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佐野史郎。昭和のゴジラ映画はどんなに子供向けの作品でも、俳優が下手でも「ゴジラだ!」と言えば、なんかただことで無い感じが出た。でも平成以降は俳優が「リアルに見せよう」と真面目にやってる分、逆に「本当はゴジラを信じてないな」と感じられて、映画が弱くなる…と言ってて、これは中々鋭いな
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どんな話をしても「結局は人それぞれさ」と言う奴がいるが、「人それぞれ」は話の出発点であって、ゴールじゃない(議論の途中で「人それぞれ」と言うと話が全部終わる)。違いがあるとはいえ同じ人間なんだ。「この点はやっぱり俺が正しい」「ここはお前に見習う点がある」と確認するのが大人だろう。
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あといくら「面白い」って言っても、映画なんて「この映画にこのレベルのリアルさや、気遣いを求めてはダメ!」と、自分が映画に求めるものを低く=忖度すれば、どれも楽しめるよ。でもそういう時に『トップガン』とか見ると気づいちゃうじゃないか。「俺は無理をしていた」と
twitter.com/madanaizo/stat…
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さっき「ほとんどの邦画に貧乏性が染みついてて、画面から伝わってくる貧乏臭さをつまらないと感じる感覚も正しい」という呟きをRTしたけど、最近の邦画は明らかに「金がないんだなぁ…」と感じる瞬間は増えたよ。そういう不満を「昔の邦画も…洋画も…」みたいな言葉で消すのは、逆にマズイ気がする。
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「”最近の邦画は昔の邦画や洋画に比べてツマラナイ?”昔だってツマラナイ邦画はあったし、面白くない洋画は日本に入ってこないだけだ」云々
分かるけどさ。正直今こういう言説は「最近の日本映画はなんかヘン…」と感じた人達の不満を(悪い意味で)意味で消す効果しかないではないか、という気がする
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『月姫』に感動した若き日のぼく。
「俺達も『月姫』みたいなゲームを作ろうぜ!俺がシナリオ書くから、お前がプログラム汲むとか、絵を描くとか…とにかく、その他全部やってな!」
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↓本は儲けが少ないのに、インフルエンサー達がやたらと本を出そうとするの。あれは「本を出した」っていう事実というか、権威が欲しいらしいね。やっぱり一般的には「本を出した=偉い人に違いない」という発想は強いから。それで「そんなに偉い人なら話を聞くか」と、講演にたくさん人が来るから。
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あと昔、どっかの大会社の社長が「僕は本は読まないよ!知りたいことがあったら、直接著者へ会いに行けばいいから!」と言ってて、当時凄く衝撃を受けたな。「著者に直接会って話が聞けたら、もう本は必要ない。本は著者の代用品」とか、それまで考えもしなかったよ。本物の金持ちだから出来る発想だと
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「金がない」という現実は、人からモノを考える能力を奪うからヤバいのよ。どんどん「アレか、コレか」的な極端な考え方しか出来なくなる。以前読んだ犯罪の本に「殺人を犯すヤツは要するに極端&単純なんだよ。何かあるとすぐ”死のう!”か”殺そう!”になるんだ」とあって笑ったけど、今は全然笑えない
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ブラピかディカプリオか忘れたけど、幼い時にちょっと女性に笑いかけると、その人がふにゃふにゃ~となるのが自分でもわかったから、普段は笑顔を見せないようにた、みたいなこと言ってて。なんか『トップガン』見てるとこの感覚少し分かる。あ、スターの笑顔は相手を虜にする武器にもなる。危ないって
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昔、ある評論家が「僕は怪獣映画が好きだ。”着ぐるみを着た男が模型の中で暴れる”という、大変狂った映像が見られるから」と言ってて「あんまりだ」と思ったが…昨夜『やくざ刑罰史 私刑!』を見たら「赤のペンキ塗れの男が、作り物の目玉を手に暴れてて面白い!」と感じてしまった。あんま変わらんな…
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特撮映画とかよく「”見立て”だよ」と言われるが、正確には少し違うと思う。観客は明らかにソレを「ミニチュアの町、戦車、着ぐるみの怪獣」と分かった上で見る。だが、分かっているにも関わらず、内容に呑めりこむにつれてソレが一瞬本物に感じる…その作り物に心を動かされることに歓びを感じるのだ。
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だから撃たれて死んだ後の描写は上手いって言うね。ほら、みんな、大好き『モスラ』のネルソン射殺後の描写とか。
