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ラテン語は「死語である」と呼ばれますが、果たしてそうでしょうか。私を含め世界中のラティニストたちはラテン語でコミュニケーションをとっています。例えば昨日はフランスとドイツのラティニストと、先週はチェコ人とやりとりをしました。使う人がいる以上、ラテン語は死語でないと強調したいです。
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ドイツ語では(傷ついてる人を)さらに痛めつけることを、「傷口に塩を振る (Salz in die Wunde streuen)」といいます。日本語の「傷口に塩を塗る」と同じものを感じます。
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"Oxford"「オックスフォード」という地名の語源は、「牛(ox)が歩いて渡った浅瀬(ford)」です。
ちなみにトルコにある「ボスポラス海峡」のBosphorusの名前も古典ギリシャ語のboós「牛」とpóros「浅瀬」が合わさってできたもの(つまり"Oxford"と同じ語源)であるという説があります。
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物凄く便利なツールがあります。ある程度の長さの英語の文章を入力するとこのような図が表示され、各バブルは文中の各単語を表します。
横軸はその単語が初めて文献に現れた年、縦軸は現代での使用頻度、バブルの色は語源の言語、大きさは文章中の出現頻度を表しています。 …d-text-visualizer.oxfordlanguages.com
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暑いので、コンビニでアイスを買いました。これを作ってるフタバ食品(@FUTABA_SACRE)は私の地元の栃木県の会社なのです!夏に絶対おすすめです。
"sacré"はフランス語で「神聖な」という意味で、語源である同じ意味のラテン語sacerは英語sacred「神聖な」の語源でもあります。
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日本でCMのラテン語監修 #多分私しかやってない twitter.com/latina_sama/st…
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半日休みという意味の「半ドン」の「ドン」の語源は、オランダ語のzontag「日曜日」です。zontagは日本語に入って「日曜日」から「休日」や「祭日(博多どんたくなど)」を意味するようにもなりました。 twitter.com/Melody_Marilan…
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ニホンオオカミの学名Canis lupus hodophilaxは「イヌ属」+「オオカミ」+「道を守る者」という意味です。
これは、自身のテリトリーに入った人間の後ろを監視する様に付いて来る習性があったためです。
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「アテネ・フランセ」というフランス語学校がありますが、なんで「アテネ」?と思う人は多いはずです。
フランス語のアテネ(athénée)は「学院」という意味で、これはハドリアヌス帝が創設したギリシャの修辞学や文学の研究施設アテーナエウムが元です(語源はギリシャ語「アテナ神殿(Athḗnaion)」)。
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たべっ子どうぶつの英語をあなどるなかれ。見てみるとfurseal「オットセイ」、tapir「バク」、Mandarin duck「おしどり」など普段目にしない単語もけっこう混ざってて割とレベル高いのです。 #たべっ子どうぶつの日
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ラテン語はそれだけでも面白くフランス、イタリア、スペイン、ポルトガル語等の元であり英語等の語彙に影響を与えてたり、医学動物学植物学等でも分類にラテン語を使ってます。大学からラテン語の講義が消えることがないよう、私も試行錯誤してラテン語学習者を増やすための活動を続けたいと思います。 twitter.com/ivatius_sake/s…
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「戦争の最初の犠牲者は真実である」という言葉は度々アイスキュロスの言葉として紹介されますが、アイスキュロスの著作にそのような言葉はありません。言葉の内容が内容だけに、皮肉なものです。
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「ジーンズ」は英語"jean fustian"「ジェノヴァのファスティアン織り」の略なので、ジーンズの名前の由来はイタリアの「ジェノヴァ」です(ジェノヴァは英語でGenoa←中英語Gene←古フランス語Janne←中世ラテン語Janua)。
なので、「ジーンズ」とパスタの「ジェノベーゼ」は元が同じなのです。
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「プリン体」の「プリン」は、デザートのプリンではありません。
プリン(purin)は化学用語で、ラテン語の"purum"「純粋な」と、"uricum acidum"「尿酸」の前半の"uricum"を合わせて作られたものです。
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ひろゆきさんから以下のような返答をいただきました。ただ、これが反論なのか、同意なのか、補足なのか分かりかねる文章です。少なくともイギリスの貴族がフランス語を喋り始める前から英語は存在していたという認識は共有できたので、よかったのか(?)twitter.com/hirox246/statu…
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トレンドにも上がっているフェンシングの「エペ」はフランス語のépéeですが、これは元のラテン語spatha「広刃の長剣」から古フランス語espee「剣」を経て現在の形(épée)になっています。また、ラテン語spatha自体の語源は古典ギリシャ語σπάθη(spáthē)「剣の広刃」です。
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「外国語の本を原語で読まなくても、翻訳でいいじゃん」という声があります。もっともらしい意見ではありますが、世の中には優れた翻訳もあれば質の高くない翻訳もあり、自分が手に取った訳本の翻訳の質を見極めるためには元の言語の知識が要り、それがないと原作者を誤解するリスクがあります。
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もう2月です。英語ではFebruaryと言いますが、語源はラテン語のfebrum「お清め」です。古代ローマ時代、この月の中ごろにお清めの儀式"Februa"があり、これが元でそのイベントがある月がFebruariusと呼ばれて、それが英語のFebruaryの元になっています。
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アリーナの語源は「剣闘士競技の試合場」(ラテン語でarēna)です。arēnaの元の意味は"砂"で、試合場に砂が撒かれてたことに由来します。負傷した剣闘士の血が地面に落ちても吸収する砂があれば地面を掃除しやすかったのです。
コンサートでアリーナ席に当たったら、剣闘士のことを思い出してください。