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いや、ほんとね。みんな、読んだ方がいいよ。文章が面白い人はね、たとえ前提が間違っていても、その文章の力で自分の話を(その問題に詳しくない)他人の信じさせることが出来るのよ。こういうポイントを押さえてなくても、読者はその「面白いから本当だろう」と思っちゃうの
kozakashiku.hatenablog.com/entry/2021/05/…
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「日本のストリートピアノは超絶テクニックの腕自慢ばっかり」「曲芸みたいだ」というの。色々思うところはあるんだが、なんとなく人々の思う「凄い(こういうのが凄いプレイだ)」のイメージがどんどん貧困化してるんじゃないか…みたいな印象はちょっとかある。「凄い」が二種類くらいしかない感じ。
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日本映画は金がないからねぇ…みたいなのがよく話題になるけど、仮にホントに100億円くらいポーンと渡した時に、ちゃんと彼らはそれを上手く使うことが出来るのか。劣化版米国大作映画…みたいな感じじゃない、「凄い」が出来るのか。私はなんか疑問なんだよな。
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坂本龍一が「911の後、音楽が聴けなくなった。辛うじて聴けたのがバッハとビートルズ」と言っててさ。コレは勿論「こんな時でも胸に響くバッハの曲は凄い」という意味もあるけど、同時に「人は辛い時、聴け曲の範囲が極端に狭まる。バッハくらい凄い人の曲じゃないと聴けない」ということでもあってさ
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それを凄く複雑な感じで語ってたのが印象的で。こういうの考えると、今もビートルズやクイーンのベスト盤が売れ続けてますよ、みたいな話も「どうなんだろう?」となってさ。もしかしたら、単に「これぐらい偉い人の曲じゃないと、もう音楽を聴くことが出来ん」という人々の辛い状況の表れではないかと
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だから「凄い人達の曲だから売れ続ける!」みたい感じで、単純にソレを褒めるのも違うかもしれんよね。「偉い人達の曲しか聴けないツライ時代なんです!」という反応が正しいのかも。私は「不況だから無駄を省きましょう」みたいな話も連想したよ。やっぱり適度にクソな曲が売れてる方が健康的なんだ
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坂本龍一が「いつ死ぬか分からない」という状態になった時、過去の作曲家が死ぬ前にどんな曲を作っていたかを調べた、という話が好きなんだよな。バッハは普通に「明日死ぬかも」と思いながら普通に曲を書いてた。ドビュッシーの遺作は、家に石炭を持ってきてくれた店のオヤジに感謝を表した小曲だった
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その話があったから、坂本が最後にどんな曲を書いたかが気になってるんだよな。一応「ある学校の校歌」が遺作らしいんだけど、俺は本当は何か別にあると思う。ドビュッシーよろしく、個人的になかよくなった看護師さんとか、或いは近所のオッサンとかに、凄くシンプルな曲を書いたりしたんじゃないか…
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個人的に、なんか、凄くしょうもない曲を書いててほしい気もするけど…
まぁ、他人の最後をこんな風に消費するのはよくありませんね。おわり。
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司馬遼太郎が、栄転だけど現場を離れることになる辞令を貰って迷ってる知人に、「局長とは、才能ある人がその才能を押し殺して職につくべきものだ。かみそりのように切れる人が、わざわざ自らをナタ・棒にすることだ。でもそれこそが凡人には出来ないことなんだから、やれ」と言った話が好きなんですよ
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オバチャン連中と話すと、よく「映画〇見て面白かったわ!話はサッパリ分からんかったけど!」という言葉が出るんで、結構怯む。「話は分からんが、面白い」とか、若い映画好きは中々言えんだろ。でもオバチャンは言える。オバチャンには「映画=分からんのが普通。分かるとこだけ楽しめばいい」だから
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前にどっかで読んだ「孤独な老人はいつも「誰かと話がしたい」と思ってる。でも自分が話しかけることで、自分の相手をしてくれるような「いい人」の時間を無駄にさせてはダメだ。「いい人」に負担をかけるくらいなら我慢しよう…で、そのまま死んでいく人が結構いる」みたいな話が、いつも頭にあってさ
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いや、単に返事する暇なく連れていかれただけなんだが…それでも。
