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ある意味ちゃんと映画の魅力にヤラれた人の感想というか、一概に「観客がアホだから」と言えない気もするのだよな。どんな映画でも描写が魅力的なら必ず起こる問題ではないか。
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中島みゆきの曲って、本人より友人がカラオケで歌ってるのを聴いてる時の方が良い曲に感じる。コレは悪い意味じゃなくて、案外この辺に彼女の人気の秘訣があるんじゃないかしらん。
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昔、大瀧詠一が「教養というものは、「ガイド本に載ってるからコレを見よう」という形で作品を手に取ることのではなく、眼の前にあるモノにかたっぱしから触れることで得られるものだ」と言っててさ。だから今はブックオフの100円コーナーの棚から、ミソも糞も摂取してるような奴が一番教養あると思う
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「目の前にあるものを無条件で手に取って、そこから自分にとって必要なものを得る」を続けてる奴が一番強いとね。その大瀧がタランティーノの『キル・ビル』がヒットした時に、「今頃になって”タランティーノが褒めてたから、俺も日本映画観よう!”とやる奴はダメ」と発言していたことも記憶されていい
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押井守監督がどっかで「勝てない奴は要は負けるのが好きなんだ」と言っていたと思う。「負けることには独自の快楽があって、一回負けた奴はその快楽に酔っちゃうんだ。そこに居付いちゃうんだよ。だから勝てない。正確には”勝とうとしない”」みたいな。酷い理屈だと思うけど、強ち間違いだとも思わんよ
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不機嫌な態度を取ることで、自分の要求を通そうとするアレ。アレは絶対自分の家庭というか、両親のやり方を見て学んだんだと思う。「俺はお前らのせいで不機嫌になってる」オーラを出すと、周りが勝手に忖度してくれて、結果的に自分の要求が通るワケで。当人にとっては、結構「合理的なやり方」なんだ
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認知症の講習。講師の人がなんとも言えない表情をしながら、「体力は衰えるでしょ?気力も衰える。でもプライドだけは絶対衰えないんですよ、人間は。どんな状態でも」と言っていたのが印象的だったな。その辺に人間の栄光も悲惨さもあるんですわ、と言わんばかりの表情をしてた。苦労したんだろうな…
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地元図書館で配架手伝いしたけど、「”田舎は何もない”は、都会(の価値観)から見て何もないだろ?実際はあるの!」と言う人の気持ちも少し分かったわ。俺的には「アレもコレもない図書館」だが、老人達は俺が名前も知らん作者の時代小説を山ほど借りていく。老人達には「アレもコレもある図書館」なの
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「映画館は映画を観る以外のことはしなくていいから好きだ。二時間もスマホ断ち出来る」という人は結構いるんだけど、小説家の王谷晶氏なんかは「映画館は二時間自分をやめることができるからいい」と書いててさ。でも案外こういう人も多いかもねぇ。二時間「自分(私)」をやめるために映画館へ行く人
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成田悠輔氏は批判されるが、氏が「僕の動画を見てる人は内容に興味ない。僕がイイ感じの声でハキハキ話せば深いことを言ってると思うんだ」みたいなことを言ってたのは面白かった。先日地元で政治家の演説聞いた時も思ったが、多くの人は内容は興味ないんだ。偉い人がハキハキ何か喋る。それで充分なの
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大谷、野球のルールを全くしらないウチの母親でさえ「姿を見るだけで元気がもらえる」みたいなこと言ってるのが凄いな。殆ど神様みたいなもんじゃん。多分、キリストとかお釈迦様もこんな感じだったんだよ。「正直何を言ってるかサッパリ分からんが、その姿を見るだけで癒された。救われた」みたいなさ
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『ダンジョンズ&ドラゴンズ』は面白かったけど、二、三日したら全部忘れちゃいそうな映画だね(笑)
とか、あんた。そんなコスイこと言っちゃイカンですよ。ああいう映画に対しては「鑑賞後すぐに内容を忘れてしまう映画だが、鑑賞中は人生の何もかもを忘れてしまう映画だ」と褒めるのが正しいんです
