226
ここの授業での話だと、米国で個の能力が高い「俺が俺が」的カリスマが厚遇されたのは一昔前で、リーマン後は持てはやされる対象が協調性が高いチームプレイヤーに変わり、直近は過剰にアピールしない謙虚さが良しとされつつあるらしく、かつての米国像に基づく議論は昨今もはや無理だ。
227
残念ながら周囲で日本が話題の中心に出ることは全然ないが、観光地としての魅力は異常に高いようで、学校では日本行き旅行企画など常に大人気で人が殺到し、コロナ後行きたい旅行先No.1は日本だ、早く入国させろと皆がお世辞抜きに言うほどであり、日本は潔く観光に特化した方が輝くのかもしれない。
228
渡米当初は素朴に「米国で子育てしたい」と話していたが、一部の米国人に「ありえない。銃で子に命の危険があるし差別も酷く医療制度も崩壊気味で教育費は家が買えるほど高い。カナダでやれ」などと言われ、きっと留学や駐在で短期的に見る米国と永住者にとっての米国は全然違うのだろうなと思った。
229
昔、ここの近辺の企業に勤める日本の友人何人かとの飲み会で給料の話になり、こっそり教えてくれたのだけど、その金額がおそらく日本企業の同等の職の3-5倍はあるんじゃないかという高額で、これでは優秀な人材の国外流出はもはや避けようがないなと思った。
230
ここではTOEICは叩かれがちだが、周囲では850点超の人の多くはその後勉強を重ね上位大学院に留学しており、基礎や英語への熱意を測る指標として優れていて、しかも大多数の日本人より英語ができる証左でもあり、過去私が採用担当だった時は重視したので、高得点者は変に斜に構えず普通に誇ればよい。
231
都心の一等地の新築マンションを見ていると、最近は2億円未満までの値付けならすぐに売れてしまうのだが、なんでも共働き会社員がペアローンで夫婦各自1億円程度までフルに借金して買う例が多いらしく、弁護士的には、色々なリスクをしっかりと勘案した上での決断なのか少し心配になる。
232
ここの起業家が、「起業の成功には苦労が必須というがこれは嘘で、ここで成功した起業家を分析すると家が裕福だったり失敗でもノーダメージな経歴が多く、起業後も大波乱なく成功に至る例が多数あり、この地の起業家の苦労話は大衆受け狙いの誇張や嘘ばかりだ」などと言っていて複雑な気分になった。
233
米国では学歴フィルターはさも当然のように様々な場所に存在しており、しかも修士以上がほぼ必須の職も多く、最難関大の学部を出て経歴もピカピカの知人が米国で転職を希望した際に、学部卒との理由でそもそも応募すら出来なかった例もあり、日本社会の方が随分と学歴に関しては寛容だと感じる。
234
今開催中のKindle本50%ポイント還元セールが大豊作だったので思わずnoteに対象の良ビジネス書をまとめてしまいました。
セール対象は『ビジョナリーカンパニーZERO』『プロダクトレッドグロース』『実践スタートアップ・ファイナンス』等新刊も多く、大盤振る舞いしすぎです。note.com/hiroshi9985767…
235
スタンフォードMBAでは「お金よりも情熱」と繰り返し教わるので、在学中は皆感化され情熱を持って起業を試みるが、途中でPEファンドから初任給平均4200万円・内定受諾の一時金平均480万円の就職条件を提示され、なんだかんだ目先のお金が情熱に勝るのか、結局卒業時の最多の進路はPEファンドである。
236
ここで米同級生達から学んで分かったことは、「官僚主義、会議ばかり、意思決定遅い、業務効率悪い、デジタル化してない」等の日本の大企業の問題点は、多くの米大企業でも共通であり、我々はGAFA等の世界的にも非常に希な例外ばかりに着目して「日本企業は周回遅れだ」等と批判しがちだということ。
237
米MBAの座学系の授業内容の多くは、正直今は日本語訳済みの良質な本で自宅で学べるので、MBA留学の価値は座学以外の授業やこうした同級生等からの実体験を通じた学びだと思います。
なお、座学系は、以下にまとめたビジネス書などが今50%オフセール中で大変お勧めです。
twitter.com/Hiroshi9985767…
238
MBAの人達が「PMFが...TAMが...」と小難しい横文字を並べて延々議論している一方で、周囲ではそんなのを全部すっ飛ばして「まずタピオカ屋を作る!次はマスク屋!最後はPCR検査場!」と儲かる事業を野生の勘でかぎ分け矢継ぎ早に展開して巨財をなす人達がいて、結局こういう人達には全然かなわない。
