心理的虐待、と呼ばれるものがある。 酷い暴言をイメージするかもしれないが、それだけではない。子どもの発言を制し、考えを支配し、行動をコントロールする『過干渉』もその1つ。「あなたのため」「躾」という言葉で縛り付ける。 殴る蹴るのように表面化する虐待とは違い、周囲も本人も自覚しにくい
「言葉にしないと伝わらないよ?」 「ちゃんと話せば分かってもらえるはず」 そう言われることがある。 だが言葉にしても伝わらない人はいるし、話しても分かってもらえないこともある。 それが親の場合、子どもの頃からその経験を積み重ねすぎて「何も言わない方が心が傷つかない」と諦めてしまう。
自分軸で生きることは、自己中やワガママとは違う。 「私はこう思う」「私はこれが好き」という気持ちを大切にすること。 でもACは、「自分軸で生きる=自分中心でわがまま」と植え付けられている。 相手を喜ばせるためなら頑張れるのに、自分のためとなるとブレーキがかかる理由は、ここにある。
アダルトチルドレンは「怒り」の感情に振り回される。 子どもの頃に怒りっぽい大人がいて「あの人のようになりたくない」と怒りを封じ込めたり、ふいに怒りが抑え切れずに溢れたり、信頼できる誰かにだけ怒りをぶちまけてしまうこともある。 家庭が「安全基地」ではなかった場合、そうなりやすい。
「親を悪く言うなんて」とあなたを責める人がいる。 その人は、親に与えてもらうはずの『心の土台』を自分で作らなければいけない悲しみや苦労を知らない。 親も苦労したのかもしれないし、かわいそうな人だったのかもしれない。だけどそれは親自身が向き合う問題。 辛かったことは、辛いと思っていい
<自己肯定感が低くなる要因> 1.生まれつきの気質 HSPだと罪悪感、孤独感、マイナス感情が出やすい 2.幼少期の親との関係 褒められ励まされるより、一方的な指示や人格否定が多かった場合「無価値観」が出やすい 3.トラウマ体験 不安と恐怖に押しつぶされ、自信を失い、感情が乱れやすい
「集団の場が苦手」という人がいる。 幼少期、家庭内で「自分の居場所がない」と感じた人に多い傾向。人嫌いなのではなく、1人でのびのび平和に過ごしていたいタイプが多い。 だが日本の社会では「集団生活ができない子」「協調性がない子」というレッテルを貼られてしまう。結果、孤立感が強まる。
そんなことで傷つくの?、冗談なのに、つまんない子、気にしすぎ、考えすぎ、真面目すぎ… このように言われ続けて育つと、「どの気持ちは出して良くてどの気持ちは出しちゃダメなのか」苦しむ。 自分の感情を疑うようになる。本当の気持ちが分からなくなる。 「自分自身がよく分からない」に繋がる。
心の傷が睡眠障害となって現れることがある。 寝つきが悪いし目覚めも悪い。 一番調子がいいはずの朝に、既に疲れている。 誰でもそういう日はあるが、アダルトチルドレンの場合は「子どもの頃からずっとそう」という人が多い。常に緊張しっぱなしの家庭で過ごしていると「それが当たり前」になる。
幼少期に親に否定された部分は「誉め言葉」として受け取りにくい。「トロい」「グズ」「早く」「遅い」と怒られたことが多いと、「丁寧だね」と褒められて喜べない。遠回しに遅いと指摘されているように感じ、落ち込むこともある。 アダルトチルドレンが褒められて喜べないのは、性格のせいではない。
「手の掛からないおとなしくていい子だった」と言われることがある。 大人からすれば「いい子」かもしれないが、子ども側は相当努力している。子どもらしいわがままを抑え我慢し、迷惑をかけない事で愛されようとする。 それなのに「この子は放っておいても大丈夫」と、ますます放っておかれてしまう
アダルトチルドレンは、何かに依存することで自分を保つことがある。 過食、アルコール、ゲームやギャンブル依存は、現実が過酷すぎる場合の一時的な逃避。 SNSやセックス依存は、自分の価値や存在の確認。必要とされていると知り安心したい。 依存は逃げでも弱さでもなく、生きるための1つの手段。
肩こりが酷い、首がガチガチ、食いしばりが酷い、頭痛もち…というACは多い。 常に何かを警戒し、心と体が緊張状態だから、朝起きた時に『既に疲れている』こともある。 子どもの頃からずっとそうだと「これが当たり前」「みんなそう」と思い込むが、実はそうではない。 本当は、体はもっと軽い。