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三島由紀夫が「自虐とは自分の欠点を真っ先に自分が指摘することで「分かってます!分かってるから、この欠点に関してはどうか穏便に…」とやる処世術だが、他人は自分が思うほど自分に関心ないから、単に「アイツのここは叩いていいらしいぞ!」の合図になって、フルボッコされて終わる」と書いてたよ
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SNSは定期的にサイゼにケチつけて炎上する人がいるが…最近ケチをつける人の気持ちもちょっと分かって来たよ。サイゼ(的なもの)に何の罪もないが、時々「たしかに安くてそこそこ上手い…でも豊かさってこれだけなのか」という気がしてくるんだ。今はこの「安くて上手い」しか手に入る「豊さ」がない
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前も書いけどねぇ。私は自分のしてることが本当に「仕事」なのか、時々分からなくなることがあるよ。エクセルだパワポだ、実は全部「ごっこ遊び」なんじゃないかと。そんな時、近所の居酒屋で土方の兄ちゃん達が「今週もお疲れ!」と盛り上がっての見ると、「あれが本物の仕事をした労働者だ…」となる
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人間。10年も同じことすりゃ、苦労した分少しは腕が上がるじゃないか。上がったことで得るものもあるはずじゃないか。電柱建ててる若者は10年前よりグレイトな職人になる。キツイ仕事でもグレイトになったことで得た喜びもあっただろう。しかし、エクセルやパワポを10年続けてる俺は一体何を得たんだ…
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「辛い時は逃げてもいいよ」という言葉が、「お前は逃げてないで、ちったぁ自分の問題に向き合えよ」的な奴にウケて、逆に「逃げるな」という言葉が、「流石にお前は逃げた方がいいんじゃないか…?」的な奴に刺さってるのを見ると、なんというか「現実」っていう感じがする。「人生」という感じがする
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春日武彦氏の「長年精神科医やって悟ったのは、人の精神のアキレス腱は所詮「こだわり、プライド、被害者意識」の三つに過ぎない」発言を、定期的にTLに流すべきだろうか。SNSはどうもこの「こだわり、プライド、被害者意識」を磨いた方が得する世界…そういうインセンティブ?がある世界な気がするぞ
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村上龍の「不幸な経験した人がそれを乗り越えて本を書く。それ自体は立派だが、その本が駄作なら駄作と言えないと文化は衰退する」と、菊地成孔の「地震はワクワクする(ヘラヘラ)→抗議殺到→態度に関しては謝罪するが、地震にワクワクする気持ちは事実なのでそこは謝罪しない」は、自分の中でセット
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つまりね。相手の話を「聞く」っていうのは実は凄く難しいんですよ。特に現代人にとっては。現代人は常にスペシャルなことをせんとイカン、独創的なことをせんとイカンという強迫観念に付きまとわれてるからな。だからつい「言ってないこと」まで聞いちまうんだ。そこを削るために結構な訓練がいるのよ
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そしてこれは多分「読む」も同じだ。アンタだって、一度は「お前、どこを読めばそんな悪意のある解釈が出来んだよ!」っていう糞リプ、糞引用RTを貰ったことがあるだろう。あれは読解力の問題じゃないんだ。欲望の問題だよ。「なんかうまいこと言いたい」という欲望が、彼彼女の読解力をパァにするんだ
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「倍速でも何百本も見てる奴の方が偉くなる(かも)」みたいな話を聞くと、少し前にバズってた「ダウンタウンがブレイクした時、彼らの真似をしてるコンビが何組も吉本に来た。みんなそれを馬鹿にしたが、最終的には真似してた奴の方が個性を獲得して、成功する率が高かった」という話を連想してしまう
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以前、介護の仕事に従事している相互氏が「自分は持病持ちで、自分の精神&肉体的健康が一番大事だから、成長欲望は少ないのだ」と呟いていた。多分氏のまわりにも同じ考えの人は多いのだろう。その人達から見ればSNS上の「健康な人」が持つ「何者かになりたい」欲望は、暴力的なものに見えるとは思う
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