キングやクトゥルーの人気を背にクライヴ・パーカーをそっと掘り起こしたいのだ 異形の殺戮者共が蠢く異次元の街・ミディアンを描いた「死都伝説」は、ギラギラした80'sホラーの愉しさたっぷり、血と恐怖に彩られた味付けの濃い暗黒幻想がイカすのだ 映画化作品「ミディアン」もどぎつい傑作なのだ〜
本に線引きたいけどどうしても抵抗あって電子書籍にしがちだったから、このふせんマーカーいいかもしれないのだ……
「野又穫 Continuum 想像の語彙」凄すぎたのだ…… アンビルド、空想建築好きに突き刺さる、世界の関節が外れてしまったような、AIがエラーを起こしながら文明をなぞっているような、奇妙で寂しい建築物の数々。そして人を呑む圧倒的な巨視感(まず絵がでかい!) 影響源にはイーノの名も。図録必買!
隠れた危険書「アムネジア」がkindle化してたのだ 男の不審死と闇金融の繋がりを巡るサスペンスはしかし、奇妙な機械の登場から混濁を始める 破綻した現実/嘘をつく記憶。実存不安度3000倍の語りに、暴力すら呪術に視えてくる。 lain好きにもお薦めの出口なき迷宮幻想。この魔書は人を"呑む"のだ──
ユングが遺した伝説の本『赤の書』がお値段42000円で買えるのだ ペルソナが登場する元型論や夢分析でおなじみ精神医学の父だが、晩年は降霊会、UFO研究、錬金術にハマったアレな人w彼が16年間つけ続けた日記は、自身の幻覚体験を含む強烈な幻視! ちなみに黒の書もあるのだ~。多分ニーアの元ネタ!
『本を書く』、奇妙な本じゃないが超絶良かったので紹介させてのだ 余りにも瑞々しい美文で綴られる、静謐な自然生活エッセイと暗喩めいた小話、そして厳しくも痛快な教訓 作家の精神論に意味あるのかなと思ってたが、読む毎に周囲の音が消えて、書くことへの祈りに満ちていく奇跡の書。物書き必読!
ショーン・タンの裏名作「鳥の王さま」に惚れ込むのだ 見よこのわくわく設定資料感!多彩なテクスチャ使いが持ち味の氏だが、温かい鉛筆きやラフな油絵で真価を放つ”かたち”の妙味、名もなき不思議生物達のかわいらしさときたら! 創作意欲刺激しまくりの傍置き必須本。贈り物にも是非なのだ〜(^^)
哲学書に突然のシュブ=二グラスw
「カンタン刑」は孤高のグロ鬼畜作家、式貴士を堪能できる名品なのだ 殺人犯が死刑にしてくれと泣き叫ぶ究極の刑罰(ゴ○ブリ独房とか…)、全ての水が血液となった世界、首だけで生きる夫婦…突き抜けた残酷さがときにギャグ、ときにSFと趣を変えながら詩情すら湛える不思議 平山夢明も絶賛なのだ〜
「ペルディード・ストリート・ステーション」は高密度都市SFなのだ 蒸気機関と魔術が栄え、巨大駅の下、人と亜人が暮らす暗黒都市。奇妙な依頼を受けた科学者と謎の幼虫… 偏執狂的ディティールで描かれる怪奇スチームパンクな都市描写と、超次元蜘蛛、魔術改造人間などカオスな空気が最高なのだ〜!
