めてガンバる」のが最悪、「定時間働く」が次善。企業組織の働き方はそもそも生産性が低いという。
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ビジョンの浸透を経営課題に挙げる経営者がいますけど、ビジョンが魅力的なら自然に浸透するはずなんです。誰も共感しない、あってもなくてもどうでもいいようなビジョンだからわざわざ力づくで浸透させなければいけないわけで、そんなビジョンを浸透させても意味ないと思うんですけどね。
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「学んでから動く」と「動いてから学ぶ」。システムが大きく変わると蓄積された学びのコンテンツが役立たずになるので「学んでから動く」はとても不利になります。こういう時代では、まずは「動く」。動いて経験から学ぶ人ほど強いでしょうね。
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好き嫌いをハッキリ明言するようになって一番良かったのは、趣味の合わない人は自然と遠ざかり、趣味の合う人が向こうから来てくれるようになったこと。経営では往々にして短期と長期の利益が相反しますが、これは個人においても同じです。好き嫌いをハッキリさせると長期的にはすごくラクになります。
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組織論では仕事を属人化させてはいけない」とされますが、価値の源泉がサイエンスからアートに移ると、仕事はどんどん属人化させて「らしさ」を全開させることが求められます。経営学の様々な定石が誤謬になる時代ですね。
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日本の生産性が低いのは「クソ仕事の乗数効果」のせいもあります。メーカーがクソ製品を作ると、代理店がクソ製品を売るためのクソ広告を作る等、全ての仕事が価値を生み出さないクソ仕事の連鎖になる。自分の人生は世の中にクソのような商品を押し込むことなのか。クソ仕事の連鎖から抜けよう。
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センスとスキル。センスがあってスキルがない人はリーダーに、センスもスキルもある人は参謀に、両方ない人は現場に据える。最悪なのはセンスがないけどスキルは高いという面倒くさい人で組織を悪い方向に引っ張るので隔離が必要。センスのない人がスキルを高めると価値が下がるというパラドクス。
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しくじり先生って、みんなワガママやって楽しく生きてる人ばかりで、本当に「しくじってる」のか、と。一方で、忖度に妥協を重ねて自分の価値観に不誠実な人生を送ってんなら「人生をしくじってる」のは、むしろそういう人じゃないか、と。表面的な失敗を見て溜飲を下げる本質的な失敗者という構図。
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偏差値というのは頭の良さを測るものではなく「どれだけ意味のないことに長時間集中できるか」という忍耐力を測るものです。どうしても「意味」を考えてしまう人は偏差値を上げられない。意味が枯渇している世界にあって「意味を問わない」高偏差値の人々が社会のリーダーになっているという滑稽さW
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一般に「創造性」はポジティブに評価されますが、過去の天才の多くが重大な精神疾患を抱えていたことを思い出せば、「創造性」はむしろ「重大な欠損」によって高まると考えるべきでしょう。昨今は「創造性の欠如」がよく嘆かれますが、これは完全性を目指してきた近代が招いた必然的帰結と言えます。