文豪のかっこいい写真コンテストやりたいのだ……(澁澤龍彦、江戸川乱歩、稲垣足穂、ボルヘス)
クレイジージャーニーでおなじみ、吉田悠軌「一行怪談」は、その名の通り一文で完結する怪談なのだ 広大な行間からじわじわ迫ってくる恐怖は、じめつく雨の季節をより嫌〜な気分にさせてくれるのだw 吉田会長の本は、怪談の現場にフォーカスした同人誌「怪処」や禁足地帯の本など、皆興味深いのだ〜
狂った館と言えばウィンチェスターハウスが有名だが、日本にも二笑亭があったのだ 明治に「狂人が建てた化け物屋敷」と噂され、内部は、鋼鉄の床、五寸しかない押入、宙に伸びる梯子、和洋合体風呂など想像を絶する怪構造(主人は最後精神病院へ) 「定本二笑亭綺譚」はこの館に迫る数少ない本なのだ〜
「江川蘭子」は江戸川乱歩、横溝正史、甲賀三郎、大下宇陀児、夢野久作、森下雨村による夢のリレー小説なのだ 冒頭から血みどろのエログロ豪速球を投げる乱歩、愚痴から始まり超展開する甲賀など読みどころ満載だが、やっぱりあの狂った語り口で独り異次元にいる夢野久作の浮きっぷりが最高なのだ〜w
「連射王」は死滅した2D縦スクロールシューティングが題材の小説なのだ 少年がSTGに出逢い己を賭ける物語は、シューターの生き様通りにストイック。苦難の果てに光を見出す完全無欠の青春譚なのだ! かつて修行僧のように向き合うゲーム文化があったこと、東方や押切蓮介に添えて思い出したいのだ〜
有名だがヘンリー・ダーガーにも触れとくのだ 60年に及ぶ引き籠り生活で、誰にも見せず独り描き続けた妄想世界。両性具有の少女戦士たちが残虐な戦いを繰り返す絵の数々は、真のアウトサイダーアート。強烈なピュアと狂気に打ちのめされるのだ 画集「非現実の王国で」やコロナブックスで読めるのだ〜
いがらしみきお「Sink」は、ぼのぼのの作者とは思えないほど強烈な不条理ホラーなのだ 郊外で起こる不思議な出来事、異様に首や手の長い人間、大量殺人、引きこもり……意味不明な事象がじわじわと現実を侵食していく様は圧倒的! 社会や個の在り方を問う嫌〜な読後感も、確かな傷を残してくるのだ〜
「最近普通の人間椅子じゃ物足りないな……」て思うこと、誰にでもあると思うのだが、そんなときはシュヴァンクマイエル画の「人間椅子」がおすすめなのだ チェコ映画の巨匠による、シュールでノスタルジック、不安でポップなビジュアルが乱歩の新世界を開くのだ!巻末のパラパラ漫画も素敵なのだ〜
「獣儀式」は平山夢明もひれ伏す禁断のグロ文学なのだ 現世に溢れた鬼の群れが殺戮の限りを尽くす(だけ)の小説。人間串刺し、四肢破壊、人間農場、陵辱、虫…突き抜けた残虐性の暴風雨はもはやギャグかSF。虚ろな笑いが溢れるのだ アライさん残酷なやつ苦手なのだが、忘れさせてくれない作品なのだ〜
この本すごく気になるのだ……
「就眠儀式」は日本一美しい吸血鬼小説なのだ 異国情緒を濃密に伝える旧字の銘文で、陰鬱な美青年吸血鬼たちの幻想的な情景を切り取った短編集。どろりとした同性愛の気配は、澁澤や中井の語るそれを思わせて耽美なのだ 装丁も見事でまさに「書物」、行間から立ち上がる血の香りに酔いしれるのだ〜
「タコの教科書」は狂気すら感じるほど仔細に集められたタコ情報のバイブルなのだ 生物学、文化、漁、歴史、料理、果ては触手責めに至るまで、無限のタコ宇宙を網羅。 タコ型宇宙人やクトゥルーのルーツに北斎の絵がある話や、西洋で大失敗したタコ午餐会の話など、強エピソードの数々にぬめるのだ〜
本の片隅に乗ってた絵巻のアザラシがかわいくて気になるのだが、調べても出てこないのだ……