「ウイスキー奇譚集」は密かに愛したいベルギー幻想文学なのだ ウイスキーを主題にとろりとした酩酊の間隙に忍び寄る死者を描く掌篇集と、霧深い英国的怪談集の2本立て。クラシックな怪奇幻想が酒毒に冒されて、気持ちよく酔える恐怖に醸造されているのだ 少しずつ舐めるように読みたい佳作なのだ〜
怪奇本ていつの時代も人気だが、澁澤龍彦や穂村季弘も魅了した『突飛なるものの歴史』は別格なのだ 見よこの妖気漂う紙面!幻獣や奇想絵画が並ぶシブサワ風の前半、交感性エスカルゴ、七色のおならを鳴らす男など俗悪サーカスな後半、ともに激ヤバ! 1項目が短く読み易いのも◎。創作ネタにも是非〜
終始オタクしながら愉快に教えてるのに、たまに飛び出すプロ作家の矜恃がめちゃくちゃかっこよくて、抱いて!となる名著なので是非なのだw
『紙の民』は奇書版百年の孤独と言いたい静かなる傑作 紙でできた登場人物たちと、上空から見下ろす土星(=作者)との戦争を軸に、無数のメタを内包した短いパラグラフが降り積もる幻想年代史 トリッキーなタイポグラフィが最高!難解すぎず上品な余韻を残す「ちゃんと面白い本」なので、寝物語にも👍
栄養バランスが不安なひとは「世界魚類神話」で魚も補うのだ 各地の水性生物に纏わる神話をウナギやサケに至るまで広く蒐集。民俗誌、文学、俳句、民謡に登場する魚も網羅した、活(きのいい)字の水族館。図版もふんだんに海の神性が読み解けるのだ シリーズに世界昆虫神話や世界植物神話もあるのだ〜
幻の中国幻想文学「黄泥街」が復刊してるのだ! 降り続ける黒灰。溢れる塵芥。食物は腐り犬猫は気が狂う夢幻の街・黄泥街で、「王子光」という謎の言葉が囁かれてから、奇妙な事件と崩壊が始まる… 汚穢に塗れた幻想と、意味の網目をすり抜けて虚ろにゆらめく文体が蠱惑的な、美しい混沌文学なのだ〜
佐藤春夫門下にして26歳で夭逝した幻の作家、富之澤麟太郎がKindle「木馬の馭者」で読めるのだ 映画的灰色の大正時代に、新感覚派の神経症めいた自意識が落とす影。死と詩の匂いに混じるポオの気配 月下のドッペルゲンガー「せれなあど」幻想的混濁「あめんちあ」等隠れた名品揃い!台詞も佳いのだ〜
「獣儀式」は平山夢明もひれ伏す禁断のグロ文学なのだ 現世に溢れた鬼の群れが殺戮の限りを尽くす(だけ)の小説。人間串刺し、四肢破壊、人間農場、陵辱、虫…突き抜けた残虐性の暴風雨はもはやギャグかSF。虚ろな笑いが溢れるのだ アライさん残酷なやつ苦手なのだが、忘れさせてくれない作品なのだ〜
「失われたいくつかの物の目録」面白かったのだ! 地震で沈んだツアナキ島、マニ教の七経典、隠者が記した70冊の百科事典…読む博物館としての魅力もたっぷりに、静かな喪失のノスタルジーを込めて語られる幻想的なテキストは、まるで現代のボルヘス 各章短めで寝物語にも最適、装丁も素敵なのだ〜
『夏のルール』で特殊な思い出を作るのだ 去年の夏、ぼくが学んだこと。ガラス瓶を落っことさないこと。裏のドアを開けっぱなしたまま寝ないこと。せっかくの計画を台無しにしないこと── 小さい人と大きい人に捧ぐ、ショーン・タン史上最高にドリーミーでノスタルジックな兄弟奇景巡り。絶品!
雨の夜、本の中に引き篭もるなら『ワルプルギスの夜』を開くのだ 錬金術の秘密が暗喩されている様な奇妙に張り詰めた神秘小説群。眠るたび姿を変える夢遊病者を描く表題作、狂熱の心霊世界「白いドミニコ僧」の2中編が軸 浮かび上がるテーマは円環。ゆらめく洋燈に脳が痺れるような読書体験なのだ〜
「ヘリオガバルスあるいは戴冠せるアナーキスト」は強烈な奇書なのだ 14歳で戴冠しローマ最凶の君主と呼ばれた美少年皇帝の退廃を、分裂病の哲学詩人アルトーが熱病の如き筆致で論ずる畸形のテクスト 両性具有、神性と淫蕩…あらゆる残虐行為の中に表出する二面性が、血の海で妖しく輝いているのだ〜
「魔導書ソロモン王の鍵」はロングセラーの黒魔術入門書なのだ 著者は鏡リュウジの変名。黄金の夜明け団やゲーティアとは違うが、現代風に代替しつつソリッドに纏まった黒魔術概論、72体の悪魔召喚術、付録に魔法円までついた実践的内容 君の本気を応援するグリモワール。地味に売れ続けてるのだ〜!
「X雨」は角川ホラー随一の怪作なのだ 自殺を目撃した日から少年達だけに降る幻の雨の物語は、ホラー、ジュヴナイル、RPG、ミステリと趣を変えながら、疑惑の語り手と反転を重ねる虚実によって霧中に溶けるのだ 思春期の暗黒も強烈な、破綻すれすれのプロットが放つ異形の引力。kindle版もあるのだ〜