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広常が自身に背く気などないことは頼朝も十分承知した上で、しかし「鎌倉」という組織で二度とこのような事態を起こさない為の生贄として最も相応しいから、嘘も承知で誠心誠意その嘘を貫徹し、広常を「謀反人」として討った訳で、「棟梁」源頼朝という人物の描写として満点でしたな。#鎌倉殿の13人
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重忠「源氏の棟梁が誰か我らには関わりがないこと」
広常「御家人なんざ使い捨ての駒だ」
広元「最も頼りになる者が、最も恐ろしい」
政子「命を懸けて戦った者がいるからこそ今の鎌倉がある」
この物語の先を示す言葉がこの回に詰め込まれてて、その意味でも「足固め」といえますな。#鎌倉殿の13人
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あくまで「俺を頼ってくるなら面倒見てやるよ」という個人同士の繋がりの延長で集団を捉えた「大将」義仲と、「棟梁はその構成員たる御家人たちを庇護し、それに対して御家人たちは棟梁の命に従う」という組織を作り上げることを優先した「棟梁」頼朝の差がくっきり出てた良い回でした。#鎌倉殿の13人
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そして、武力集団が規律の無いままに振舞うとどういうことになるかも、京における義仲の軍勢の狼藉という形で示されてて、それを自分が歩き回って直接追い払ったり助けたりしてる義仲の姿が、これも組織として鎌倉を統制しようとしてる頼朝と対比的でしたな。#鎌倉殿の13人
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前回、義仲が個人としては大変善良で好感の持てる人物として描かれたのも、朝廷という社会空間に於けるコードを知らないことが、どれだけマイナスに働くかを示すのに効果的でしたな。草薙剣の代わりに自分の太刀を差し出すズレっぷりは、現代人から見ても(アカン)と確信できますし。#鎌倉殿の13人
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この辺、鎌倉が二つに割れそうという後半の流れに於いて、離反側が好き勝手なことを言って統一されてないのも、そういう棟梁になれる政治的正当性を持ってる人間が、この時点だと坂東には頼朝しかいないことの反証になってて、武力の有無とまったく違う論理が示されてて面白いところ。#鎌倉殿の13人
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今回の #鎌倉殿の13人、教養の有無というか、特定の社会空間におけるコードを知らずに行動を取ると、それだけで不利になる、ということを義仲の行動で示し、逆にそれを踏まえた上で動けることが政治的にどれだけ有利に働くかを頼朝の動きで示したの、大変対比的な回でしたな。
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義仲、草薙剣(よくわからんが大事な刀)の代わりに自分の(大事な)太刀を差し出すの、個人としては善良なんだけど、教養がないと却って印象が悪化する、という典型に過ぎる。義高を人質に差し出したのと根は一緒なのよなあ。#鎌倉殿の13人
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つくづくこの戦いは、ウクライナとロシアを決定的に決別させた戦いなのだなあと。この戦いの後、ウクライナは「侵略者ロシアと戦い、多くの犠牲を払ってこれを打ち払った」ことが国の成り立ちとして刻まれるでしょうし、ロシア側がそれを認めるとも思えないので。
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「一般のロシア人は悪くない」とはよく言われますが、まあ確かに現時点で直接手を下してないという意味で言えば悪くないんでしょうけど、その後、おそらく起こるであろうこういう事態に於いてもそれは通じるのかね?というのはある。「悪気はなかった」なんて言ったら余計に煽るようなもんでしょうし。
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例えば、今回の惨劇が起きたキーウ周辺地区の住人に、一般のロシア人が「ウクライナはネオナチのせいでこんな悲劇が起きたことは大変悲しい。我々の軍がもう少し頑張っていればこんなことには」と善意から謝意を示したりしたら、言われた側はどう受け取るだろうかと。
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「殆どのロシア人はプーチンを支持しておらず弾圧を恐れて口を噤まざるを得ないだけ」という可能性もないとは言いませんが、報道を見る限り、ロシアでは自国の報道を信用してる人が多いようですし、そのロシア側の視点でウクライナ人に話したりしたら、それこそ殺されても文句言えないのではという感が
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ロシア軍による戦争犯罪自体も問題ですが、こういう戦争犯罪を隠蔽、または他者に転嫁するロシア側の報道による一般のロシア人の他国の人間との認知のズレは、それが積み重ねれば積み重なるほど、いつかは来るであろう停戦後の一般人同士の情報交流が再開した時、対立を決定的なものにしそうだなあと。
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核戦争をチラつかせてNATO/アメリカによる軍事介入を牽制してるプーチンを見てると
「何故勇者は一人or少人数で敵本拠に潜入して魔王と一騎打ちするのか」
というよくある問いに
「全面戦争したら世界が滅ぶので少数精鋭で魔王を倒すのが一番リスク低く問題解決できるから」
という答えが浮かぶ趣
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今回の #鎌倉殿の13人、全体を通して頼朝が「天に守られている」話がメインでしたが、これ「何故天に守られているか」と表裏一体で、果たすべき役割が済めば天の守りは消える、ということでもある訳で、頼朝の最期にも繋がってると言えますな。
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「坂東の地は坂東武者が治める」「その天辺に北条が立つ」というこれらの言葉は、宗時が生きていれば、義時にとって「兄上の目的」に過ぎず、これが義時自身の目的となるには、どうしても宗時の死が必要だった訳で、宗時の死という史実に、上手いこと物語としての展開を重ねてきたなと。#鎌倉殿の13人
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今ここに至るまで、義時には個人としての「目的」がなく、周りの動きに振り回されるばかりではありましたが、この宗時の言葉により、その「目的」ができたことで、ようやく義時は主人公として自らの目的の為、能動的に物語を動かす意志を得た、と言えますな。#鎌倉殿の13人
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今回の #鎌倉殿の13人、「お前にだけは言っておく(お前だけとは言ってない)」になりがちな言葉の中で、本当に義時一人にだけ告げられたであろう言葉が、宗時の死により、義時の行動原理(呪いとも言う)として焼き付いて、ようやっと義時が主人公として動けるようになってきたなと。
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堤信遠への留めは小四郎にさせるの、合戦に慣れさせるのと、倅に手柄を挙げさせるのと、面目へのケジメと、色々一括で出来るので、時政が「こういうこと」に慣れてる感が出てるなあ。#鎌倉殿の13人
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宋元時代にゴルフが流行か、中国河南省で「捶丸」の球を大量に発見 parstoday.com/ja/news/asia-i…
記事読んだ人間が全員
「男塾だ…!」
「民明書房だ…!」
「呉竜府だ…!」
となってて
「ま、まさかあの伝説が真実だったとは…!」
「知っているのか雷電!」
とリアル雷電状態になのが草生える
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義時「堤信遠も討ってしまってはいかがでしょうか」
ついでみたいに言いつつ、とりあえず面目に関わるとこなので、あのドグサレ絶対殺っちゃる!という中世武士感。#鎌倉殿の13人
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【「柳生十兵衛が隻眼、という話の出典がそもそも分からない」という話】togetter.com/li/874272
例えばこの辺とかがわかりやすいネタですかねー。「隻眼の剣豪と言えば柳生十兵衛」なんていうくらいですけど、同時代史料を追ってると、逆に「その隻眼設定どこから出てきた?」となりますし。
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知名度が高い割に史料上で確認できる事績が少ないor地味な話が多い人物について、物語にする際、空白の部分に創作を入れたり、曖昧な部分を盛ったりするのは、割とよくあるとこではある。十兵衛も似たようなとこがありますな。 twitter.com/hana76781232/s…