ただし『海底47m』という名作サメ映画との関連性を匂わせる姑息なパッケージになっている点ではある意味サメ映画の王道中の王道
あと一応筆者たちは補遺で ・アメリカの幸福度(関連はナシ) ・選挙先物市場(ロシアの祝日には共和党の「価格」が下がる) ・選挙結果予測(ロシアの祝日には共和党の勝利予想確率が低下する) あたりを分析しているので、気になる人はペーパーを読んでみて欲しいのだ。 data.nber.org/data-appendix/… (11/12)
特に専門性の高い犯罪である企業犯罪(≒ホワイトカラー犯罪)のノウハウを元々持っていた人が昇進しやすいということを考えると、後々マフィアのボスに登り詰めるような人物はマフィアに加入する前から既に「犯罪のエリート」とでもいうべき人々である、ということが示唆されているのだ。 (5/10)
米軍によるドローン攻撃はタリバンの行動にどう影響を与えたのか?パキスタンとアフガニスタンそれぞれでのタリバンによるテロ行為を分析した研究によれば、ドローン攻撃が失敗すると「テロの前倒し」が起こる可能性があるのだ。 (1/12)
ヨーロッパの歴史を語る上で避けては通れないのが「魔女狩り」なのだ。なぜそんなことが行われたのか、原因は色々あるけど、マクロ的要因として「気候」が挙げられているのだ。気温が低い年は農作物の収穫量が減り、食料不足に陥るのだ。人びとはそれを「魔女」のせいにしたのだ。 (続く)
ラジオから流れる反ユダヤ的言説は嘘八百だったのだ。元々反ユダヤ的感情を抱いていない人にはそんなのバレバレだったから、ラジオを聞けば聞くほどナチスへの不信が増すし、協力(ユダヤ人迫害)なんかしなくなる、というのがこの論文の著者達の理解なのだ。 (13/19)
奴隷輸出のもう一つの帰結が、「国家」の発達が阻害されたことなのだ。象徴的な事例はコンゴ王国なのだ。比較的中央集権的だったコンゴ王国は、ポルトガルによる奴隷貿易が始まったことにより奴隷狩りと反乱・内乱が横行して社会秩序を失い、実質的に崩壊してしまったのだ。 (8/22)
今回紹介する研究は、イタリアのエミリア=ロマーニャ州に属する2つの県(モデナ県とフェラーラ県)で営業するスーパー(Coop/生協)から提供された26万件以上の購買情報と顧客情報を使って分析を行っているのだ。 (2/16)
Telegram公式は2段階認証があるからハッキングの恐れはないとしながらも、「もしあなたの携帯電話のキャリア会社や “あなたの政府” が信用できないなら」新たなパスワードを追加するようアドバイスしているのだ。明らかに香港のユーザーに向けたメッセージなのだ。 telegra.ph/Can-someone-br…
次にこの論文が問題にしたのは、「どんなルートで不信の文化が受け継がれているか?」なのだ。考えられるルートは内的/外的の2つなのだ。内的なルートは先に書いたように、民族内部で経験則が世代を越えて伝達されるというものなのだ。 (15/24)
これって「高橋留美子のこのキャラで私の性癖は歪みました」ということを申告しろってことなのだ?そんなの片手で足りるわけないじゃん…? twitter.com/livedoornews/s…
ナチスの青少年部として組織された「ヒトラーユーゲント」では、子供たちに対して軍事的な訓練だけでなく、ナチズムのイデオロギーを徹底的に刷り込まれたのだ。今回はそのイデオロギー教育の効果を検証した研究を紹介するのだ。 (1/8)
海賊行為の犯人はいわゆる「海賊」に限られたものでは無く、例えば陸に拠点を置くテロリストが海賊ビジネスに手を出すことがあるのだ。じゃあ一体どんなテロ組織が海賊化(海上進出)するのか?その問いに300以上のテログループを分析することで切り込んだ研究があるのだ。 (1/16)
多民族社会では、公共政策を通じた資源の再分配を巡って民族間での合意形成が困難だったり、ある民族だけが政治的権力を握ることで資源を独占し、適切な再分配が行われなかったりする場合があるのだ。例えばこれが教育政策で起こると、経済成長に必要な人的資本の蓄積が遅れるのだ。 (7/22)
ここでいよいよ実証の出番なのだ。この研究では、当時オランダにいた14万人のユダヤ人の名簿と、強制収容所で亡くなった人の名簿を照らし合わせ、「誰が収容所送りを逃れられたのか?」というデータを作った(!!)のだ。ちょっと信じられない作業量なのだ。 (12/25)
分析の結果、自民族の奴隷数と現在の居住地の奴隷数のどちらも、それが多ければ多いほど、他者(親族・隣人・政治家・異民族・自民族)への不信度が高いことがわかったのだ。要は内的/外的どっちのルートもあるっぽいのだ! (20/24)
「不信社会:奴隷貿易と他者への信頼」として追加しておいたのだ〜。 ア㊙️イさんのお尻と学ぶ統計学 - Togetter togetter.com/li/1342003
つまり、奴隷貿易の歴史が現在の制度(例えば地方議会)の機能不全を引き起こし、その結果として現在の人々が不信感を抱くようになっている可能性があるのだ。 でもどちらのルートが尤もらしいかは実証的にしか分からないから、この研究は「人の移動」に注目した追加の分析を行ったのだ (17/24)
今回の話は doi.org/10.1257/aer.10… からなのだ。 この論文は2005年のアフロバロメーターを使っているけど、2008年の調査を使った別の著者たちによる再現分析 doi.org/10.1002/jae.23… でも結果は一貫しているのだ。計量経済学は再現分析も業績になるところが素晴らしいと思うのだ! (24/24)
こうした国家建設の遅れは、経済活動に必要な官僚機構や法の整備、あるいは物理的なインフラ整備の遅れに繋がり、その結果として経済成長も阻害されてしまうのだ。 つまり、奴隷輸出→国家機能の未発達&多民族化→低い経済成長、という関係にあるのだ。 ということで実証なのだ! (9/22)
Twitter社は2018年10月、ロシアやイランによる情報宣伝工作に関係したと見られる3841のアカウントを公表したのだ。Twitter社は2020年7月までに計4回情報工作の疑いがあるアカウントを公表しているけど、「IRAが関連した」と断定しているのは最初のものだけなのだ。 jp.reuters.com/article/twitte… (4/12)
カトリック教会が元々支持していたのは「中央党(Zentrum)」なのだ。1870年に創設された中央党はずっとカトリック教会の利益を代表していて、教区の神父(司祭)を通して教徒を動員し、中央党に投票させていたのだ。 (2/20)
ただし、効果量を比較すると、自民族の奴隷数は居住地の奴隷数の倍ぐらい大きい効果があったのだ。だから不信が継承されるメインのルートは、自分の民族の内部で受け継がれる文化や規範である、ということが示唆されていると考えられるのだ。 (21/24)
アフロバロメーターでは、 ・親族 ・隣人 ・選挙によって選出された地方議会 ・自国の異民族の人々 ・自国の自民族の人々 がどの程度信頼できるか、「全く信頼できない」から「とても信頼できる」までの4段階で対象者に答えてもらっているのだ。 (12/24)
分析の結果、文化大革命期(調査時点より40年も前!)により人が殺された地域の人ほど、中央政府への信頼が低いことが明らかになったのだ。しかもこの不信は世代を越えて受け継がれているのだ。確かに若い人ほど効果は弱まっていくけど、弾圧された地域の人はやっぱり政府を信頼していないのだ。 (6/12)