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「普通がいい」という病気が治らない限り、社会の多様性はおぼつかないでしょうね。「普通であれ」という強迫に屈服して自分を殺した人は、その罪深さの自責から「普通でない」ことが許せないんです。
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健康になれるのなら死んでもいい、美味しいものが食べられるのならマズくてもいい、幸福になれるのなら不幸でも問題ない、成功できるのなら失敗しても構わない、みたいな人が最近は多いですね。
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仮想空間シフトが起きれば「仕事の監視」が非常に難しくなります。そうすると「監視の圧力」よりも「仕事の面白さ」で生産性が左右されます。面白みもやりがいもないクソ仕事しか与えられない組織・上司の生産性が激減する一方で、面白い仕事の生産性は爆増する。生産性の二極化が起きるでしょうね。
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密閉空間に集まるということが一定のリスクを孕むものになると、オフィスでの仕事が「命懸け」になります。宣言が解除されて早速オフィスに向かう人も多いようですが、そもそも「命懸けでやるべき仕事」なのか。ギャラップ社の調査だと日本で「仕事にヤリガイを感じてる人」はたったの6%ですからね。
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文明と文化って、考えてみると尽く逆なんですよね。文明化は「画一性・同一性」が大事ですが、文化は「多様性・差別性」が重要。「文明の進展」で経済を引っ張った時代から「文化の進展」で経済を引っ張る時代に転換することを考えると、相当システムの改変が必要になりますよね。
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あと仮想空間にいると自分と意見の合う人ばかりと接触することになるので多様性を受け入れる力、異なる立場や意見に耳を傾ける寛容性が毀損される恐れがあります。こういう時代だからこそ、以前にも増して多様性を受け入れる寛容さ、共感する力、想像する力が求められると思います。
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以前、早稲田の入山先生が「人の創造性は累積移動距離に相関する」と言ってました。本当にそうだと思います。コロナ後の「移動の少ない世界」では意識的にセレンディピティを求めて動く力、動いた先で偶然に出会ったものに気づく力、それを仕事に適用して結びつける力の三つが大事になると思います。
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思いっきり自分らしく自分のツノを振り回して生きている人を見ると、かつて自分のツノを矯めて従順に生きること選んだ人は腹を立て、大概は攻撃しようとします。でもそんなことやっても幸せにはなれませんよね。なぜ腹が立つのか、自分のツノをかつて矯めた自分に腹を立ててるので
すから。
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仮想空間シフトが進むと社会全体でセレンディピティが縮小する恐れがあります。セレンディピティって物理的に動くことで起きる偶然の出会いによりますよね。なので仕事が仮想空間でやることが当たり前になった時代にこそ、物理的に動く・・・つまり「旅」が重要になってくると思います。
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不要不急な仕事は止める、となってもどうしても動かさないといけないのが日用品・食料品の流通やゴミ収集に代表される生活基盤サービスですね。本当に助かります。でも実は、そういう「要で急」な仕事こそが決して高給ではない一方で、止まっても何の影響もない仕事の多くが高給という矛盾。
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需要は必ず飽和します。需要が飽和した世界で生産性を上げるイノベーションが起きれば、仕事は増えず、失業する人が増え、富はごく少数の人に集まり、格差が拡大します。イノベーションが貧困を生み出してるわけです。これがアメリカで起きてることですよね。簡単なロジックだと思うんですけどね。
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失業率が5%から10%に上がればみんな「問題だ」と思うわけですが、これが更に20%、30%、50%、70%と上がっていって100%になればそれはユートピアを意味する・・・この数値の連続性のどこにネガティブからポジティブに切り替わる分水嶺があるのか。
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つくづく「感情に忠実に生きている人は強い」と思います。「感情」は人間が進化の過程で獲得した一種の武器ですから、それを押し殺して経済合理的な生き様を志向することは、むしろ生物個体としての戦闘力・生存力を毀損することになります。予測なんてコロナのカオスで吹っ飛びましたよね。
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ツマラナイ仕事に関わってワークライフバランスで帳尻を合わせるより、夢中になれる仕事を追求してワークライフブレンドで生きてく方が楽しいし結果的には経済的にも成功するでしょうね。コロナ後にはますます両者での二極化が進むと思います。
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物理移動がなくなって仮想空間シフトしたことによって急速に大気汚染が改善していることを報じるWSJの記事。つまり以前の状態が異常だったということです。もう後もどりできない世界にきている。
jp.wsj.com/articles/SB124…
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仮想空間シフトが進むと「都市」に集まる必然性は無くなります。トヨタさんは昨年末に「スマートシティ」という構想を出しましたけど、やっぱり「シティ=都市」が前提になってるんですよね。まあタイミングが悪かった、ということでしょうけど、これからは「ヴィレッジ」だと思います。
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狼と犬を個体として戦わせたら犬は瞬殺されます。でも狼は絶滅し、犬は繁栄した。パワーをもつ存在に懐くことが生存に有利だからです。これは組織内の生き残りにも同様に働くメカニズムですが「狼みたいな人」がぜんぶ駆逐されて「犬みたいな人」ばかりになった会社なんて僕は嫌ですね。
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コロナの影響によっていろんな常識がフィクションだったってことが明らかになるんだと思います。大企業とか会社は都市にあるとか毎日通勤するのが当たり前とか、みんなフィクションだったんだなあということが次々と明らかになっていくと思います。
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ちなみにこれはコピーライトフリーなのでどなたがコピペして使っても全く問題ありません。 twitter.com/shu_yamaguchi/…
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近代化と都市化は必ず同時に起きます。近代化は「畑や海」から「脳」へと付加価値の源をシフトさせることですが「脳」は一箇所に集中させた方が効率的なので都市化が起きるわけです。でも仮想空間は都市よりもっと効率が良い。コロナ後に都市化のトレンドが逆転すればそれは歴史上初めてのことです。
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コロナ後は職場の学習のあり方も大きく変わる可能性があります。なんとなく先輩の仕事を見て覚えるという、いわゆる「正統的周辺参加」は職場が仮想化すると非常に難しくなります。コロナ前後では身体的な学習機会が大幅に減少するので人材育成、特に新人の育成に大きな格差が生まれると思います。
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本当の問題は「経済成長しない」ということではなく「経済成長しない状態を豊かに生きることができない」という「心の貧しさ」なんですよね。
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アリのコロニーではエサ運びに参加しない「働かないアリ」がプラプラすることで新しいエサ運びのルートが見つかって巣の生産性が上がります。好奇心旺盛でルールに従わない人物も同じ効用を持つと想定されますが、残念ながら多くの組織ではこのような存在が許容されない。
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コロナの影響でこのまま仮想空間シフトが進むと物理的に移動する需要が激減します。物理的移動は必ず炭素排出を伴いますからこれは環境にとっては非常にポジティブですね。自動車会社にとっては壊滅的な影響を及ぼすことになりますけど。