「奇偶」は"第五の奇書"に推す声も多い問題作なのだ 物語の過半は、数学、哲学、心理学、宗教学などから"偶然"なるものの本質に迫る果てなき談義。 同じ目が出続ける骰子、作家の周りで起こる奇妙な偶然の数々は、易経を軸とする新興宗教と密室殺人に収束するのだ 世界がぐらつく感覚を味わうのだ〜
「妖姫のおとむらい」面白かったのだ! ライトノベルと侮るなかれ、鏡花を思わせる気品高い銘文で心地よく誘われる怪奇幻想美食譚。主人公が迷い込む異界は、香山滋や稲垣足穂の濃密な気配…… 琥珀パン、ツグミ貝の美酒、ホロホロ鳥など"物語に出てくる食事"の極地、彼岸のメニュウに唾を飲むのだ〜
「土佐・物部村・神々のかたち」はアライさんが一目惚れしてしまった本なのだ 滅びつつある四国の民間信仰、いざなぎ流。儀式で使われる御幣(切り紙)の写真を中心に、陰陽道の面影残るこの不思議な信仰を紹介した本なのだ。解説は安心の小松和彦。 呪術的な側面が強く、興味深くも畏怖を感じるのだ〜
ドラクエ映画と一緒に、いにしえの名著「モンスター物語」「アイテム物語」も思い出したいのだ 環境に適応する度種を増やすスライムの進化録、ベビーサタンの出世物語、黄金の爪封印の秘密… 往年のファンタジーが持つハードな雰囲気と、飄々とした抜け感が混在した、唯一無二のドラクエ時空なのだ〜
「樹海考」は自殺の名所・青木ヶ原樹海の実像に迫る本なのだ 歴史や観光にも触れつつ、宗教施設、住人、死体、ヤクザ、マニアなど、樹海に集う人々のリアルを紹介 死体を眺めながらパンを食べるのが趣味の男(引くのだ)や、Slipknotのクラウンを案内した話など、凄いエピソードばかりで興味深いのだ〜
現代人に不足しがちなエログロナンセンスを効率よく吸収するには、昨年再編された「江戸川乱歩 幻想と猟奇の世界」で、多賀新の銅版画に触れるのがベストなのだ! 春陽堂・江戸川乱歩文庫の表紙を彩った銅版画が結集。幻魔怪奇の向こうにどこか聖性すら感じる暗黒世界が、夜の夢をまことにするのだ〜
ふと角川ミニ文庫のことを思い出したのだ……200円くらいの豆本みたいなやつ……流れ星のように短期間で生まれて消えていったのだ…… 今ちょっと欲しいかもなのだw
「ヘリオガバルスあるいは戴冠せるアナーキスト」は強烈な奇書なのだ 14歳で戴冠しローマ最凶の君主と呼ばれた美少年皇帝の退廃を、分裂病の哲学詩人アルトーが熱病の如き筆致で論ずる畸形のテクスト 両性具有、神性と淫蕩…あらゆる残虐行為の中に表出する二面性が、血の海で妖しく輝いているのだ〜
「メドゥサ、鏡をごらん」は迷宮的ホラーミステリなのだ コンクリ漬けになり自殺した作家と謎のメモ。彼を調査するうちに頻発する不可解な出来事。ズレていく記憶、混濁する自己、そしてたどり着く過去の集団食中毒とメドゥサ ぼろぼろと現実が崩れてく恐怖。論理が壊れた合わせ鏡の悪夢に酔うのだ〜
先月発売した世界初の「南米妖怪図鑑」、児童書ながら凄いのだ 人骨コレクター、吸血生物、スパイおじさんなど、およそ聞いたこともない妖怪がズラリ40種。オリジナリティ溢れるイラストと、文化や対処法にまで言及した詳細な解説で、丁寧に取り上げられているのだ! 自由研究はこれで決まりなのだ〜
紹介の参考にしようとついったーで軽く調べてたら、ほとんどの人が超巨乳妖怪サッパン・スクーン(乳揺れの擬音!)に触れてて吹いたのだw
伝説のミステリ「秘文字」は、全編暗号で書かれた読めない推理小説なのだw 泡坂、中井、日影の暗号に挑み、読者カードを送ると解答が、解読するとサインが貰えたという野心的試みの奇書。後に出た軽装版は解答付き(但し糊付けで封印)らしいのだ アライさんこれ持ってなくてめちゃくちゃ欲しいのだ〜