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以前中島先生と「なぜ本多猪四郎作品の銃撃場面は冴えないのか?」と話し合った結果、「なまじ戦争体験がある分「いざって時には銃は役に立たない」と知ってるからではないか。実はあれがリアルなんだよ」という結論に達した。実際本多も「実戦だと殆ど命中しない」と書いてます。
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そういうのを考えると「早見沙織が『ローマの休日』の声優をする」というのはありがたい話ですよ。「早見がやるなら、白黒映画だけど見てみようかな」となる人達が少なからずいる=「見る」まで行ってもらえるワケで。こういう「ちゃんと見る」までもっていかせる企画が更に増えてくんないかな、と思う
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この話も何度かしてるのですが、昔、特撮映画に興味を持った同級生に『ガス人間』を貸したら「3分で見るのをやめた。冒頭の拳銃の音がチャチであり得ない。なに”バキューン”ってw」と言われたことあるよ。かなりショックだったな。昔の映画は内容以前に「ちゃんと見る」までいってもらえないのですよ
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「必要なものしか世界にない。すべてのものに意味がある。だから安心して見れる」みたいな感じの。映画じゃなくてフィクション全般だったかも。
(ちなみにこれはその逆。これはこれで分からんでもないな…)
anond.hatelabo.jp/20210517205623
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「映画も最近は全てを台詞で説明されないと理解できない客が多い。比喩としてのアスペルガーが増えたからだ。彼らは空気を読んだりするのが苦手だから」という話が出た時、アスペルガー症候群の方が書いた「映画は全てに意味があるから落ち着く」という文章を思い出していた。障害にだって色々あるわな
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しかし、映画やアニメを見てるだけなのに賢くなろうなんて、やっぱりムシのいい話だよ。ほとんど「オタクは経済回してるから偉い」と同じレベルの発想ではないか。賢くなりたければ真面目に勉強するしかないんだ。みんな正直に「タメになる?面白いものは人をダメにするんだよ!」と言わないとダメ。
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読んでて笑っちゃったけど、でも俺も映画(特にネトフリ系)見ながら、こういう”チェックポイント”が頭に浮かんでくる作品増えた。ソレを汲み取った感想書くとSNSでウケるだろうなぁ、となる作品が(実際ウケるのだ)。それが悪いワケじゃない。でも映画ってそれだけのもんか
note.com/bungakuplus/n/…
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「誰かを訪ねて行ったけど、会えなかった」系の小説とか読むと嬉しくなっちゃうんだよね。私小説じゃないけど、荒畑寒村の『父親』とか凄くいい。結構遠くから訪ねてるのに「行くから」とか伝えてないの。でも「会えなくてそれはそれでいいんだ」と、道中を楽しんでるんだよね
twitter.com/madanaizo/stat…
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あとジジイになると…アイドルグループが全部同じ顔に見えるように…新作映画の面白さが「全部同じ面白さ」に思える現象が発生するので、結果的に「面白さ」に飽きてしまう。面白さに一つのパターンしかないように感じられちまう。そんな時に「独自のつまらなさ」を持った古い映画を見ると回復するのよ
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何度か書いてるけど、最近はTVを見てもSNSを眺めても「こんな面白い作品を知らないと損する!」「〇は面白くてタメになる!」という「面白い」「タメになる」で溢れてるので、そこから逃れるために戦前の私小説のような「面白過ぎない。タメになる情報がない世界」に浸って、自分を整えてるトコはある
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パワハラ等が問題になる作家。芸術家ならではの狂気…とか、大層なもんじゃなく、単に色んなことが「雑」なだけなじゃないか、という気がスゲーしてきた。「雑」だから他人との境界線を破っちゃうし、物事の扱いも適当。その「雑さ」を「やっぱ芸術家は違うなあ」と変な言葉で変な方に褒めてただけかも
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トップガン。一本道のストーリーだから、客がいつトイレに行ってもいい(トイレに行っても物語を見失わない)のもイイと思う。娯楽映画はかくあるべきですよ。「全場面全画面、目を凝らさずに見ろ!」なんて、作り手の傲慢ですよ。