古代ギリシャのヘルメス(@kodaigirisyano)さんの人気ツイート(いいね順)

ユークリッド『原論』にある初歩的な定理をみれば分かるように中学生でも理解できるような命題ですら当時の「哲学者」らは何ら貢献をしていないのです.ですから現代の「哲学者」ら(と一括りにするのは誤解を招きますが)が数理科学の勉強を怠っているとすれば「愛知」の精神に忠実であるといえます😂
プリニウス『博物誌』にはギネスブックのような記述があります.その中には「航海日数の世界記録」があるのですが,イタリアからアレクサンドリアへ2~3週間で往復できたようです.これだけ高速移動できたわけですからヘレニズム期に科学者同士が文通によって親交し,文化を発展させたのも頷けます.
「ロマンティック・ラヴ」は12世紀の発明と伊東俊太郎が書いてあるというお話を以前しました.男性が女性のために命をかける恋愛というのがそれ以前の文学に見られないというものです.そういった例は古代の文学にあるのではというご指摘をいただいたので,恋愛の専門家ではないですが少しお話します.
西洋古代の女性は服の下に何か着ていたのか?という疑問を見かけたので少し調べてみました.一般的に一枚の布を図のようにゆったり纏うようで,その下に何を着けていたのかは絵や彫像からは分かりにくいようです.しかしいくつか「下着」と思われる物もあるのですが問題はそれが「普段着」かどうか.
ここはかなり際どい部分で,そもそも「過去とはなにか?」ということに関係するのですが,タイムマシンによる「観察」を史料として扱うとしても,最初に提起した,それは史料にある人物や事件と同一であると誰が担保するのか?という難題があるため,結局は史料を読む者の解釈の問題になります.
古代ギリシャ料理はおせちです😂😂😂 #謹賀新年
坂井建雄『医学の歴史』(医学書院)という本が素晴らしいのだ!著者はガレノスの翻訳をされている先生.私は主に古代中世を熟読することになりますが,この本であれば挫けずに通史を学べそうAmazonのレビューには「医者ならだいたい知っている」とあるので医者って優秀だと思ったのだ!フルカラーです.
繰り返しになりますが,プラトンと名乗る人物をタイムマシンで尾行し,彼がエジプトへ行かなかったことを「観察」したとします.この「観察」をもとに「プラトンはエジプトへ行った」という史料を否定できたといってよいのか?そのためには「観察」を裏付ける別の史料と解釈が必要ではないのか?
本人の証言です⬇ 『螺線について』序文 実はそれらの中に二つの間違ったものが紛れこんでいましたから.どんなことに関しても発見したと自ら称しながら,ただ一つの証明もすることのできない連中に,実は成りたちえないことを発見したといわせて後から化けの皮を剥ぐのに役だつこともあるでしょう😂
皆既のときに月の色がどう変化するかは,火山活動が影響しているらしく,空から消える月食が起こるのは噴火が盛んな時だとされています.下の表は前400年以降の噴火を表わしたもので,それ以前のデータはないのですが,この諺が生まれるということは古典期のギリシャの月食は真っ暗だったのかも.
樽のディオゲネスと呼ばれるのは甕で暮らしたからですが晩年は家庭教師兼執事として暮らしました.アレクサンドロス3世に会ったのはその仕事を休み日光浴していた時なのです.「エジソンは小学校卒なのに凄い」と言ってるのを聞いた後で彼の母親が教員だったのを知ったときと同じくらいモヤッとします😂
やはりタイムマシンに乗って「過去の何か」を確かめたい人もいるようですが,本能寺の変が起きた理由は明智光秀に直接聞けば分かると考えているのだと思われます.裁判で例えると絶対に嘘をつけない被告が存在しその「被告が語る動機」により事件発生の原因を知る事ができるという立場なのでしょうね.
