ヨーロッパの歴史を語る上で避けては通れないのが「魔女狩り」なのだ。なぜそんなことが行われたのか、原因は色々あるけど、マクロ的要因として「気候」が挙げられているのだ。気温が低い年は農作物の収穫量が減り、食料不足に陥るのだ。人びとはそれを「魔女」のせいにしたのだ。 (続く)
日本の文系の大学院は修士2年間・博士3年間で、それまでに博士号が取れなかったらボーナスステージでさらに3年間の猶予があるのだ!学部から数えると12年間、なんと義務教育よりも長いのだ! アライさんは12年間フルに使って1本も論文を書かなかった先輩を知っているのだ。その先輩は行方不明なのだ。
中国のインターネットでの「検閲」は過酷だと言われているけど、実際に何が、どの程度検閲の対象になっているのかを知るのはとても難しいのだ。ネット上から検閲の結果「削除」されてしまったものは後からその内容を知ることはできないのだ。でもそれを力業で明らかにした研究があるのだ。 (続くのだ)
中国の検閲は、3段階で行われているのだ。まず「サイトブロッキング」で特定のサイトへの接続を禁じ、次に「キーワードブロッキング」で特定の単語の使用を禁じるのだ。ここまでは自動で行われているけど、最後に「内容の検閲」が手動で行われているのだ。 (続くのだ)
中国ではFacebookやTwitterが使えない代わりに「微博」のような自国の代替サイトがあるけど、そこでの投稿内容を検閲し、問題があれば削除を行う「検閲官」が大量にいるのだ。彼らは「五毛党」と呼ばれていて、ネット世論の管理・誘導を日常的に行なっているのだ。 (続くのだ)
ハーバード大学の研究チームが2011年に行った研究では、検閲官が削除を行うよりも速く、スパコンを使って中国のあらゆる掲示板やブログ、微博等での投稿を自動かつ高速でDLしたのだ。 「検閲前」と「検閲後」のデータを比べることで、検閲の実態を明らかにしたのだ。まさに物量作戦なのだ。 (続くのだ)
まず明らかになったのは、検閲のスピードがめちゃくちゃ速いことなのだ。問題のある投稿は、そのほとんどが24時間以内に削除されているのだ。 次に彼らが取り組んだのは、削除されやすいトピックの特定なのだ。大量の投稿を機械学習と統計分析の合わせ技でその傾向を解析したのだ。 (続くのだ)
分析の結果、最も削除されやすい内容は「中国政府やその政策に対する批判」ではなく「集団での行動に繋がる内容」であることがわかったのだ。つまり、彼らが最も恐れているのは政府への批判ではなく、政府がコントロールできない市民によるデモなのだ。 …中華人民共和国は人民に常に怯えているのだ。
論文はここから読めるのだ! jstor.org/stable/pdf/436… この研究チームは中国のネット検閲について他にも色々書いているのだ。本も出ているから是非翻訳を出版して欲しいのだ。
政治体制の違いは色々な事に影響を及ぼすけど実は簡単に「目に見える」違いがあるのだ。民主制よりも独裁体制の方が高層ビルはグングン高くなる、という研究があるのだ。 例えば、2020年完成予定の全長1kmを超える「キングダム・タワー」があるのは中東の絶対君主制の国サウジアラビアなのだ。 (続く)
中国人が大量にアメリカに留学しているのが最近のトレンドなんだけど、社会科学系の中国人はやっぱり中国について研究することが多くて、英語の良質な中国研究が爆増した結果、中国共産党のヤバい面がどんどん明らかになっているのは笑えるのだ。 ところで日本の中国研究者は何やっているのだ?(煽り)
地域に特化した政治・経済・社会学系の研究でいま一番面白いのは間違いなく中国研究なのだ。メソッドを欧米の博士課程で身に付けた中国人がズバズバ中国のブラックボックスに切り込んでいるのだ。英語で死ぬ程ペーパーが出ているのに、日本の大学の授業でそれらが扱われている話はほとんど聞かないのだ
UI改変でモーメントがPCからも使い物にならなくなったからtogetterにまとめていくのだ! アライさんのお尻と学ぶ統計学 - Togetter togetter.com/li/1342003 @togetter_jpさんから
