ぎすぎすした社会に疲れたら『クレーン男』でチルするのだ クレーンに魅せられて棲みついた男が見守る町の興亡。サーカスの象を助け、海賊を退け、街が滅んで海になり、やがてまた街が生まれ…… イカれた個性をふわりと受け入れる町の余白と、粋な線画が深い印象を残す奇妙な寓話。翻訳は矢川澄子!
うええ……お、面白すぎるのだ……この国に、まだこれほどの作品群が眠っていたなんて……
「せどり男爵数奇譚」は他人事じゃない一冊なのだ 人皮装丁本、姦淫聖書、荷風「ふらんす物語」初版…幻の稀覯本を巡り起こる事件の数々。エログロナンセンスを思わせる隠微な筆致で、魑魅魍魎蠢く古書マニアの世界を描いているのだ 本の為に騙り、人を殺し、貞操を捧げる。闇落ちした我々なのだ〜w
【booth通販再開のお知らせ】 『奇書が読みたいアライさんの変な本ガイド』 (フルカラー116頁/1500円) 奇書イさんが3年間に渡って紹介したやばい本428冊を集成した決定版ブックガイド、再入荷! 毎回瞬殺ですみません!今度はいっぱい刷ったのだ!! kisyo-arai.booth.pm/items/4303023 #booth_pm
「千の脚を持つ男」はありそうで少ない怪物系ホラーアンソロジーなのだ 巨大スライム、殺人カー、大海獣、妖虫…腐葉土の化け物を描き別格の恐怖譚を魅せるスタージョン、ティンダロスの猟犬でおなじみロングのめちゃくちゃな表題作などアクの強いモンスターがズラリ まさに"読むウルトラQ"なのだ〜
いま重い読書はちょっと…という人は「世界のへんな肉」で血を補うのだ アルパカステーキ、トナカイのカルパッチョ、ビーバー煮込み…世界一周旅行の各所で巡り合う奇食グルメの数々 ダチョウに襲撃されたりバリ島で心霊体験したりと、旅行エッセイとしても大充実。1時間程度でさらっと読めるのだ〜
「メイコの遊び場」はいびつな味わいの問題作なのだ 昭和の西成を舞台に、余所者の少女メイコと少年たちが懐かしの遊びに興じる人情譚…と思いきや、夜のメイコは心象世界に引きずり込んでヤクザを壊す、不思議な能力の殺し屋 昼の遊びと夜の精神破壊の対比や、めくるめく謎に不安感が膨張するのだ〜
奇才・せきしろと作家ブレイク前夜の又吉直樹による自由律俳句集「カキフライが無いなら来なかった」で心を緩めるのだ おもしろツイート集のようでいて、読み飛ばせないフックを秘めたハイセンスな短文の数々は、笑いと悲哀の比率が絶妙! 簡単に読めつつもゆっくりよく噛んで味わいたい一冊なのだ〜
スレイヤーズの「あとがきで作者とキャラが対話」は90年代オタク文化の徒花として取り上げられるが、 ブギーポップの「あとがきで自己対話&洋楽BGM」もなかなか……なかなかなのだ(大好きだが)
今読んでる本、「踊る大捜査線」への当たりが強すぎて笑うのだww
【アライさん的・2分で読める奇妙な日本文学掌編3選】 くさびら/泉鏡花 畳から生えてきたきのこに敗北するエッセイ。鏡花なので妙に怖い 水草/久生十蘭 陰鬱な語りが光る2分間ミステリ。十蘭なのででたらめに巧い 桜の木の下には/梶井基次郎 衝撃の狂人マニフェスト。梶井なので煽情的でエモい
一部で話題沸騰中の「ピクセル百景」買ったのだ! 国内外のトップクリエイターによる、オリジナルのドット絵を集めた作品集。論考やインタビューも超充実、レトロゲームの文脈に留まらないドット絵アートの今が掴み取れるのだ どの絵にも、手仕事の粋と2Dへの憧憬が詰まっていて、胸が熱くなるのだ〜
