自由国民社が70〜80年代に纏めた奇書カタログが熱いのだ! 何と言ってもおすすめは「世界の奇書101冊」 死海写本や魔女への鉄槌、トリストラムシャンディまで、データぎっちりのストイックな誌面。悪魔学などの項も充実してるのだ ちなみに日本は艶本多め、東洋は宗教説話+怪異艶笑て感じなのだ〜
「ラピッドコミューターアンダーグラウンド」は、サラリーマンが地下鉄東西線の通勤車内で描き上げた怪作なのだ 車両に乗り込む象、列車BARでの会話、謎の街…建築デッサン風の描線と海外ヴィンテージ雑誌のような彩色で描かれる地下鉄幻想は、ミニシアター的没入感 バンドデシネ好きも是非なのだ〜
伝説のミステリ「秘文字」は、全編暗号で書かれた読めない推理小説なのだw 泡坂、中井、日影の暗号に挑み、読者カードを送ると解答が、解読するとサインが貰えたという野心的試みの奇書。後に出た軽装版は解答付き(但し糊付けで封印)らしいのだ アライさんこれ持ってなくてめちゃくちゃ欲しいのだ〜
うわあ……!10月15日に、新本格ミステリ奇書中の奇書「夏と冬の奏鳴曲」が新装改訂版で講談社文庫から復刊するらしいのだ!! これ、ネタバレせずにレビューできないので取り上げてないが本当に呆然……壁にぶん投げて、5年後そっと拾って抱きしめたくなる迷作なのでぜひなのだ……w
今日は乱歩の命日、石榴忌。怪作「電人M」で偲ぶのだ 東京各所に出没する火星人&メカ!月世界テーマパーク!密室消失!そして禁断の研究"遠藤粒子"!怪ロボットに挑む名探偵の運命や如何に! トリック?細えこたぁいいんだよと開き直ったケレン味爆発怪奇SFw 挿絵が最高なポプラ社版で是非なのだ〜
現代人に不足しがちなエログロナンセンスを効率よく吸収するには、昨年再編された「江戸川乱歩 幻想と猟奇の世界」で、多賀新の銅版画に触れるのがベストなのだ! 春陽堂・江戸川乱歩文庫の表紙を彩った銅版画が結集。幻魔怪奇の向こうにどこか聖性すら感じる暗黒世界が、夜の夢をまことにするのだ〜
「奇偶」は"第五の奇書"に推す声も多い問題作なのだ 物語の過半は、数学、哲学、心理学、宗教学などから"偶然"なるものの本質に迫る果てなき談義。 同じ目が出続ける骰子、作家の周りで起こる奇妙な偶然の数々は、易経を軸とする新興宗教と密室殺人に収束するのだ 世界がぐらつく感覚を味わうのだ〜
瀬戸内寂聴の恋人でもあった小田仁二郎の「触手」が奇書いのだ 見よ、この柔肌の上をうねり這い回るような文体!強迫的にしつこい描写でねっとり語られるフェチズムの物語は、異様な皮膚感覚と祝詞の如き陶酔感を伴って、奇妙なラストへと誘うのだ 他作品もかなり独特、悔しい!でも読んじゃうのだ〜
パロル舎版の『冥途』こそ貴方のソウル冥途なのだ ご存じ夏目漱石門下・内田百閒が著した薄闇の夢文学を彩る、不気味で物哀しい版画の数々。グラフィックノベル風の構成で、海外の方や読書嫌いを幻想沼へ突き落とすのにも最適のコレクターズアイテム 『猫町』『夢十夜』も出てるのでコンプするのだ〜
お客さんっていうか、盗撮で捕まえたおじさんに「今日は娘の卒業式後で、家族で来ているんです!どうか見逃してください!」って土下座されたことあるのだ……けっきょく警察呼んで地獄…… #接客業であったすごい客
今年読んだ本ベストは『ゼウスガーデン衰亡史』なのだ(刊行は87年) 下高井戸の弱小遊園地が巨大帝国都市に発展する様を描く、驚異の遊園地+架空都市+偽史小説!鮫入りプール独立、元老院設立、自殺アトラクション…奇天烈すぎる年代記は奇人だらけの銀英伝状態 SFまで到達して破滅する最期も最高!
