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「共感」ってなんだろうねというのを看護師さんと話しながら帰ってたんだけど、その根っこにあるのは「わたしとあなたは地続きである」という感覚ではないか。
わたしとあなたは違うけど、わたしがあなたであったかもしれないよねという感覚。
77
「ひとを信じる力」について。
ひとは、相手が信頼に足るかどうかを過去の経験に基づいて判断する。
助けてほしいときに助けてもらえなかったり、裏切られたりする経験が多いと
「このひとはじぶんを助けないだろう」と判断し、ひとりで解決しようとする。
壁をつくり、他人と距離をとろうとする。
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ひとの欠損がなぜチャーミングかというと、そこに「手をさしのべたい」「埋めたい」という関わりの欲求が生まれるからだとおもうのよね。
同情とかそういう次元ではなくて、くぼみがあったら、なんか埋めたくなるでしょ。
そういうテトリスみたいな気持ちよさは、人間の本能に基づいてるとおもう。
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感情は人間ではない、反応である
髪の毛を切り落としてしまえばそれが人間ではないのと同じように
という老師の言葉があるんだけど
「感情は私ではない」というのは、つらい感情に占拠されそうな夜にぜひとも思い出してほしいことです
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あなたのことを大事にしてくれないひとたちのことを、そこまで気にして頑張りすぎなくてもいいとおもうのよね。
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「相談する」っていうのはけっこう技術がいることなんだよね。
問題を把握して、それを言語化した上で、相手を選定し、タイミングや言葉を選んでいく。
最初からうまくいかないから、プロの人を頼ったりして練習して、ちょっとずつ上手くなってったら、そのうち良き相談相手とかは見つかるよ、って話 twitter.com/ayakatakeuchi5…
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「自責が強すぎるひと」というのは、野球に例えるとショートを守っているのに、右中間にボールが落ちた責任を感じて凹んでいるようなもので、それでは神経が擦り切れてしまう。
まずは二塁と三塁の間をしっかり守る、というだけで精一杯だし、それでも十分に難易度高いことなんだとおもうのです。
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人間だから、意味もなく気分が落ちることもある。
そんなとき「これのせいで落ちてる」という理由を無理に探さなくていい。
特に「過去の失敗」とか「未来の不安」とかと結びつけると長引いてさあ大変。
「落ちてるなあ」で済んだらいいし、それが難しかったら、できる気晴らしを淡々としたらいい。
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なので、「衝撃的な出来事は深掘りしないで、過ぎ去るのを待つのが最良の策」なんだって。
衝撃にまつわる痛みは、ちょっと時間を置いたら引いてくる。
変な意味付けをしないでいいんやね。
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休むことが苦手な人の特徴として
「恥の意識が強い」というのがある。
「恥」「罪悪感」と「うつ」はとても近いところにある。
「ちゃんとしなきゃ」という気持ちが強すぎて自分への期待値が上がり、それが完璧にできない自分を恥じて無力感にかられ、無気力・うつ状態になってしまう。 twitter.com/ayakatakeuchi5…
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あなたがものすごーく気にしていて、常にご機嫌をうかがっていて、裏切るまいと必死になっている「世間」というやつに、じつは実体なんてないんだよ。
実体がないものに支配されてるのはものすごく不健全でしんどいから、ちょっと距離をとってみよう。
人並みでなくても生きてていいのよ。
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「他者と親密になること」の安心感をそもそも得られなかったり、何らかの形で破壊されたりすると
「親密さが怖い」「愛が怖い」ということになる。
愛情に対するそもそものスタンスが揺れているという苦悩は、愛情のやりとりが当たり前のひとたちには非常に理解されづらい。 note.mu/knkm4lj11/n/n1…
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対人関係を難しくさせる要因
①伝える技術の不足(断り方や頼み方がわからない)
②思い込み(こんな事を言ったら離れられてしまう)
