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朗らか担当の猫はベッドで寝るという習慣がないのか、賢い担当が人類と寝ているのを寂しそうに見ているので、ベッドで抱っこして寛いだり床で一緒にお昼寝したりして慣れてもらおうとした結果、人類がベッドで寝ようとすると「一緒に床で寝ましょう!」と誘いにくるようになった。違う。そうじゃない。
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学生さんたち、最近「今日のバイト、メンツが渋い」とか「その日程だと○○さんが来られなくて渋い」とか、おそらく「やってやれないことはないけど正直あまり気が進まない」というときに「渋い」と言うことがあるようなので、他の言葉では一語では置き換えが効かない新しい感覚の表出っぽくて面白い。
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私が心から信頼しているクールでクレバーで猫に優しく誠実な猫の主治医は口を開けさせるときいつも「お口の中見ますよ」とおっしゃっていたように思うのだが、今日は「はい、にゃーん!」とおっしゃっていて、あ、口を開けさせるとき業界的には「にゃーん!」って指示出すんだ!可愛い!とときめいた。
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というわけでごま研究室にカップ麺とカップスープを配備しました。他ゼミ生、他学部生でも構いません。飢えと寒さを解消しにいらしてください。
お代は将来お腹を空かせた若者に何かを奢る出世払いか、財布に余裕があるときに研究室に好きな食べ物をこっそり置いていくごんぎつね払いでお願いします。
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四年生さんには無限の可能性があることを常に忘れないでいてほしい。明日そのUSBメモリは紛失するかもしれないし読み込めなくなるかもしれない。ハードディスクは破損し、クラウドは急いでいる時に限ってアクセスできないかもしれない。皆さんには無限の可能性がある。卒論のバックアップは忘れずに。
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学生さんに見せたのは東京文物さんのレプリカ竹簡(m.youtube.com/watch?v=IRCZ0N…)です。
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朗らか担当の猫、トライアル中は気を遣って爪も機嫌よく大人しく切らせてくれていたのだが、慣れてきたし嫌なことは嫌というだろうと思いつつ爪を切ったら「うはは!うはは!爪切り!うはは!抱っこ!最高!うはは!ばんざーい!」と前よりも楽しそうに超リラックスしていて、本当に意味がわからない。
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通院中の猫と風邪気味の猫を連れてタクシーで病院に向かう途上、風邪猫が怪獣みたいな声で抗議し続け、もう一匹が合いの手を入れ続けたのだが
怪獣「ぎゃおおお」
運「病院はやめてくれぇ」
猫「ぴぇぇ」
運「諦めなよぉ」
と運転手さんが翻訳し続けてくれて、お客様カードに書きたいくらいよかった。
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大人になると忘れてしまうその気持ち、大切にしてほしい、でもお腹も大切にしてほしい、と思いながら、ケンタッキーの前で「ぼくはチキンを10個食べられる」と主張するお小さい人類の傍を足早に通り過ぎた。
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美術領域の卒展を観に行った。展示もとてもよかったが、作者に解説をお願いし「これはこういうことですか?」と伺ったら「き、気づいてくださったのですね……!」と感激してくれる作者の横で「初めて人から気づいてもらえた幽霊みたいになっている」とコメントする学生さんの美術みがとてもよかった。
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Twitterアカウントバレていないはずの出版社の編集さんからメールの追伸に「先生のお宅の猫ちゃん可愛いですね」と書かれていて、もしやヤクザ小説とかの脅迫シーンでよくある「お宅のお嬢さん可愛いですね」的なあれかとテンションが爆上がっている。
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健やか極まりないが高齢な猫の月一の通院日、相方猫がこの世を去ったことを受付の方にお伝えしたため、人類には必要最低限のことしかおっしゃらないクールな先生が診察室に半泣きで登場し、うちの猫に「寂しいね、寂しいね」とひたすら話しかけてくださって、この先生でよかったなって心から思った。
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新入り猫を健康診断に連れて行ったら、留守番をしていた先住猫はずっと「おじさんが居ない」「おじさんどこ?」とうろうろしていたらしく、私と新入りが帰宅した途端飛び出してきて出迎え、キャリーバッグから出てきた新入りを舐め回してから素に戻り、「心配なんてしてないですからね」と寝に行った。
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大学の近くのお蕎麦屋さんが鴨そば専門店に変わって、店名を「鴨そば せりざわ」にしたの本当「どうして?」しかないけど、「せりざわ鴨そば」だと蕎麦の上に新撰組のおじさんがトッピングされているとしか思えないから、「鴨そば せりざわ」でよかったのかもしれない。食べに行くしかない。
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猫の聴診のとき先生にいつも「お腹の音を聴きますね」と言われていたのに、今日は珍しく「もしもししますよ」と言われたせいか、猫、先生が聴診器を当て直すたび「うご」「ごご」「うに」と律儀に先生の「もしもし」への返事をしていた。
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昨夜は目覚ましをかけずに寝てしまったらしく、起床時刻の10分後に顔に冷たいものがあたると思ったら、賢い担当の猫が私を起こすべく鼻先で私の顔を突き回して「に゛ゃ!に゛ゃ!」と強い口調で圧をかけにきていて、私が起きるなり「やれやれ」みたいな顔で寛ぎに立ち去った。君は何なの、保護者なの。
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随分前のことだが4人で旅館に泊まって「どうやって布団敷く?」という話になり、「川の字で寝ようか」という提案に「4人だしちょうどいいね!私、口のとこ!」と部屋の真ん中で蹲った友人のことを時々思い出す。河の字の一番寝にくそうなところを率先して引き受けてくれた、思いやりに満ちた人だった。
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私が自宅でオンライン研究会に参加するのに慣れていない朗らか担当の猫、モニタに向かって一人で鳴いている私を案じてぴったり寄り添ってくれていたのだが、心配が高じたかお気に入りの猫じゃらしを銜えて私の周りを回り始めた。彼がひとりで鳴いているとき一番してもらいたいことをしてくれたのかな。
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シュレッダーにかけなきゃいけない紙の山を見ながら「なおこのテープは自動的に爆発する」っていうあのスパイ映画の情報共有手法は親切だったなぁ、って考えている。遠慮しなくていいから紙もPDFも機密データは自動的に安全に爆発してほしい。
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新入り猫、人類大好きだけでなく、猫が心底大好きで、どちらかというと私たちの側のメンタリティらしく「あ!猫いる!触らしてもらっていいっすか?そーっと近づいて、あー、避けられた!」みたいなことを繰り返して「あー、触りたい、猫、猫に触りたい」と先住猫を見ながら前足をぷるぷるさせている。
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お父さんに手を引かれてよちよちとガラ空きのバスに乗ってきたお小さい人類、乗るなりあどけなくも大きな声で「これが最後のチャンスだよ」と言い出して、文脈わからないけどデスゲームが始まった感が半端ない。
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普段抱っこを要求してこない朗らか担当の猫、少し離れたところから控えめに喉を鳴らしつつ私をじっと見ているので、彼の玩具を次々提示したものの「お気持ちだけ」みたいな顔をするので、床に座って膝を叩いて「抱っこしようか」と呼んだら爆音で喉を鳴らし弾むように走ってきたので全力で抱っこした。
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猫たちが付き纏うときは明確な要求があることが多いけど「人類!人類!何か楽しいことして!」みたいな無茶振りからの「撫でる?」「それじゃなーい!」「ご飯?」「要らなーい!」「玩具?ブラシ?トイレ掃除?」「全部はずれー!次は何するー?」というやりとりを楽しんでいるっぽい日もある。