いま読んでる本すごく面白くて人類学の名著だと思うのだが……みんなタイトルと著者の字面以外に注目してくれるだろうか……
2006年刊行のオタク用語辞典見かけたのだが、破壊力……
日本純文学史上最大の奇書「別れる理由」が復刊してるのだ 家族小説のはずが延々続く乱交ミュージカル!馬に変身してトロイア戦争を論じる主人公!作者が出てきて原稿が間に合わんとぼやき主人公に説教される超展開! 千野帽子氏曰く「ある意味奇跡のようなコンテンツ事故」見届けるしかないのだ〜w
からすのパンやさんが多角経営に乗り出してたの、知らなかったのだ……
【アライさん流 積ん読対策】 ・読みたい本リストを作る ("とりあえず"で買わない) ・一度に買う本や借りる本は、今どうしても読みたい1冊! ・冊数をモチベにしない (難しい本を避けがちになる) ・軽い本(外出用)とじっくり本(自宅用)を併読する ・たまにはルールを思いきり破る(古書店巡りなど)
青空文庫で始めるエログロナンセンスは『悪魔の舌』がおすすめ 夭逝の天才画家・村山槐多が(多分)10代で書き上げたとされる怪奇譚。自殺した友人が遺した手記より明かされる忌まわしき性癖の顛末は 20分ほどで読める短さながら異様な迫力!悪魔的筆致に呑まれる至高の一篇。絵と併せてぜひなのだ〜 twitter.com/SF70687131/sta…
「ブラックロッド」はアライさんが一番好きなラノベなのだ 仏教×オカルト×サイバーパンクな唯一無二の世界観と、渋く乾いたハードボイルド。3部作で魅せる異形都市の完全なる創造と破壊は、ブレードランナーを超える衝撃なのだ! 作者の古橋秀之は著作だいたい捻りの効いた奇書で全部おすすめなのだw
人類はそろそろ「ヌシ」と向き合うべきフェイズなのだ 奥地に棲み、ときに霊力を宿す怪物的存在、主。夜刀神を起点に伝承文学を周遊しつつ、水木しげるや特撮モノ、果てはヌシとの暮らし方や成り方までを説いたヌシ本決定版 妖怪とも神ともズレる概念の妙は民俗学好きほど唸るはず!良い本なのだ〜
外出を封じられ、SNSも灰色の重苦しさが漂う苦しい時世ですが、 こういう状況こそ、一冊の本や、好きなものの話をするときのバイブスが、小さな救いになるのではないかと信じています。 アレな本ばかりで恐縮ですが、引き続きたくさんの作品と話題を提供できたらと思います。 なのだ(^^)
か…完全な真空文庫版〜〜〜〜!!!(2020年最大の喜び)
「くじら屋敷のたそがれ」佳かったのだ 懊悩する者が向かう奇妙な島と屋敷。水上二足歩行者を目指す妻、尻尾のない猫、たま子、むかしとかげ、死者の時間を計る時計… 男/女、人/猫、今/昔が融解した奇妙な詩的物語は、さいはての感覚と祈りの余韻だけを残す幻のよう。ことばで創られた箱庭なのだ〜
虚無への供物の中井英夫は「とらんぷ譚」も凄いのだ ♠︎♣︎❤︎♦︎の1〜13とjokerに擬えた54篇の短編集。特殊妄想が集う精神病院、謎めくサロンの夜会、人ならぬ精神の独白、過ぎる時代と3姉妹…圧倒的な怪奇幻想から匂い立つ薔薇の香しさたるや! 磨き抜かれた言葉のカードマジックに酔うのだ〜
谷崎潤一郎「金色の死」は履修必須の暗黒教養なのだ 文学を志しながらも肉体美に憑かれた富豪の級友。彼が全財産を賭けて築いた"芸術"とは 乱歩のパノラマ島綺譚に影響を与え、三島に深く言及されつつも、著者が全集収録を拒んだ曰く付きの逸品。華美の裏側にダミーの悲哀。青空文庫でも読めるのだ〜