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あるIT企業のCEOが授業で、「私は24時間365日働くエリート大院卒の奴しか採用しない。子育てしたい?テレワーク?ワークライフバランス?グーグルにでも入れ」等と公言し、今の時代に大丈夫かこの会社と思ったのだが、実際は爆発的成長を重ね学生人気も著しく高く、ここまで極端だと逆に評価される。
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スタンフォードロースクールの同級生に真っピンクな髪のアジア系女子学生がいて、でも大手法律事務所のパートナーがいるような場でも誰も気にしないどころか周りに違和感なく自然に溶け込んでいて、彼女はそのまま普通に米大手法律事務所に就職していき、私は米国の多様性を肌で感じた。
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@xconsulkuririn あ、間違えた、スタンフォード的には世帯年収1650万円以下だとその世帯は経済的困窮扱いでした。
学部生だとその世帯年収以下なら学費が無料のようです(留学生はわかりません)。
他方ビジネススクールはお金が有り余ってるので留学生にも同じように適用があります。
financialaid.stanford.edu/undergrad/how/…
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ここの学費は年850万円もするが、これには裏があり、満額払うのは企業派遣生で、他学生には潤沢な寄付金と運用益で年収1300万円以下の経済困窮や家庭事情に応じて最大ほぼ学費全額の給付金がばら撒かれ、卒業後の進路次第でローンも全免となり、実は皆の経済的負担は少なく、学校が裕福なのは重要だ。
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ここの授業では面識ゼロの相手にもメール等で突然連絡して色々お願いするのが奨励されていて、「返事がなくてもどうせ元々面識がないのだから何も失わない」等と教えられており、この精神で学生が大物CEOやらにメールしまくるのだが、割と返事がありその後に繋がっていて、図々しさは重要なスキルだ。
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行動経済学界隈は最近色々と不穏なのだが、最近授業に来た某世界的大組織のトップも、ある行動経済学の主要なセオリーを「入念に検証したがうちの実務では全く妥当しなかった」と真っ向から否定し、私は2年間一体何を学んできたのかという気分になっている。
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この大学ではコロナ簡易検査キットが無料で無限に供給され、学生はセルフで24時間365日いつでも1分足らずで検査可能かつウェブで結果が迅速に分かるので、少しでも体調が悪いと簡単に検査ができることもあり、感染蔓延下の米国にありながら感染者はかなり少なく、基本以前同様の日常に戻った。凄い。
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授業で「威厳が出る振る舞い」を練習している。驚くほど効果があってお勧め。以下をやるだけ。
低い声
早口厳禁
顎を上げる
常時目を見る
髪や首を触らない
即答せず1.5秒後に返答
相手の発言に頷く等の反応を抑える
自分の発言への相手の反応を確認しない
相手のパーソナルスペースに自ら踏み込む
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周囲を見ると、海外のトップ大学院に留学している人の中には、仕事は全然できないものの留学のためだけに全労力を割き、内部の評価が最悪だったりする人もいるので、例えば弁護士から何かとち狂ってスタンフォードMBAに留学中の者などは特に疑わしく、決して無条件に優れた人だと思ってはいけない。
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@fushiroyama 私のツイートについてもそうですが、こういうのって仮に真実でも絶対にソースが出てこないので常に真偽不明ですよね。ただベイエリアの現状からして「ああ、確かに言われてみればなるほどね」と思ってしまいます。
(私のツイートも、会話の状況的に、ベイエリアのことを主に念頭に置いたものです。)
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昔教授宅で夕食を頂いた時に「何で米国は鉄道が発達しないんですかね?」と素朴に聞いたら、一呼吸おいて「しないんじゃない。させないんだ。鉄道は貧しい人が使う。便利な鉄道網があると郊外の裕福な街にも貧しい人がこれるようになる。これを嫌がる人がいるんだ」等と言っていて、米国は闇が深い。
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以前米国人の同級生が、「近年の米国は人々が学校や仕事のストレスで潰れていき自殺率はうなぎ上りで、出世に響くから休暇も簡単には取れず休暇中も仕事で、シニア世代と若者の断絶が進み、経済は豊かになっても心は貧しくなる一方だ」等と嘆いていて、どこの極東の島国の話をしているのかと思った。