239
この学校の最近の日本人入学者を見ると、ハーバード卒ゴールドマンサックス本社勤務のような世界的な経歴の人が顕著に増加しており、でもそういう人の存在は日本国内では全然知られておらず、我々が「最近の日本の若者は...」等と憂いているのは、単に若者の全体像が見えていないだけかもしれない。
240
昨日ハーバードが大学受験の際にSAT等の共通テストをコロナ禍を超えて今後4年間も要求しないことを決定したそうで、スタンフォードも同様の議論が内部で強く、大学受験すら筆記試験要素の完全廃止の流れが強まりつつあり、日本と正反対に、筆記試験は選抜手段としてとにかく全然信用されていない。
241
渡米当初は日本車ばかり走る米国を見て「日本のモノづくりは流石だ」等と思ったが、徐々に、家電を買いに行ってもどこに行っても、車以外はほぼ日本製品がないことに気づいたし、周囲では家電などサムスン等が安く高耐久で高性能な地位を確立しており、もはや日本に残された牙城は車くらいなのか。
242
昔授業で教わった、
「米国人は否定的フィードバックをやたら遠回しにしか言わないので、それを知らない外国人は、人事面談等で米国人と話すと『俺、滅茶苦茶評価良いな』とすぐ調子に乗るが、実はそれは単なる貴方の誤解で、真の評価はボロボロかもしれない」
というのは多方面で役立つ知識だった。
243
なお、この種の話はINSEADの教授の下記の本に沢山書いてあったはずなので、私のようにわざわざ高い学費を払ってMBAで学ばなくてもこの本を読めばほとんど学べてしまいます。。
今日ではMBAの授業の知識は多くがそこで教える教授達によって書籍化されつつあります。
amzn.to/3zg3jJN
244
@CapCap65685 特に、米国の洗練されたビジネス界隈では、否定的意見を言う前に最低三つ肯定せよといったビジネスマナーがありますよね。しかもその後に続く否定的意見も行間を読まなければ分からない言い方が多いので、渡米当初は注意しないと全然ニュアンスが分からず困りました。
245
ここのビジネススクールには毎年、お金には全然関心がなくNPO等に就職する学生が一定数いるのだが、卒業生データを見ると、そうしたNPO等での新卒初任給は他業種より随分低いとはいえ平均年1200万円くらいらしく、年収1000万円で世間的に高所得とされる国から来た身としては複雑な気分になる。
246
ここで学んで良かったことは、米国でも人々は「馬鹿だと思われたくないから発言は控えよう」と考えがちだし、「みんなやってるから私もやろう」とすぐ思うし、残業やストレスで自殺する若者も社会問題化するほど大勢いること等が分かり、変に米国を神格化したり特別扱いすることがなくなったこと。
247
かつて「英語ネイティブは『How are you?』やら『I'm fine thank you』やら『Long time no see』なんて使わない」といった言説を真に受けて渡米したが、使う人は普通にごまんといたので、巷の「ネイティブはxxなんて使わない」的な話は基本的に主語が大きすぎて聞くに値しないと思っておくとよい。
248
一部例外を除き、米国の同級生達は皆何不自由のない家庭の出で、そうした人達ばかりがゴールドマンサックス等に就職し上位MBAに来て卒業後はPEなり起業なりでエリート人脈をフル活用し大成功して富を増幅する流れに乗っており、階層固定化が甚だしく、もはやアメリカンドリームはどこかに消え去った。
249
MBA留学をして、総合的には人生を変える経験が沢山できて大満足なのですが、授業そのものについては、世界有数の教授陣と学生が揃い非常に高品質の授業を行うスタンフォードでさえも、一部の神がかった授業を除き、私の感想は「わざわざMBAに3000万円払わずとも市販の本にだいたい書いてある」です。
250
過去にこのnoteにまとめたような各ビジネス書を丁寧に読んでおけばだいたいMBAの知識は身についてしまうと思います(※セールは終了済)。
有名ビジネススクールの教授がノウハウをそのまま包み隠さず書籍にしたりしているので。
note.com/hiroshi9985767…