妖気漂うナイトランド叢書からは「紫の雲」を選びたいのだ 南極探検から帰った男が目にしたのは、毒の雲により滅んだ世界。鬱々とした死の風景、身も凍る孤独に苛まれながら、男は自暴自棄に都市を焼き、理想宮の建設に憑かれる。そしてひとりの少女と出会い… 山尾悠子も推薦、伝説の終末SFなのだ〜
ちなみにドグラ・マグラ初版本の表紙はドヤ顔謎おばさんヘッドなのだ……(古書相場たぶん40万円くらい)
「植物忌」面白かったのだ! 想像力で繁殖変体可能になった人類、身体から草花を生やす新ファッション・スキンプランツ、植物転換手術、反乱植物鎮圧戦、崩壊する言語… 奇想天外な着想がみずみずしい言葉で調理される様は、まるで文学meets奇想SF!コロナ禍に呼応する箇所も。いま刺さる本なのだ〜
新潮文庫で現行の安部公房、近藤一弥氏による装丁がめちゃくちゃかっこいいのでおすすめなのだ(^^)
わ!絶版だった「葉書でドナルド・エヴァンズに」が講談社文芸文庫で復刊してるのだ! 架空の国の切手を描き続けた早逝の画家・エヴァンズの足跡を旅しながら、亡き彼へ手紙を綴る平出の書簡体エッセイ 異国の画家と詩人のことばが交わり、静かに胸を打つ奇跡の書。澁澤龍彦との思い出も素敵なのだ〜
「山の人魚と虚ろの王」最高……最高だったのだ 駅舎ホテル、宮殿、降霊会、葬儀──溶けた時系列に彷徨う秘密めいた新婚旅行は、濃密な夜と物語の香気を纏って素敵 過去作やボルヘス好きはニヤリとする場面も!あと今回、浮いたり光ったり鞄にパンを溜め込む癖がある若奥さんが謎かわいいのだ〜(^^)
「ハリー・スミスは語る」ヤバい本だったのだ! 映像作家/音楽学者/人類学者/魔術師/錬金術師/あやとり研究家/イースターエッグ蒐集家…無限の肩書を持つ奇人の対話集。ギンズバーグと共振しディランに影響を与えた野生の思考が大爆発 ラリって縦横に飛ぶ宇宙的会話はエリアーデの小説みたいなのだw
「十二神将変」は、寺山修司らと並ぶ歌聖・塚本邦雄、唯一のミステリなのだ 短歌同様に磨き抜かれた、冷ややかに輝く旧仮名の文体と絢爛な漢字。茶道、仏教、阿片、魔法陣などの衒学に彩られた殺人事件… 虚無への供物の反現実を思わせるが、こちらはより孤高。不可侵の結晶世界を創りあげてるのだ〜
今日のつよいタイトル
情報公開から業界を震撼させている「人工島戦記」入荷したのだ 構想30年!ページ総数二段組1370頁(用語集だけで110頁)!函入、手書き地図小冊子付!10780円!――そして未完! 地方都市の人工島建設反対運動が住民から住民へと脱線し歴史を結ぶ、橋本治畢竟の大作 人生を削る読書、したくない――?
明日発売するサライの付録の『我輩は猫である』初版本ブックカバー、きゅんなのだ……
つげ義春と云えば、一昨年文庫化した『つげ義春日記』も妙味なのだ 淡々とした只の日記なのだが、不安神経症と絶望、貧しさが滲む乾いた文章は、なぜか心が鎮まり癒されるアンビエント効果有。『無能の人』まんまのカメラ修理話や、唐十郎、水木しげるの名も 人の日記って何でこんなに面白いのだ……
掃除してたらMOTHER2の珍攻略本『ひみつのたからばこ』発掘したのだ 全編妙にエモい小説仕立て! 実写&ジオラマ&手描きマップのこだわり抜いた誌面! HPとかじゃなくて謎の感想が書き綴られたモンスター紹介! プレイ日記の走りとも言えそうな斬新極まる構成だが、当時は疑問にも感じず読んでたのだw
荒削りでも気骨のあるホラーとぶつかりたいなら「二階の王」が中々なのだ 引きこもりの兄に悩む妹と、異端の考古学者が示した「悪因」なる現象を追う6人の男女。虫や獣に異形化する人々、悪魔を哀れむ歌、街がカタストロフに遭うとき、兄は── 独自のホラー体系を構築せんとする意気やよしなのだ〜
1/4は夢野久作のハピバ!『空を飛ぶパラソル』でひとつ上の久サカーになるのだ 報道倫理を主題に唯一無二のビジョンを描く表題作、ユーモアだが妖気が濃すぎて何だかもうな『いなか、の、じけん』、ぷちドグラ『キチガイ地獄』、エヘヘオホホな暗黒夢十夜『怪夢』と佳品揃い 東雅夫の新解説も必読!
これは死ぬほど好きなマンガだけど、ネタが昨今だいじょばない方向にとんがってる気がして長年紹介できずにいる狂気の名作『百合星人ナオコサン』……
ドロヘドロ原画展ヤバかったのだ……!
『チ。』はどんな小説より台詞が良いので、言葉に食らいたい方は是非なのだ……
仕事後はゆるふわ禅画こと仙厓義梵の筆に触れて和むのだ 江戸時代の禅僧ながら、2枚目「きゃふんと鳴く犬」をはじめ時代性を超越まくった脱力感で定期的にブームを起こす愛され和尚 『仙厓BEST100 ART BOX』がおすすめ。コアな音楽ファン的は異形の引き算ハードコアバンド・54-71のジャケ絵のあれ!
もういい大人なんだから、読書中にパッと見た頁が64ページだったとき「レベル5デス……」って一瞬思うのやめたいのだ……
地球の歩き方シリーズ、コロナ禍に負けず読み物特化した謎ガイドを次々繰り出してるので、目が離せないのだ……!
山中現の版画いいのだ…… え……めちゃくちゃいい……
入院中で絶食だが『おあげさん』で心の飢えを満たすのだ 油揚げが好きすぎて29本ものエッセイを綴ってしまった偏愛文学。内田百閒が愛した油揚げ、高橋由一が絵画に描いた油揚げ、油揚げカレー、きつね丼… 江戸〜昭和の情緒がじゅわっと染みた銘文!アライさんは豆狸のわさびいなりが好きなのだ〜
【イベント出店】 5/21(日) 文学フリマ東京 か-42 既刊 『奇書が読みたいアライさんの変な本ガイド』(フルカラー116頁/1500円) 奇書イさんが紹介した変な本428冊を全文改稿・集成した決定版ガイド!販売以来、増刷&瞬殺を繰り返しているカルト本が再び! 新刊ないので気軽に冷やかしに来てのだ〜w
一緒に買った『天才による凡人のための短歌教室』がまた泡吹くほど素晴らしくて……! 短歌の指南書だが、きっぱり無駄のない創作ノウハウはあらゆる表現に応用可能。読んでてめちゃくちゃ楽しい上に適度に薄くていい感じ! 少年ジャンプ副編集長も漫画家さんに推薦してるとか。創作勢はぜひ〜 twitter.com/SF70687131/sta…