祖父母が心の拠り所になることもあるが、同居の場合は逆効果になるケースも多い。 祖父や祖母の干渉によって親が委縮し、ストレスを溜めてしまいやすい。そのストレスの矛先は、優しい子どもに向く。 子どもが大人達の愚痴を聞かなければいけなかったり、祖父母と親の板挟みになり苦労することもある
親に愛されていない人だけが、ACになるのではない。 親なりに愛してくれていても、ACになることはある。 親の望む通り振る舞うことを求められ、それに応えているうちに「自分」というものがわからなくなる。気がついた時には、親の理想から外れることが怖くなり、自分の決断に自信が持てなくなる。
「生きているだけで価値がある」 という感覚は、子どもの頃に親が与える。何か出来ても出来なくても、あなたはそのままで愛されると親が教える。 ACは、「生きていてごめんなさい」という感覚に襲われやすい。何か出来たり、誰かの役に立てないと「自分に価値がない」と思い込まされてきた弊害。
「イベントブルー」に悩む人がいる。 約束の日が近づくにつれ体調が崩れ始め、憂鬱になる。当日まで「なんとかして約束をキャンセルできないか」と悩むが、適当な理由が見つからない。結局、ドタキャンせざるを得ないこともある。 なんとか無事に当日過ごせても、反動で数日間体調不良になりやすい。
人間関係を楽にするための3つの極意 1.自分を大切にしてくれない人から、離れる 2.自分を大切にしてくれる人を大切にする 3.嫌いな人に好かれようとしない これらの達成を邪魔するのが『無価値観』。 自分に価値がないと心のどこかで思っていると、これらと真逆の行動を無意識にとってしまう。
「気にしなければいいじゃん」と言われることがある。 確かに、気にしなければ心は守られる。 だがそれは「もともと気にならない人」限定の話。 HSP気質があると、勝手にセンサーが作動し、情報を拾い集めてしまう。色々気にしないために、「気にしないでおく」工程が追加される。結局疲れてしまう
<ACが抱えやすい「○○しなきゃ」> ・喜ばせなきゃ  ⇒自分の気持ちより、相手がどう思うか気になる ・ちゃんとしなきゃ  ⇒100%出来ない自分には価値がないように思う ・強くならなきゃ  ⇒弱さを見せたらつけこまれる、弱い自分はダメ ・頑張らなきゃ  ⇒「何もしない」に強い罪悪感を持つ
「人目が気になりすぎる」人がいる。 相手にどう思われているか、嫌われていないか、周囲から浮いていないか、何が正解なのか…考えすぎて分からなくなってしまうほど悩む。 常に思考フル回転状態の為、寝ても疲れがとり切れない。 子どもの頃、「手のかからない良い子」と言われていた人に多い傾向。
「あー辛い」と思った時、無理してポジティブになろうとしないで。 「つらい」と打ち明けた時に、「考えすぎ」「気楽に考えたら?」「前向きにいこう!」なんて言われたら悲しいでしょう? 他人は平気で否定してくるからこそ、まずは自分が「あ、辛いんだな」と受けとめる。それだけで少し救われる。
<自己肯定感を上げる5か条> 1.褒められたらありがとう 2.失敗しても自分を責めない 3.自分が悪くない時の謝罪はしない(罪を被らない) 4.自分なんてと自虐しない 5.好き嫌いは正直に(意地悪しなければ十分優しい) ACは親から真逆のものを与えられ教えられてきたから、苦労しやすい。
アノ人も大変だったのかもしれないし、事情があったのかもしれないし、悪気がなかったのかもしれないし、愛情の与え方を知らなかったのかもしれないし、アノ人なりに愛してくれたのかもしれない。 でもだからといって、あなたが感じた寂しさや不安、傷ついたことを「なかったこと」にする必要は無い。
「他人は変えられない、変えられるのは自分だけ」と言うが、あなただけが変わらなきゃいけないというルールはない。 自分を変えてまで大切にしたい人なのかどうか考えてみる。 相手はあなたの為に自分を変えてくれるかどうか考えてみる。 どちらか一方だけが努力する関係は、ずっと続けられないから。