③感情(怒りすぎて話せない、思いが強すぎて一方的になる)
④自己の把握不足(自分が本当に何を望んでいるのかわかってない)
⑤環境(周囲の状況の影響が強すぎ)
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依存先を増やすのはとても大事なこと。
それは「100%理想の依存先」を探して転々とすることではない。
それは相手にとって誠実な態度ではない。
「60-70%でいいから、お互いにしっかり体重を預けられる相手」をじっくり3人探すというイメージ。
そういう相手とは、ちゃんとフェアになれる。
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ひとは精神的に余裕がなくなると、すぐに「善か悪か」でものごとを判断したくなってしまう。
じぶんのこともそう。こうなってしまったわたしがすべて「悪い」と。
あなたが悪いかどうかはわからないけど、「わたしが悪い」とすぐにおもってしまう思考の癖は、「損か得か」でいうと損かもしれないね。
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そのくらい、ぼくらはいろんな他者からのいろんな要求を(なかば勝手に)受け取り、それに応えようと一生懸命になって疲弊してしまう生き物なのよね。
だから、自らに対する要求のない環境に身を置くってことが大事なんだよね。
92
意思決定力が大事ってことは誰もが言っていることなんだけど、重大なものごとを「決めるべきではない」タイミングってのもあるんだよね。
(例: 心が弱ってる時とか)
そういうタイミングを見極めて、「今は決めないほうがいい」と自信をもって棚上げするのもひとつの技術。
健全に棚上げする力ね。
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あなたを守らない組織を、あなたが守ろうと頑張らなくてよいです。
身の危険を感じたら放り出して逃げましょう。
それは無責任なことでも何でもない。
やばいなと思ったときに、「抱えているものを全部放り出せる力」があるというのは、すぐれた危機管理能力だとおもうのです。
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かなしみは「乗り越えるもの」というよりも、ゆっくり「消化するもの」だというように教わった。
かなしみは、こころの栄養になる。
かなしみを健全に味わうことによって、人間として成熟し、他人に対してやさしくなることができたり、気づかなかった豊かさを得ることができたりするのだよね。
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「私は生来闇属性の陰キャであり、陽キャとは分かりあえない」と言って退廃的な夜型生活を心がけていた人が、自粛期間にすっかり自炊やら朝の散歩などをはじめていて
「私としたことが、こんなヘルシーな生活をするなんて悔しいけど、なんか気分がいいんです。」
とか言っててこのひと最高だなと。
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「求めても無視されて、何も応えてもらえない」という状況を何度も何度も経験すると、「求めない」という態度が自然に定着する。
それどころか、求めていたものが得られる場面になったときに、遠ざかることを選択するようになる。
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対人関係に不安が強くて過敏になっているひとに必要なのは「どっしりとした相手」なのだよね。
ちょっとやそっとのことでは動じないし、離れてもいかない。
それでいて、嫌なことは嫌という。
「他者」としてのリスペクトをもって、適度な距離で自然に接するスタンスは、安心の関係性の見本となる。
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「わたしが頑張れば、いつかあのひとは、この家族は、変わるかもしれない」
そんな想いで、必死につながりを保とうボロボロになって支えている子がいる。とても尊い。
でもね、それはたぶんうまくいかない。
あなたの大切なひとが抱える問題は、あなた一人で解決できる範疇を大きく超えているから。
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大切なひととの「ズレ」は放置しないほうがいい。
毎回顔を合わせるごとに「このズレはどうすることもできない」という絶望感や無力感に常に直面しないといけない。
そのストレスや傷つきの蓄積は耐えがたいものだから。
と、水島先生の本の内容を復習しています。
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あらゆる心の病の治療の基盤にあるのは、「安心」だとおもう。
安心して初めて、なおりたい、状況をよくしたい、何かを変えたいという余裕が生まれ、行動することができる。
安心とは、基本的に他者との関わりの中で築くものである。
築くのは簡単ではないけど、失敗しながら少しずつうまくなれる。