「憑き物耳袋」は、民俗学読み物の隠れた名作なのだ 狐、犬神、トウビョウ、外道など憑きもの信仰、憑物筋を中心に、天狗や一目一足にも言及した充実の内容 初出は大正11年の本なのでやや硬いが、採話と考察のバランスはエッセイ風で、日本の魔的原風景が広がる好著。小松和彦にも影響を与えたのだ〜
これちょっと流行ってるけど、廃棄本や加工用と分かっていてもしんどいのだ……
ラブクラフト前夜のコズミックホラーは『異次元を覗く家』がオススメ 奥アイルランドの廃墟から発見された手記に書かれた超常の悪夢! 怪物との戦い、教会の彼方、沈黙の海、でけえブタ…… ジャンル分け不能の異常な幻視万華鏡は本物の「名状しがたい」戦慄 早川版はメビウス風の挿絵も最高なのだ〜
「言語の夢想者」は人工言語に焦点を当てた珍しい本なのだ エスペラント語を始めデカルトらが夢見た普遍言語、リットンやオーウェルが描いた空想言語、神がかりで自然発声される異界言語など、胸踊る言語迷宮の数々を小説なども交えつつ紹介 ややとんがった内容だが、ここからバベルに挑むのだ〜!
ま、魔道具……
重箱のおせちも良いがコーネルの箱も最高なのだ! 不思議なコラージュを施した箱を製作し続けた芸術家ジョセフ・コーネル。骨董、実用品、おもちゃなどで作られた四角い小宇宙は、ときめきと郷愁でのたうつのだ シュヴァンクマイエル好きにも推薦。洋書だが「Master of Dreams」がおすすめなのだ〜
今月の東京人、ほぼ帝都人なので怪奇探偵小説ファンはぜったい買ったほうがいいのだ……エモい……
「針聞書」(はりききがき)は戦国時代の針治療秘伝を記した書物なのだ 腹の虫、脾臓の虫、張満など不調を起こす「体内の虫」63種類が、妙にポップな絵柄で描かれた愛され珍書 「『針聞書』虫の知らせ」のタイトルで本が出てる他、所蔵している九州国立博物館が謎に力の入ったグッズ展開をしてるのだ〜
話題沸騰のやつなので今更だが、『オールアラウンドユー』、平易な言葉でしみじみ刺さるめっちゃいい本だったのだ……ふだん歌集読まない方にもおすすめ!
「本を紹介する」という行為のひとつの究極が『辺境図書館』なのだ 稀代の幻想小説家・皆川博子が紐解く埋もれた奇書の数々。シュオッブの黄金が、カヴァンの絶望が、横山茂雄の暴く錬金術が、柔らかな語りの魔法で淡く輝く さらりと引かれる作品まですべてが極上!全幻想文学ファンの羅針盤なのだ〜
「ソヴィエト・ファンタスチカの歴史」はマジ意味わかんないのだ ソ連の文学史をまとめたちゃんとした本…と思いきや、記述の大半が嘘!「上田秋成はソ連の要注意人物」「スターリンは月の支配に取り憑かれていた」など、本国で誤用もされた微妙にそれっぽい歴史の数々 どうしてこんなことするのだww
有名だがヘンリー・ダーガーにも触れとくのだ 60年に及ぶ引き籠り生活で、誰にも見せず独り描き続けた妄想世界。両性具有の少女戦士たちが残虐な戦いを繰り返す絵の数々は、真のアウトサイダーアート。強烈なピュアと狂気に打ちのめされるのだ 画集「非現実の王国で」やコロナブックスで読めるのだ〜
『いずれすべては海の中に』最新&最高のSF短編集だったのだ 右腕の意識が高速道路に繋がった男(としか説明しようがないw)、鯨を運転してアメリカ横断、並行世界の作者が一堂に介するなか起きた殺人事件… 奇想と喪失感をブレンドした静謐な余韻はJGバラードにも通じそう。憎たらしいほど巧い!
これほんと全ページ最高なのだ……
冒頭→結末
今日はラブクラフトの誕生日! 「クトゥルー神話ってどこから入っていいか分からない…」って話よく聞くが、今なら断然星海社「クトゥルーの呼び声」がおすすめなのだ〜 読み易くも雰囲気満点、安心の新訳で復活するコズミックホラー。そして「窓に!窓に!」とかは旧訳のまま!(真っ先に確認したw)
「ワンダーブック 図解奇想小説創作全書」は最狂の創作ガイドなのだ 奇妙で狂った誌面に乗せた小説作法がぎっしり詰まった384頁大型本。SF、ファンタジーを中心に、プロットの立て方からキャラクター作例、ル=グウィンのインタビューまで、何気に超実践的内容なのだ 創作クラスタにおすすめなのだ〜
幻の民俗ミステリ『地図にない谷』がKindle復刊してたのだ ”いきなり病”なる風土病が蔓延る死人谷の調査に向かった多江は、自身の出自を巡る因縁を知る 乱歩賞を有力視されながら、部落問題を描いたため反対に遭い黙殺された禁忌の名作で、高湿度の怖気が絶品! 著者は晩年行方不明になってるのだ…
気持ちが鬱々としてるときは、感情移入が必要な小説より、人文書や新書の方がハードルが低い&気晴らしになることもあると思うのだ〜 ふだん小説ばかりのひとも、たまには読む本のジャンルを変えてみると面白いと思うのだ(^^) ※画像はアライさんが最近買った非小説
「最近普通の人間椅子じゃ物足りないな……」て思うこと、誰にでもあると思うのだが、そんなときはシュヴァンクマイエル画の「人間椅子」がおすすめなのだ チェコ映画の巨匠による、シュールでノスタルジック、不安でポップなビジュアルが乱歩の新世界を開くのだ!巻末のパラパラ漫画も素敵なのだ〜
お気に入りはこれw
「妖姫のおとむらい」面白かったのだ! ライトノベルと侮るなかれ、鏡花を思わせる気品高い銘文で心地よく誘われる怪奇幻想美食譚。主人公が迷い込む異界は、香山滋や稲垣足穂の濃密な気配…… 琥珀パン、ツグミ貝の美酒、ホロホロ鳥など"物語に出てくる食事"の極地、彼岸のメニュウに唾を飲むのだ〜
先日若者に「読んで人生変わった本ありますか」と聞かれて、真剣に『河童の三平』薦めたら全く刺さらなかったのだww 鬼太郎、悪魔くんに知名度で劣るものの、敵味方の境界が揺らぎ続ける奇妙な日々と、強烈な喪失感の果て、通り過ぎてく命の美しさに心が震える水木哲学最高傑作だと思うのだが……
山尾悠子先生のツイートで「ブッツァーティって絵も描くんだ」と知って『絵物語集』読んでみたのだが、良すぎる…良すぎるのだ…… かわいらしくも何処か寂しい、知らない国のポストカードみたいな筆遣い! 稀代の短編作家ならではの濃縮された文章も美しく、謎めいた世界がパッケージされてるのだ!
日活ロマンポルノに夢野久作の瓶詰め地獄があるのを知ったのだが、ジャケットがつよすぎて…… 瓶に詰まる話じゃないのだ……あとタコとウナギ何ww