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賢い担当の猫、病院に行く道では相変わらず怪獣みたいに大騒ぎするのだが、血圧の薬が効いたらしく病院への信頼が爆上がりしており、待合室では大人しい怪獣になり、診察台の上では先生に優しく話しかけていただいて恐る恐る先生の方を見ながら遠慮がちに話を聞いてもらう一生懸命な怪獣になっている。
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相方居なくなって寂しい猫ずっと私について歩いてくれるのですが「お仕事行ってくるね」と伝えるとしょぼしょぼ自分のベッドに帰って行くので「お話よくわかるね、偉いね」と後ろから声をかけたら「猫呼ばれた!猫呼ばれた!」とめちゃくちゃ嬉しそうにこっちに駆け戻ってきて、可愛いんだが違うんだ。
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気に入らないときにも「あ゛」と言うだけになってきた先住猫、ついに新入り猫に猫パンチを2発お見舞いし、飛び退って避けた新入りが「姉さんが!姉さんが自分に!猫パンチ!猫パンチをくださった!」と喉を鳴らしながら弾むように部屋の中を駆け回り、上機嫌に先住猫の元に駆け戻りまた怒られていた。
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賢い担当の猫は病院に行かなくてはならないと気づいてから帰宅するまで怪獣みたいに鳴き続けるのだが、どうも「帰りたい」「落ち着かなきゃ」「頑張って私」みたいな独り言のようなので、病院のスタッフさんに「頑張ってるね、偉いね」と褒められると急に低いダミ声で「あ、どうも」みたいに返事する。
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チュールがご飯になるとかいうCMを観て「猫のご飯いろいろあるなー」と感想を呟いて数十秒後、賢い担当の猫が半分寝ぼけたような顔をして現れ「猫のご飯の話をしましたね?」と尋ねられて「あなたのご飯の話ではないですね」と慌ててご理解をいただきながら猫のベッドにご案内したらそのまま秒で寝た。
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非常勤先の学生さんが「何で先生たちはすぐ卒論の文字数をTwitterのツイート数に換算して「簡単に書けそうな気がしてきたでしょ」みたいなこと言うんですか!全然違うものじゃないですか!」ってキレていたけど、まぁ確かに普段着を12枚重ね着しても十二単にはならんもんね。
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かつて伯母はよく飼い犬(柴犬)を連れて駅に伯父を迎えに行っていて、伯母が私を迎えにきたとき伯父のお迎えだと思っている犬の「お父さんまだかな!お父さんまだかな!ん?こんにちは?この人誰だっけ?誰だっけ!誰だっけ!わあ!ごまだ!ごまがいるぞ!」って爆速検索するの何度見ても好きだった。
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大事に使っていたお気に入りの懐中時計が動かなくなってしまったのでしおしおしながら時計を買った家電屋の電池交換と修理のコーナーに持って行ったら、丁寧に見てくれた店員さんがとても言いにくそうに「あの、五日間日に当てると動くと思います、ソーラーなので」と教えてくれた。空腹なだけだった。
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台湾で横浜出身だと言うと「横浜は素敵な街だね、「金色のコルダ」で見たよ」とか謎のサブカル理解で横浜を誉めてもらうことがあったのだが、もしかして今後は「横浜は素敵な街だね、「吸血鬼すぐ死ぬ」で見たよ」って言われたりするのだろうか。あそこまで面白い街ではないぞ。
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ごま「A5のプリント足りないところありますか?」
一年生「えいごのプリント来てる?」
一年生「にほんごしかない」
一年生「国語でえいご配るの?大学だから?」
ごま「A4の半分のサイズのプリントみんな受け取ってますか?」
一年生「えーごのプリント!これだ!もらいましたー!」
一年生が可愛い。
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朗らか猫は以前の家で段ボール箱に入ってはいけないルールだったのか、当初私に気づくと慌てて箱から飛び出していた。一昨日は箱に入って遊んでいるところを見られてゆっくり箱から出て「入ってないっすね」と誤魔化そうとし、昨夜はついに箱の中で転がったまま「入ってないっす」という顔をし始めた。
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領域の学位記授与式、受け取った学生が学位記を手に振り返ると仲間たちが「可愛い!」と称えまくりながら写真を撮る流れだったのだが、クール系男子には「可愛い」コールがなく「おめでとう」コールだったため、当該男子が「可愛いは!」と煽って「可愛い!!!」コール祭りになったのとてもよかった。
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すみません、ちょっとそっち押さえててもらっていいですか。私、こっち押さえとくので、こう、ぐっと押さえ込んで、その調子で、もうちょっとしっかり押さえ込んでおけば、多分あと三日くらいは三月のままいける気がする。
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授業を録音する私「では続いて、中唐の詩人を同じ視点から見てみましょう」
賢い担当の猫「にゃーん!!!」(力強いカットイン)
授業を録音する私「はい!可愛い!」
賢い担当の猫「ふな」(勝ち誇ったお顔)
授業の録音を慌ててオフにする私。
満足した様子で力強く立ち去っていく賢い担当の猫。
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猫のお勧めの場所に半日置いたら動き始めました。ありがとうお店の人、ありがとうお日様、ありがとう猫。
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日本の大学教員の給与の話で好きなのは有名私立大学の先生が海外でタクシー運転手さんに月収聞かれて正直に答えたら「え、可哀想」とめちゃくちゃ素で同情されたという話と、私大から旧帝大に移った先生が振り込まれた給与の余りの少なさに「月に2回給料日があるのではないか」と疑ったという話です。
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新入り猫が大物すぎてすっかりうちに慣れてしまって
先住猫「知らないおじさん、やだ!」
新入り猫「マジっすか!知らないおじさんいるんすか?!超怖くないっすか?!」
くらいの温度差がある。先住猫に「シャ!」って言われている知らないおじさんは君だよ。
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今日からトライアルに来ている保護猫さん、ケージ越しに先住猫が小さな声で精一杯「シャー!」をかましたのに、一瞬目を上げて「姉さん、ちーっす!」と受け流しそのまま餌を食べ続ける大物ぶりを発揮して、先住猫が「知らないおじさんがケージの中でご飯食べている」と私にめちゃくちゃ報告してくる。
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数年前の真夏、電車がエアコンも切れた状態で停まってしまったとき、車内でふくよかな少年が喘ぐように「お母さん、暑い、暑くて、これは無料のサウナだよ、痩せるよ、よかったね」とハイパーポジティブな発言をかまして周囲の心を救ったことを思い出しつつ無料のサウナに出陣する気合いをためている。
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昨日聞いた「キキララの身長は公式設定によればお月さまの半分なので、21歳女性の平均身長のおよそ109万倍」という知識が頭を離れない。
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スーパーで買った物を袋詰めしていて、隣の若い夫婦が深刻な顔で「この袋に何を入れるか」を協議していて「これは重い」「これは傷みやすい」「だからってこれだと軽すぎる」と揉めているので何かと思ったら、乳母車のお小さい人類が自分も一人前に荷物持ちに参加できるのを今か今かと待ちわびていた。
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武豊騎手が4400勝を達成したレースの3着がイツモハラペコという名の馬だったのと、イツモハラペコちゃんのお母さんがイイコトバカリちゃんなのとで、土曜の昼間から心が乱されている。
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五つある猫のトイレのうち二つは日中と夜間で置いてある位置が変わるのだが、昨夜は移動し忘れた。賢い担当の猫が私を呼びにきてトイレに入り、私を見上げ、そのまま出てきて、普段なら夜にトイレのある位置にいき、私を見上げ、床を見、私を見上げ、「に?」とおっしゃるので慌ててトイレを移動した。