なお「研究はしなくても勉強はしたのでは?」と思われる人もいるでしょうが,これも相当に怪しい.前4世紀に既に高度な数理科学が展開されていましたが,「哲学者」はその定理になんら言及しません.言及するのは決まって初歩的な定理です.また紀元後の「哲学者」も当時の先端科学へは沈黙を守ります.
前4世紀のアテナイは言葉と文字の重みのバランスが変化した時代でした.これはソクラテス,プラトン,アリストテレスの著作への態度や,裁判や契約といった公的な場での文書の扱いから知られています.プラトン『パイドロス』での厳しい文書批判は急速な文化と心性の変化の過渡期に生じたものでした.
古代の結婚は相続と後継ぎのためでオデュッセウス夫妻の様な年の差婚が主流でした.これを中務先生は結婚(と同性愛)は愛情ではなく支配と被支配の関係だったとし,それが古代小説の頃には変化し「同年代の男女間の恋」が発見されたとします.こういった心性の変化が分かるのが文学史の醍醐味ですよね.
古典文献学には「難解な読みがより有力/Lectio difficilior potior」という格言があるそうです.写字生が本を筆写する際,古風な言葉や難解な表現を,より分かりやすいものに置き換える癖があるため異なる本がある場合は,意味の取りにくい読みの方が原文に忠実な可能性が高いという原則です.
中世が暗黒時代というのは誤った通念といえますが,数学に関してはそう捉えざるをえない側面があります. 三角数の和と三角形の面積がどうして一致しないのかを教皇シルウェステル2世(950年頃ー1003年)に問い合わせた人がいるようなのです.面積公式(底辺×高さ÷2)すら普遍的ではないというのは衝撃的.
厳しいことをいいますが,破滅の原因は2700年前から知られています.ということで勤労感謝の日ですから今年も三種類あるヘシオドス『仕事と日』413行の翻訳をお知らせしますね! 破 滅 の 原 因 が 分 か っ て よ か っ た で す☺️
歴史って基本「既存の知識を疑い検証すること」の積み重ねで出来てるんだけど,子どもにそのプロセス教えようとするとすごい手間なので高校までは「既存の知識を正しいと受け入れて覚える」形式で教えられており,故に歴史を「信じるか信じないか」ってものとして捉えてる大人が少なからずいそう.
昔は一日の始まりが地域によって異なりました.古代ローマは現代と同じで深夜を起点としていましたが,日の出や日没を起点とする地域もありました.一方で古代の天文学者は観測の最中に日付が変わるのを嫌ったためか正午を起点としており,この基準は20世紀初頭まで使われていたそうですから驚きです.
これは古代と近代の道路工事の風景ですが違いが分かりますか?驚かないでほしいのですが,古代ローマの道路工事では「手押し車(一輪の荷車)」が使われていないのです.この効率的で素朴な道具は中国では古くから使われていましたが,西洋では12世紀頃にならないと使われないのです.
「痛たたたた」をギリシャ語では「イアッタタイ」と言います.     イアッタタイ       イアッタタイ         イアッタタイ はい,それだけです☺️
タイムマシンという突飛な(そして矛盾をはらむ)思考実験は「歴史」=「史料編纂」ではなく,「史料」=「過去の(常に不足気味の)近似」ではないよ,ということをいいたいわけですが,この突飛な思考実験によりあまりにも自明である「歴史」を再考するヒントになれば嬉しいです.
ギリシャの学芸の特徴として「著者=ジャンル」というのがあります.つまりある著者はほぼ一つのジャンルに専念します.その「著者=ジャンル(叙事詩/哲学/弁論等)」がどのような対立と継承により形成されたかについて,リヴィエル・ネッツの図解をご紹介します.文学史の俯瞰図としても有益そうです.
【西洋古代を楽しむ新書100選】は,歴史・哲学・思想・宗教・文学から選んだものですが,特に初学者にオススメの10選を教えてほしいというリクエストがあったのでご提案いたします.