中国のネット検閲の話は実は続きがあるのだ。 ソーシャル・メディア上でデモに繋がりそうな投稿は削除される(減らす)という話だったけど、それと同時にある種の投稿を意図的・組織的に増やしているということも同じ研究チームによって明らかされているのだ。 (続くのだ)
2014年12月に、江西省で2013年から2014年の間に宣伝部の内部でやり取りされたEメールが匿名で大量にリークされたのだ。そのメールの送受信履歴を解析し、「五毛党」のネットワーク構造を明らかにしたのだ。メールには自分がどういう投稿をしたのかが記されていたからこそできたことなのだ。 (続く)
解析の結果、同時期の江西省ではなんと4万件以上の投稿が「五毛党」によって行われていたことが明らかになったのだ。しかも、この投稿の99%が政府職員によって無給で行われていたのだ。よく噂される「五毛党」は有給の民間人が主体だけど、実態は異なるかも知れないのだ。 (続く)
彼らはどんなタイミングで投稿するのか?やっぱりこの前話た「検閲と削除」とロジックは共通しているのだ。デモが起こりやすいような記念日(例えば天安門事件を連想させるような)に集中的に投稿を行なっていることがわかったのだ。「話題逸らし」みたいなものなのだ。 (続く)
じゃあ彼らはどんな内容を投稿するのか?政府を批判するコメントに噛み付くのか?外国政府を批判するのか?…実はそうではないのだ。投稿のほとんどは「中国政府を称賛する」もので、論争的な話題に触れることはほとんどないのだ。波風を立てることなく、とにかく話題を逸らすのだ。 (続く)
更にこの研究は一歩進んで、リーク情報を元にweiboアカウントを特定するアルゴリズムを開発、中国全体のソーシャルメディア上での「政府側による書き込み量」を推計したのだ。その結果、1年間で4億4千万件の投稿が為され、そのほとんど(6-8割)がやはり「政府を称賛する」内容だったのだ。 (続く)
中国政府の戦略は、攻撃ではなくある種の「火消し」に近いものがあるのだ。政府が最も恐る話題、つまり「デモに繋がりかねないトピック」から市民の意識を逸らすことを目指していると考えられるのだ。 …この一連の「ハーバード大学vs中国共産党」の情報戦は間違いなく政治学上のベストバウトなのだ…
論文はここから読めるのだ。 pdfs.semanticscholar.org/4694/e2aa8725d… もちろんこの話はあくまで2014年時点の話で、中国政府側も世論操作の方針を変えてきているはずなのだ。専門従事者を数百万人単位で雇用する、みたいな話も出てきているのだ。 jp.bitterwinter.org/millions-emplo…
もし内戦の勃発を天気予報みたいに事前に予測することが出来たら、事前にそれを防ぐ手立てを講じることが出来るのだ。でも内戦はいざ起きたら甚大な被害が出るけど、とっても「起こりにくい」事象だからその予測は中々難しいのだ。 それを新聞記事の傾向から予測した研究が最近出版されたのだ (1/8)
今まで話してきた中国の検閲は、主に政府側の対応だったのだ。中国政府は検閲の第1段階として特定サイトへのアクセスを禁じ、情報を遮断しているのだ。 …でももしネットへの自由なアクセスが可能になったら、市民にはどういう影響があるのか?それを検証した激ヤバな実験が最近行われたのだ。 (1/10)
中国政府のサイトブロッキングは、実は色々なツール/デバイスを使うことで回避できるのだ。研究チームは約1800人の北京の大学生を対象に、タダで自由に海外のサイトにアクセスできるツールを配布し、1年半に渡って継続的な調査を行ったのだ。被験者は次の5つのグループに分けられたのだ。 (2/10)
グループは (1)ツールなし (2)ツールなし+ニュースレター(後述) (3)ツール配布 (4)ツール配布+ニュースレター (5)既にツールを所持 という風に分けられ、ニュースレターは各種サイトへのリンクが貼られた同じ内容のものが(2)と(4)のグループに送られたのだ(もちろん(2)の人達はアクセス不可) (3/10)