「ROCK'N'ROLL SUICIDE」のメッセージは、「君はひとりじゃない」ということだ。おめでたかった60年代に比べ、70~80年代初頭は、若者を疎外し孤立させる要素が多かった。実は当時の自分自身が社会のアウトサイダーだと感じていて、この言葉を誰かから言って欲しかったんだ。
三島由紀夫の小説の中で「庭を歩いていると滝がうまく流れていない事に気付く。よく見ると滝の上に犬の死体が引っ掛かっていた」という下りが有る。これは「世の中」について叙述した最も素晴らしい物だと思う。僕の作品はそうした感覚に負う部分が多い。普通の音楽だけど、どことなく変だという様な。
虚無主義的な見方をしたり、否定的な立場を取るというのは実に容易な事です。しかし、私はそういう傾向を変えたいと願っているのです。「この世は問題だらけだ」「それならどうしたら問題を解決できるのか」、そういう考え方をするべきだと思うのです。
(93年『ジギー〜』のジャケットに写る看板について) あの看板が無くなったのは本当に残念だ。皆あれからすごく色々な事を読み取ってたのに。K.WESTは"quest(探求)"を意味する暗号的なものに違い無い、なんて思ってたのさ。そういう神秘的な意味合い全てが、あの中には有ったんだ。
坂本龍一はメインストリーム、アヴァンギャルドと映画とを最も上手く乗りこなす。しかし一瞬たりとも器用貧乏に陥ることがない。その業はもはや匠の域に達しているように思う。 ✳︎動画:映画『戦場のメリークリスマス』で共演した坂本氏とボウイ
(『戦メリ』撮影時のボウイ) オイラが早口でギャンギャン喋って笑いをとってるのを覗き込むように見てたし、時には言葉がわからない筈なのにゲラゲラ笑ってる事もあったね。あの人の音楽もそうだけど、現場で新しいものとか未知のものを取り入れようとしてたんじゃないかな。 ーービートたけし
ボウイはとても特別な存在だった。エルヴィスが特別だったみたいに。他の人とは違う何かを持っていたんだ。一緒に仕事をしている時と、その他の機会に何度か会っただけどとても良い人だった。話し易いし、普通の人なんだ。 ーーデヴィッド・リンチ ✳︎リンチ監督『ツイン・ピークス』出演時のボウイ
僕には世界全体の事なんて考えられない。考えられるのは、こうやって手が伸ばせる範囲の事ぐらいさ。今の世界は考えなければならない事が多過ぎるね。でも、小さな範囲を正しく捉える事が出来れば、結局大きな範囲も正しく捉えられるんじゃないかな。
人は他人が失敗するのを見るのが好きだけれど、失敗にめげない人間を見るほうがもっといいに決まっている。人生において失敗し、それを乗り切ることこそ、最高のスリルなんだ。
偉大なロックンロールには「おバカ要素」が必要なんだ。真面目過ぎるとU2になってしまう。デヴィッド・ボウイも、ラモーンズも、全ての偉大なロックンロールは、時々何かしらバカだった。ストゥージズは…大バカだ! ーージム・ジャームッシュ ✳︎ジャームッシュはU2を「いいヤツら」とも述べている
君のグラスを飲み干して そのグラスを高く掲げるんだ これはコカインの副作用なんかじゃない これこそが愛に違いない ✳︎76年1月23日リリース『Station to Station』より
変化の動機?そりゃあ、自分の関心がすぐに移ってしまうからさ(笑)。自分のアイディアにもすぐ飽きがくるし。 ✳︎GIF by Helen Green
(75年グラミー賞にてプレゼンターを務めたボウイ) 紳士淑女…それ以外の皆さん (ニヤリ) 大役を頂いて光栄です。 (もっともらしく身振りを交えながら) グラミーの精神にのっとって務めたいと思います。 (会場は大喝采)
(あなたにとってのデヴィッド・ボウイとは?) A TRUE ROCK STAR!! ーーHYDE(L'Arc〜en〜Ciel・VAMPS) ✳︎動画:VAMPSによるボウイの『Life on Mars?』のカバー
作品は観衆がそれを見に来て、自身の解釈を付与して初めて完成する。そして、その芸術作品は、そこに至るまでのグレーの領域を表現しているんだ。
最近は多くの音楽が、業界のために作られていて、人々のために作られていない。僕はそれに嫌悪を感じているんだ。(02年)
(02年人間の在り方について) 我々は特別な目的も意味も持っていないという事に耐えられる程の大人になっただろうか?我々にはひとつひとつの瞬間しか無く、それを大切にしていく、という生き方が出来る様になっただろうか?もしもそういう事が出来たとしたら、それはすごい事かもしれない(笑)。
寒い朝、目を覚ますと、ここが京都あたりで、禅の修行場だったらいいのになと思うことがちょくちょくある。ベッドを出て煙草に火をつけて、近所をひと回りして、ようやくその感覚が振り払えるんだよ。
言葉はコミュニケーションにおける最も不明瞭な方法です。
(74年 あなたは先進的なアーティスト?) いや、全然。僕はむしろ懐古的なくらい。ただ、作曲やライブに関しては色んな可能性を試すのが好きなんだ。
(ニルヴァーナによる『世界を売った男』のカヴァーについて) カートが僕の曲を気に入ってくれてたという事実に、単純にぶっ飛ばされたね。いつも彼にこの曲を選んだ理由を聞いてみたいと思ってたんだ。彼のカヴァーは真っ直ぐで、とても誠実だったよ。
(成功について) 君が乗っている車を誰かが猛スピードで飛ばす。君自身は運転は出来ず座席に座って驚く声を上げてるだけ。その状態の善悪など分からないままでね。まるでそんな感じ。それが成功の正体。全くの無名だった者があっという間に有名になってもてはやされる。本当に恐ろしいものだったよ。
僕は今、日本のアニメーションにとても興味があるんだ。特に「AKIRA」は素晴らしかったからね。(95年)
(71年発表曲『Queen Bitch』について) ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ルー・リードの感覚で、時折感じるロンドンについて書いた曲。 ✳︎この曲で、ボウイはルー・リード風に歌いあげている
(ベルベッツの曲でボウイと共演した際に) デヴィッドの野郎はコードやらメロディやら、全部変えちまうんだからな。自分の曲を練習するハメになったよ。ヒドいだろ。でもそれも悪くない。リハは毎回未知の世界に踏み込むようだったね。 --ルー・リード ✳︎動画:上記のライヴ。ルーの視線に注目