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創造性はよく「認知に関する能力」だと思われています。でも創造性の研究に一生を捧げた心理学者、チクセントミハイは「感情に関する能力」だと言っていますね。僕が「わがままを回復しよう」と言ってるのはそのためです。だから成功したアーティストや起業家にはわがままな人が多いでしょう?
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集まった方が生産性は上がる?それはそうかも知れないけど、殆どの人にとっては生産性なんてどうでもいいんですよ。だって生産性の上昇分はシステムのオーナーに還元されるんだから。それよりも通勤時間が減る方がいいやと思ってると思いますよ、という単純な話です。 twitter.com/shu_yamaguchi/…
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いわゆるスマートシティの考え方もそうですけどね、結局はシャッター通りの問題も「役に立つこと」を求めたためということでしょう。「役に立つけど意味がない場所」が役に立たなくなるとその場は廃虚になる。どれだけ「役に立たないけど意味がある場所」を作れるか。
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今日の会議を始め、最近は教育に関していろんなことを聞かれることが多いのですが、最終的に言いたいのは一言、「余計なことはするな」ということに尽きますね。そもそも「教育できる」という発想そのものがおこがましい。
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アインシュタインってパラレルキャリアのお手本だと思うんです。特許事務所で安定した給料をもらいながら、論文を趣味で書いてノーベル賞をもらう。ダウンサイドリスクミニマムの仕事とアップサイドリスクマキシマムの仕事を組み合わせてる。これは理想的なパラレルキャリアのあり方だと思います。
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様々な人々が「どのようにして日常性を回復するか」という論点で議論を重ねていますが、そもそも私たちは「過去の完全な回復」などを望んでいるのでしょうか?
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日本はエンゲージメントの数字が低い、つまり夢中になって働いている人が少ないということですが、逆に言えば「夢中になれる仕事」を見つければラクに勝てるということです。競争戦略で考えれば現職でコンピテンシーを高めるより若い時に色々試してできるだけ早く夢中になれる仕事を見つける方がよい。
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以前に「家事は総合芸術だ」という指摘をしましたけど、そもそも「生きる」ってこと自体が創造=クリエイションですよね。不確実性の中に身を投じて何かを作り上げるわけで、本質的に芸術創造と変わらないと思うんです。正解もないわけで、貴方はどうしたいの?が全てです。
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日本の労働生産性は低いのには「言語」の問題が大きいと思っています。G7でインド・ヨーロッパ語族に属していないのは日本だけ。英国、米国、加国は母国語が英語です。日本は外国から情報を入れるときに全て日本語に訳して、逆をやるときは全て英語に直してる。この不利を考えるとよくやってますよ。
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都市からたまに離れるのが良いのも五感の感度が上がるからです。よく「都市は情報量が多い」と言う人がいるけど、あれは間違いで都市は逆に情報が非常に少ないんです。人間のアイデアがモノに転写されただけですから。自然はずっと情報が多い上に絶えず変化する、だから五感が磨かれるれるんですね。
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競争に負けるっていうより、自分に負けてダメになっていくんですよね、ほとんどの場合。
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縦軸に「戦略のある、なし」、横軸に「根性のある、なし」を取る。最悪なのは「戦略はないけど根性はある」という組織で、これは「徒労感ばかり募って成果はさっぱり出ない」という状況を招きます。かつての日本軍の「死の行軍」ですね。
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プロジェクトXなどを見てると不可能を可能にするようなリーダーが出てきますが、あんなものは一種のファンタジーで真似しない方がいい。連戦連勝のナポレオンの強さの秘密についてプロイセンの軍事学者、クラウゼヴィッツは「確実に勝てる戦いしかやらなかった」と分析してます。地味なものですよ。
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「逃げろ」という指摘に「責任」を持ち出して噛み付いてくる人へ。どうして「無責任が良い」かは歴史が証明してます。事業失敗の責任が個人に帰された中世ではリスクが高すぎて事業は起きなかった。「責任を取らなくて良い」とする有限責任法人が生まれて初めて事業を始める人が増えたんです。
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昨晩のAbemaTVは「クソ会議」がテーマだったのだけれど、まあワンサカ不満が来る。でもね、クソ会議が減らないのはまさにこうやって愚痴を言うだけで「この会議はクソなので出ません」と真正面から言わない人たちのせいでもあるんですよ。起きていることの責任の一部は必ず自分にある。
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今回のオリンピックに関して白紙撤回されたケース。国立新競技場の設計、大会エンブレムのデザイン、弁えろ発言の組織委員会会長、そして今回の開閉会式の音楽担当。こうやって並べてみると国家イベントの仕切りとしてあり得ない手際の悪さだなと思います。根本的に何かがおかしい。
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Twitterは一種の市場調査でレスで命題の品質を判断できる。「反応がない」はレベル1で一番ダメ、「賛同がたくさん」はレベル2でまあまあ、「大量の反論と一部の賛同」がレベル3でこれが一番メッセージとして品質が高い。人がムキになって怒るのは「本質を突かれた時」ですからね。
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ズームを使った会議が急速に普及してるけど、ズームを使うと「空気」を読むのが難しくなるので、かえってパフォーマンスが上がるかも知れない。会議は総じて「Candid=ざっくばらん」な方が生産性が高い。大和の沖縄特攻もスラックで議論してたらなかったかもしれない。
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すぐに声を荒げる人がいますね。そうやって他人を威嚇しないと人が動かせないと思ってるわけで、人格にも人望にも欠けていることを自分でよく分かってるんです。そういえば、先日捕まっちゃった政治家さんは一日中、四六時中、周囲に怒鳴り散らしていたそうで、哀れとしか言いようがありません。
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競争において「時間軸の捉え方」はとても重要です。スプリントの戦い方でマラソンを戦えば惨敗は目に見えてる。人生はとても時間軸の長いゲームなのに多くの人は非常に短く捉える傾向があります。これは長期目線でマイペースに歩を進める人にとっては有利なことで、あんまり焦らなくて良いと思います。
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人が質問してる時、本当に質問したくて質問してることってほとんどないんです。大体は「私の意見は違います」、「私は怒っています」、「私は心配です」のどれかを伝えようとしてる。だから質問に対して真正面から答えを返しても対話は前に進みません。
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目前の難事にどう対応するか、ということにマインドシェアが集中しがちな状況ですが、こういう時こそ、その先にどういう社会を作っていきたいのか、ということを考えることが大事だと思います。
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坂口安吾は「政治とは無限の訂正である」と言っていますが政治に限らず、全てのシステムはそうですよね。「完成形がある、あり得る」という前提はとても危険だと思います。
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手段と目的とモノサシの混同はよく起きます。GDPはモノサシですが目的ではありませんし、DXは手段ですが目的ではない。どんな社会を作りたいのか?についての考察がないままにモノサシや手段ばかりが議論されているように思います。