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成功して幸福になるためには「自分は何が好きか?」「自分は何が得意か?」の二つを明確にする必要があります。逆に言えばこの二つの交点で戦えば高い確率で成功できる。みんな会社のブランドとか就職偏差値に流されて好きでも得意でもないことをダラダラやってるので、この交点で戦えば楽に勝てます。
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アイデアを盗まれるのではないか、と心配になることがありますよね。本当に独創的なアイデアは本人が説明しないと理解できません。サクッと盗まれるようなアイデアなのであれば元々大した価値はない、ということですね。
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若い人にキャリア上のアドバイスをするとしらら「住宅ローンに気をつけなさい」ということですね。そこそこ給料の高い大企業に入って無理目のローンを組むとそのライフスタイルを捨てられなくて転職もチャレンジもできないという「人生のロックイン状態」に陥ります。
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大企業は資本主義の象徴のように言われますけど内部は非常に共産主義的ですよね。Googleの社員食堂は無料ですし会議室やPCなどの資産は共有して使うことが大前提です。大企業に勤めたがる人が多いというのは、実は本質的に共産主義的なシステムを望む人が多いことの証左とも考えられます。
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なぜ人間に美学とモラルが必要かといえば、一つには意外かもしれませんが、最終的に大変効率がいいからです。これは敬愛する政治学者の中西輝政先生が著書の中で述べておられる言葉ですが、一連の不祥事による白紙撤回を見るに、この「効率がいい」という表現の鋭さに改めて唸らされます。
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こういう時だからこそ、普段は忙しくてなかなかできない「長期視点に立った未来への仕込み」を行いたい。
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支配というのは「自分は支配されていない」と思っているときにこそもっとも有効に働いているわけです。逆に言えば「自分は支配されてる」と意識された段階で、支配の解除は始まっている。「自分は別に支配されてない」ともし感じるのであれば、支配は非常に有効に働いている、ということです。
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不確実性って一般にネガティブに言われますけど、実は人間にとって不確実性は「報酬」なんですよね。だからわざわざ不確実性をお金で買うようなギャンブルとかSNSをやるわけです。これを仕事に当てはめて考えると結構面白いことができると思うんですよね。不確実性が報酬となる仕事。
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自分には才能がない、というのは、自分が自分にかける呪いの最たるものと言えます。
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モチベーションはいまや「最も希少な経営資源」になりつつあります。こういう時代になるとモチベーションの最適化、
いわば「モチベーションポートフォリオマネジメント」が経営の最重要課題になってくる。旧弊な人事部門にこの重責を担わせられるのか?
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組織変革においては「なかなか変わろうとしない人をどうするか?」という質問をよくいただきますけど「放っておけ」と答えてます。すぐに火がつく人に火をつけて燎原の火のように広げていくのに比べて、不活性な人に火をつけるのはとてもカロリーを食うので。
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わかりやすさの罠と言い換えてもいい。わかりやすいってすぐ消費されちゃうということですよね。聖書も資本論もある意味でわかりにくいからこそ命脈を保てている。わかりやすいものを作ることをやりすぎると「豊かな曖昧さ」を持ったものを生み出せなくなる。気をつけないと。
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今の教育では「与えられた問題を実直に解く子」がポジティブに評価されるのでそういう人材が世の中に大量に生み出されています。僕は率直に言って教育に過剰な期待はしていませんが、真逆の「ワガママな衝動を発揮する子」がポジティブに評価されるようになると状況は随分と変わってくると思います。
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多様性という観点から最も問題ある組織が国会です。例えば自民党の世襲議員の比率は30%を超えている。「親が議員」という特殊な環境で育った人からなる特殊な集団が、多様な人からなる社会の運営を議論してるわけで、これは相当にマズイ状況だと思います。まあ選んでいる僕らの問題なんですが。
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本でもドラマでも、暗いこと言う方がマーケティング的にはウケやすいんですよね。だから哲学者とか思想家とか社会学者って、だいたい安易に暗いこと言って売ろうとするでしょう?明るいこと言って売るのはとても難しいんです。
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90年代の半ば、インターネットを指して「あんな通信方式はナンセンスの極み。普及するなんて言ってるのは通信をわかっていない素人の戯言ですよ」と言ってたNTT幹部の方、いま元気にされているかなあ。
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「論理では勝てない、正解には価値がない」と指摘すると「ではどうすればいいのか?」という質問が来る。いわゆる受験エリート組が多いんですけど、だからその「どうすればいいか」という回答にまさに価値がないんだっていうことなんですけどね、なかなか話が通じませんね。
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スマートフォンのGPSアプリが普及してからアラスカのツアーガイドの遭難はむしろ増えている。風や光などの情報から状況を把握し、未来を予測する能力が弱まっているわけです。一般にテクノロジーは人間の能力を増加させると考えられていますが、これは非常に危険な考え方です。
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世の中には自分の知らない「オイシイ情報」「オイシイ方法」「オイシイ投資」があって、自分はそれを知らないから不遇なんだチクショーと考える人が多いようですが、そういうのが一番カモになりやすい。自分の頭で考えて汗を流すという以外に抜け出る方法はありません。
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ジーンクエスト創業者の高橋祥子さんのお話をお伺いして面白かったのが「絶滅危惧種の特徴は多様性がないこと」という話で、いずれは「組織の多様性の水準を図ると絶滅リスクがわかるようになるかも」とおっしゃっていた。組織アセスメントの新しい視点ですね。
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「意味」が価値をもつ世の中になると多くの企業にクリエイティブディレクターが必要になるわけですがなかなかこれが進まない。原因は人材不足にもありますが、より深刻なのは「マネジメントの構造・仕組みがクリエイティブディレクターを活かすようにできていない」ということです。
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ちなみに大前研一先生はこの三つに絡めて「人生変えたいなら、住む場所変える、会う人変える、時間配分変える、の三つしかない」と言ってますね。蓋し名言と思います。 twitter.com/shu_yamaguchi/…
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「美の競争優位」を高めるために「感性を鍛えるのが重要だ」と言われますが、感性なんて既にみんな持ってます。ただ「好きなモノ・コト」を堂々と「好き」と言えてないんです。元より自分の本音を口に出して言えない人が感性を高めたって意味がありません。どうせ周りに付和雷同するだけなんだから。
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寛容って面白いですよね。肯定してる対象には寛容になりようがないわけで、初めに否定がなければ寛容は成立しない。否定した上で認めるわけです。寛容のあるところには必ず分断や否定が前提として存在するということです。