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雪原と馬 撮影 浦田穂一
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待ち伏せ
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明日はオシラサマの祭日 遠野市内には63軒169体のオシラサマが祀られています。(2000年遠野市博で旧遠野市分を調査) 民間信仰の家神様であるオシラサマの祭日は家ごとに異なりますが、遠野市内では1月16日としている家が約6割を占めています。
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類感呪術 ある現象を模倣することによってそれを実際に引き起こそうとするもので、例えば雨乞いで水を撒き太鼓を叩いて雷の音をあらわすことは代表的な例である。 小正月の御作立やお田植えなどの予祝行事も作物の実りを模倣した類感呪術といえる。 小正月の御作立 撮影:浦田穂一
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異界との境界は、村境や川、坂、辻等の空間的な境界と、節句など季節の変わり目などの時間的な境界がある。 また、1日の中でも夕方の薄暗くなり、昼と夜の移り変わる時刻は、黄昏時や逢魔時(おうまがとき)と呼ばれ異界と現実世界を繋ぐ時間の境目と考えられてきた。
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形代とは 神霊が依り憑く依り代の一種で、人、器財、動物などを模してそれに代わるべきものを作り種々の呪術を行う道具。 人間の霊を宿す場合は人形を用いるなど神霊が依り憑き易い形にするとされる。 疫病神や悪霊の依代とされて、村境に送られるワラ人形なども形代の一つである。 春風祭のワラ人形
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忌言葉 特定の時や場所で口にしてはならない言葉やその代りに用いる言葉で、猟師が山中で使う山言葉や漁師が海上で使う沖言葉などがある。 神や神聖な場所に近づく際には不浄なものや行為を避けるだけでなくそれを言葉にすることも忌み、代用語を用いたことから生み出されたとされる。 常設 狩猟装束
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感染呪術 一度接触したものあるいは一つのものであったもの同士は、遠隔地においても相互に作用するという考えによるもの。  狩の獲物の足跡に槍を突き刺すと、その影響が獲物に及んで逃げ足が鈍るとするような行為や誰かを呪うときその人の爪や髪の毛を使うなどの例がある。
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境の神  村境は異郷や他界との通路であり、遠くからやって来る神や悪鬼、災いを起こす邪霊もそこから入ってくると考えられた。  また橋、坂、峠、辻なども異界との境界と認識され、このような場所には他から侵入するものを防ぎ、道行く人々を災難から守る神として賽の神や道祖神が祀られた。
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「結び」の呪術 ひもなど、細長いものを組んでつなぐ「結ぶ」という行為には古くから呪術的な意味があると考えられてきた。  古代には、草と草を結び合わせ、そこに霊魂をこめて旅の無事や幸福を祈り、男女が神に願って相手の衣服の紐を結んで誓いを立てる事等が行われた。 常設 祝い結び 卯子酉様
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作者不詳
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杖は古くは神の依代としての性格をもっていたが、やがて神の持ち物とされ、権力者の権威の象徴や護身用としても利用されるようになった。高僧・英雄の立てた杖が成長して大樹になるという杖立伝説が全国各地に残る。 遠野ではアカザの杖には病気を除ける力があると伝承されてきた。 常設 アカザの杖
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ザシキワラシは「室内を歩くには通路が定まっていて、それ以外には決して歩かない。人がその通路を知らずに寝るようなことがあれば、きっと唸されたり、また何か悪戯をされるという。」 『奥州のザシキワラシの話』 佐々木喜善著 1920年刊
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言葉の力 昔から日本では言葉には呪力があると考えられてきた。言霊ともいわれ、言葉に宿る霊力が、発せられた言葉の内容どおりの状態を実現する力があると信じられていた。呪力を発揮させるために唱えたり御札に書かれる言葉を呪文という。 常設 呪符
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妖怪と幽霊の違い (妖怪は)出現する場所が大抵は定まっていた。避けてそのあたりを通らぬことにすれば、一生出くわさずに済ますことも出来たのである。これに反して幽霊の方は…向こうからやって来た。彼に狙われたら、百里も遠くへ逃げていても追いかけられる。 柳田國男著『妖怪談義』 カッパ淵
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ザシキワラシの種類 座敷ワラシ 蔵ワラシ ザシキバッコ 夜通しケタケタ笑う坊主頭の老婆の姿をしたもの ザシキジッコ 腰の曲がった老爺で夜通し何かをつぶやきながら座敷を歩き回る チョウピラコ 最も小さく色白く美しいもの ホソデ、ナガテ 細く長い手だけが出るもの 『奥州のザシキワラシの話』より
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黄昏時は逢魔時(おうまがとき)といわれ、「黄昏に女や子供の家の外に出ている者はよく神隠しにあう」(『遠野物語』8話)と伝えられてきた。  夕方の薄暗くなり、昼と夜の移り変わるこの時刻は、異界と現実世界を繋ぐ時間の境目とされ、魔物や妖怪がうごめき始めて災いが起きると考えられてきた。
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呪文に対する信仰は言葉の持つ力に対する信仰に基づいている。 呪符には定型化された言葉が使われ、これを唱えることによって願いを叶えたり災禍を防ぐことができると考えられた。 呪文は神秘的であるほど効力を持つと考えられ日常使わない古い言葉や難解な言葉が使われることが多い。 収蔵資料 呪符
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供養絵額 故人の冥界での幸せを願い、家族や友人が寺院に奉納した板絵で生前の姿を描き戒名等が記される。 岩手県中央部に見られる習俗で、弘化〜嘉永年間(1844〜1854)に発生し、大正時代まで奉納されていた。 没年から製作年代が推定できることから当時の風俗を知る上で貴重な資料となる。 常設
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冬の遠野
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デンデラ野から里を望む 夏から冬 遠野市土淵町山口
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冬の朝 撮影 浦田穂一
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雪道は冬タイヤで
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人形(ひとがた) 古来人々が病になったり、災いが起こるのは、罪や穢れが原因だと考えられてきた。 紙などで作られた人形で自分の体を撫でたのち、それに息を吹きかけて罪や穢れを人形に移し、それを川に流したり、燃やすなどして祓う呪術的処方が古代から行われてきた。 「遠野のひな人形」展示資料