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昔興味本位で転職エージェントと結構話していたのだが、ある国内企業系エージェントに、MBA取得は転職で特段価値はなく評価もされないと断言されてしまい、その直前に話した外資系エージェントの発言と180度違っていて唖然とすると共に、なぜ卒業生達が一人も日本企業を選ばないのか理由が分かった。
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この学校で出会った卓越した人達を見ていると、キャリアを重ねる度に「仕事→大学院→仕事→大学院」のような形で定期的に大学院に再入学したり院の単科講座を集中受講したりして学び直しをしており、「大卒→仕事→仕事→仕事...」と大卒後仕事一直線の日本型の働き方と全く異なっていて興味深い。
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少しお年を召した方に「海外の大学院に留学している」という話をすると、ああ希望するだけで会社のお金で誰でも簡単にいけるやつね、周りはみんなハーバードやら行ってたわ、などと仰ることがあって、グローバル化が叫ばれる今日よりも昔のほうが日本人はよっぽど外に開けていたのかもしれない。
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ここの人気授業では「仕事では根回しが重要」「アフター5で交流を深めるのが大切」「婉曲的な表現を駆使し、相手を傷つけないようにしよう」などと教わり、米国の学生達はフンフンなるほどと聞き入っているが、一歩引いて冷静に考えると、これらは日本の伝統的企業で嫌というほど学べることだった。
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スタンフォードロー時代の友人が米国の大手法律事務所で働いているが、とにかく大量に採用するため若手人材のブレが著しいらしく、友人のチームにいた新人は年収2,000万円を貰いながらも「エクセルのパスワードの付け方が分からない」と時間単価10万円のパートナーに質問していた。
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米国のこの周辺は横断歩道前に人がいると必ず車が停止し運転手が「先にどうぞ」とにこやかに促してくれるのだが、日本ではこの経験が全然ないなと思って調べてみたら、日本で歩行者のいる横断歩道前の車の停止率はたった21%らしく、なぜこんなに公然と道交法違反が常態化しているのか唖然とする。
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金融弁護士だった身からすると、金融は「法律よく分からないけどまぁOKだろ」的精神が最も通じない場だと痛感しているので、有名垢を含め公然とSNSで違法な投資助言や個人間融資等を行っている現状は「貴方今に当局に刺されるよ」と冷ややかに見ているし、心当たりがある方はすぐ手を引いた方が良い。
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ここの授業で特に良かったのは、心理学の教授の「過去は変えられる」との話で、人の記憶の中の過去は客観的事実ではなく現在の自分の心境に合うよう都合良く改変されているらしく、今の気の持ちようを変えると過去も別の切り取られ方をされて全く別モノに変わるので、過去に悩むなら現在を変えよう。
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プレゼンの授業ではスライド作成も随分特訓するのだが、その道のプロの教授がこれまたプロのマッキンゼー等出身のMBA生達の前で強調していたのは、「聴衆次第でスライド内の適切な情報量はほぼゼロから大量詰め込み型まで分かれるので、まずはとにかく誰が聴衆かの見極めに細心の注意を払え」だった。
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授業で出た話だが、子持ちの親が子供と過ごしている時、その瞬間の感情は「疲れた」等と結構ネガティブなのに、後に振り返ってもらうと「あの時は幸せだった」と答えるそうで、瞬間的な苦楽はその後の中長期的な幸福度とは大きく異なるらしく、刹那的な都度の快楽よりも長く続く幸福感を追求したい。
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「千語で英会話はマスター」的な教材が大嫌いで全く信じていなかったのだが、ここではビジネスで成功した米国人はごく簡単な語彙のみで話すし、高度な語彙を使うと中学英語に矯正させられる授業もあるくらいなので、無闇に語彙力を広げるより千語程度の応用力を極めるのがむしろ良いのかもしれない。
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本校の米国人学生を見ていると、最近のここのMBAはゴールドマンサックスやマッキンゼーの人達が全てを仕事に捧げてきた生活を離れて2年間の合法的ゆとり期間を手に入れ、その間により豊かな人生を模索する場と化しており、「MBAでキャリアを一発大逆転!」のような話は基本的に存在しない。
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去年の本校卒業生はコロナ禍やロックダウンでの経済先行き不安が卒業前に直撃し、内定取消しや給与大減俸の噂を聞いていたのだけど、蓋を開けてみれば卒業後の平均初任給は前年から大躍進し史上最高の2,500万円超に達したらしく、たぶんコロナ禍は持てる者と持たざる者の格差を急加速させている。