なんというかな、本当の本当に自分を嫌悪する人は、多分、そういう「俺もバンドやれるぞ!」というチャンスが来た時ほど、「俺を誘ってくれるようなイイ人に迷惑をかけてはダメだ」と、それを手放してしまうような気がするんだよ。
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昨日もちょっと書いたけど、『ぼっち・ざ・ろっく』のぼっちちゃん。よく「ぼっちちゃんは努力の人だから、お前らみたいな単なるネガなぼっちと違う」と言うけど、俺は第一話で「ギターのヘルプをして!」と頼まれた時、チャンスが来た時にちゃんとソレを掴んだこと(?)が、一番の違いと思うんだよね
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「いい人」…というか「強い人」は、「他人に何かしてあげる人」というイメージがあるけど、俺は「ちゃんと他人の好意を受け取れる人」と思うんだよね。で、その好意を受け取るためには、適度に自分を好きじゃなきゃイカン。それは多分「チャンス」も同じだろう、と。だからそこを逃さなかったのは偉い
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実際「利他ブーム」の裏側で「「人から優しくしてもらったことや好きな人から『好きだ』と言われたことを素直にうれしいと思えなかったことがある」若者も増えてるらしいので。だから好意であれ、チャンスであれ、それをそれとして「受け取れた」のはスゲーよなぁ、という話。
nikkan-gendai.com/articles/view/…
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>袋叩き
「40になるまで働いてないとかバカだろ」「親のスネかじり」とね
そういう意味じゃなく…いや、確かにバカだったかもしれんが、例の「更生した元不良」話と同じでさ。「一度ダメになった後、更生しようとした」勇気はソレはソレとして称賛されてイイと思うけどな
twitter.com/madanaizo/stat…
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先日「会社に就職希望者が面接に来たけど、履歴書読むと、ソイツ。40歳になる今まで働いたことないのよ(笑)」みたいな話題が出てさ。俺は普通に「偉い。40でついに新たな一歩を踏みだすなんて…実に勇気がある」と思ったから、そう言ったんだけど、周りから袋叩きにされちった。みんな、冷たいぜ
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勿論「初めからちゃんと働いていた奴」の方が偉いだろう。でもそれと「ダメになった後、人生をやり直そうする偉さ」はそれぞれ別の偉さと思うんだ。そして、単に偉さや勇気の量で言えば…「今まで無職だった(引きもり?)40男が、就職するために一歩踏み出す」ために必要とした勇気は、相当なもんだよ
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もし「勇気の最大瞬間出力」みたいなのが計測できるなら、この40男の出した勇気の量は、真面目(?)に働いてる俺がここ数年出した勇気の総量を遥かに凌いでいると思う。多分、彼は今回採用されないだろう。でも絶対そのうち何らかの形で彼が報われる日が来ると思う。それまで頑張れよ。オッサン。
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(余談)
この話。一番拒否反応を示したのが近所のマダムだった。「どこが偉いの?人は働いてナンボよ!」と。あぁ、マダム。アナタの感覚の方が普通と思うよ。でも、俺の記憶が正しければ、アナタは大学出てすぐ裕福なガイと結婚したはずで…
どうも労働経験ない人ほど労働を賛美する気がしてスカン
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マダム、ある相互氏の名言を引用させてもらいますがね。ブラック企業もパワハラもセクハラも家庭内暴力も、ズボラな人間がイイワケの為に考え出したフィクションじゃないんです。この世界に実際に存在する「悪」なんですよ。彼らに同情しろ、とは言いません。でもそれが存在することを否定してはイカン
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某有名音楽家のライブへ行ったら、地元のオッサン達が前座で演奏しててさ。その中に近所でよく見る冴えないオッサンもいて、細野晴臣の『ろっか・ばい・まい・べいびい』を一人で演奏してた。コレが最高だった!でもそれは漫画でよくある「普段は冴えない奴が、ライブで急に輝いた」的な意味じゃないよ
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前も書いたけど…アジアの葬儀で「泣き女」ってのがいるでしょ?アレ、よく「意味わからん」的にバカにされるけど、実は結構合理的なものらしくてさ。要は泣き女が遺族の代わりにワンワン泣いて、悲しんでくれるから、遺族は安心して「遺産をどう分けるか…」みたいなダーティーな話も出来るんだとか。