有名作品で恐縮だが渦中のウクライナが舞台の本は『ペンギンの憂鬱』を推すのだ 売れない作家&鬱病のペンギンの主人公コンビを始めミニシアター映画風のときめき登場人物。楽しくも不穏でぽっかり空虚な読み味、衝撃のラスト 風刺的な物語の隙間をぺたぺた歩き回るペンギンが激かわ!春樹好きにも~
kindleセール中の写真集「バイコヌール宇宙基地の廃墟」良かったのだ! 旧ソでただ一度の打ち上げを経て打ち切りとなった幻の宇宙開発計画"ブラン計画"。その舞台となった建築物の廃墟は、ロケット、メガストラクチャー、工場ファンにも垂涎の景観 未来と過去が等しく凍りついた風景に息を飲むのだ〜
祝復活!飛鳥部勝則「黒と愛」はぶっ飛びゴシック啓典なのだ 心霊が巣食う奇傾城で起きた首なし殺人。背後に蠢く製薬会社、人外の影。鍵は黒尽くめの美少女。「鋏は好きですか──」 登場人物全員怪人&狂人!超展開に次ぐ超展開!血塗れた果ての美しいラスト!10人中1人には突き刺さる怪作なのだ〜
ドロヘドロ原画展ヤバかったのだ……!
古書相場で高価取引され、限られた者だけがそのことばを心の屋根裏部屋にそっと仕舞い込んでいた孤高の詩人『左川ちか全集』がついに刊行されたのだ! 若干24才で夭逝した女流詩人が遺す、死と病の影差す昏く美しい詩の数々は伝説の名に恥じない衝撃 書簡や散文がまた極上!出版史に残る偉業なのだ〜
ベイカーやミルハウザーなど変な本ばかり翻訳している岸本佐知子氏は、エッセイ「気になる部分」も最高なのだ! 言葉への偏執狂的こだわりとナチュラルな奇想を滲ませながら綴られる日常は、まるで異次元さくらももこ 幼少期の妄想からOL時代の失敗談まで奇妙な味付けで供される、爆笑の逸品なのだ〜
次世代ラノベ奇書には『おにぎりスタッバー』を推すのだ 改行だらけのなろう系を嘲笑うかのごとくギッチギチに詰まった思考垂れ流し文体(でも超読み易い)!人を選びそうな粗筋から二転三転、きっちり伝奇&しっかり青春、鮮やかなラストに落とす謎の剛腕! 西尾維新以来の文体魔術師なのだ〜(なのか)
「テルリア」はぶっ飛んだロシア文学なのだ 中世的な未来、散文詩文童話手紙日記と多様な形式で、巨人小人獣人十字軍パワードスーツが目まぐるしく登場する物語のジグソーパズル。キーワードは、脳に打ち込むと力が得られるやべえ釘・テルル ソローキンは説明が困難だが、どうかしてて面白いのだ〜w
同人でも紹介したが「本田鹿の子の本棚」は近年最強の怪作なのだ 年頃の娘の本棚を盗み見るパパ、しかし並ぶのは狂った本ばかり。男塾×デスゲーム、キン肉マン×密室殺人、バトル耳なし芳一…圧倒的画力で使い捨てるパロディと、異次元のエログロナンセンスに発狂必至 胃もたれするほどの奇想なのだ〜
アルスラーン戦記や銀英伝が次々コミック化されている今日この頃、『皇国の守護者』コミック版がいかに素晴らしかったかをいま一度思い出したいのだ……
「迷宮1000」読んだのだ! 千階建の巨大建造物で目を覚ました記憶喪失の探偵は、謎めいた館の支配者ミューラーを追う… 1920年代作ながら、乾いたハードファンタジーの空気はWIZを、魅力的なSF設定はBLAME!を、悪徳と欲望渦巻く街はボトムズを思わせるクールな逸品。1001から始まる頁数も粋なのだ〜
こ、『孤島の鬼』紅茶……
ブックデザインは牛若丸出版が面白いのだ! アライさんの手に取った「ZERRO」は、宇宙文字やフリーメイソン暗号をライトに纏めた暗号符号カタログ。ポップな表紙にも暗号が施されてるのだ 他にも2001年宇宙の旅のモノリスと同じ比率の雑学本、600頁じゃばら本など、わくわくのオブジェ本が揃うのだ〜
時は来た!最後にして最恐の怪談師『煙鳥怪奇録』刊行なのだ 猿を撃てないマタギの韜晦、"干からびたソープ嬢"を巡る千切れたルポ、奇妙な回廊古民家の怪─秘蔵の煙鳥怪談に、吉田悠軌&高田広太が文体の呪をかけ再構築 拭いきれぬ不条理が醸すリアリティはマニアほど唸るはず!特に家モノは激ヤバ!