第11位 「冷たい熱帯魚」 (でんでん) 《近所にいそうなハイテンションおじさんだが完全に頭のおかしい殺人鬼》を体現したでんでんが凄すぎるサイコスリラー映画。凶行に次ぐ凶行の凄まじさ。あらゆる倫理が崩壊した果てに待ち受けるクライマックスに唖然。R-18指定、邦画史に刻まれし狂気の傑作
第12位 「エスター」 (イザベル・ファーマン) この娘、どこか変だ。 救いの里子と思わせて、次第に本性を現してゆくエスター。その想像を絶する凶悪さには戦慄するのみ。誰もが愕然とする彼女の正体とは...背筋の凍る展開、衝撃の事実、怒涛の終盤。サイコスリラーのあらゆる魅力が詰め込まれた大傑作
第13位 「CURE」 (萩原聖人) 黒沢清監督の名が世界に轟いたサイコスリラーの傑作。虚無そのものを体現した萩原聖人の恐ろしさ。「あんただれ?」の言葉に導かれて簡単に人が人を殺してゆく異様さに背筋が凍る。作品全体を支配する全貌の掴めない闇...観客のアイデンティティをも揺るがす不朽の恐怖映画
第14位 「セッション」 (フレッチャー先生/J・K・シモンズ) 音楽学校の鬼教師。もう最初のレッスンシーンから純度120%のサイコパスっぷりを見せてくれるのでこちらは戦慄するしかない。彼が引き起こす超修羅場展開で突入するラスト15分の音撃シーンは言葉にならない凄まじさ。その結末は全人類必見
第15位 「トレーニング・デイ」 (デンゼル・ワシントン) 新人刑事と、黒い噂の絶えない破天荒なベテラン刑事がバディを組んだ一日の出来事を描くスリラー。この作品はすごい。とにかく凄い。名優デンゼル・ワシントンはこの作品の超絶演技でアカデミー主演男優賞に輝いた
第18位 「ソウ」 (ジグソウ/トビン・ベル) ソリッドシチュエーションスリラーというジャンルを確立した歴史的名作にして金字塔。映画史に残る大どんでん返しは全映画ファン必見。そして「生に感謝しろ」という謎理由で多彩な拷問ゲームを考案・実行し続けるジグソウは問答無用のサイコパスであろう
第20位 「悪魔のいけにえ」 (レザーフェイス一家) ホラー映画の頂点に君臨するマスターピース。この一家の一切話が通じない狂いっぷりはもはや伝説。唐突かつ不条理な展開、ざらついた映像、容赦ないチェーンソーの轟音、衝撃のラストカット...全ての粗さが恐怖に結実してしまった奇跡の作品
第21位 「ユージュアル・サスペクツ」 (カイザー・ソゼ) 終盤のどんでん返しがサスペンス映画史に刻まれる名作。多数の死者を出した麻薬密輸船の爆発。やがて警察が辿り着いたのは、知略謀略の限りを尽くして、死体の山を築きながら自身の存在を煙に撒く犯罪者の姿だった...カイザー・ソゼ、恐るべし
第22位 「凶悪」 (リリー・フランキー/ピエール瀧) 死刑囚を担当したルポライターが、まだ見ぬ殺人と凶悪犯の存在を知り取材を始めるが...その描写にハンマーで殴られたような衝撃を受ける傑作。ピエール瀧の狂犬のような凶暴性、そしてリリー・フランキーの救いようのない極悪性はトラウマそのもの。
映画レビュー 「神は見返りを求める」(2022年) ムロツヨシが底辺YouTuberの岸井ゆきのを無償でサポートするが、売れた途端にゴミのように扱われ、狂気のストーカーへと変貌する話。恋愛映画と見せかけてほぼサイコスリラー。人間と復讐鬼の狭間で揺れるムロツヨシの芝居は圧巻。毒々しくも心震える傑作
第23位 「アメリカン・サイコ」 (クリスチャン・ベール) 銀行に勤めるエリートの裏の顔は、快楽殺人犯だった!?全裸にチェーンソーで娼婦を追いかける、名刺のセンスで負けた同僚をぶっ殺すなど、冗談なのかガチなのかよく分からない素敵な殺人鬼。この人がゴッサムシティの平和を護るようになるとは...
第24位 「隣人は静かに笑う」 (ティム・ロビンス&ジョーン・キューザック) 映画史上最強レベルの大どんでん返しが起きるサスペンススリラーの超傑作。その凄さは「セブン」「ソウ」をも凌駕するレベル。隣人夫婦の恐ろしい怪演、特に奥さんの笑顔が記憶に残り続ける。全ての衝撃の結末映画好きに届け!
第26位 「真実の行方」 (エドワード・ノートン) まさに法廷劇という逆転の面白さが味わえる傑作サスペンス。大司教が殺害され、逮捕された純朴な青年が抱える秘密とは...エドワード・ノートンのこれが映画デビュー作とは思えない超怪演に震える。この天才俳優を映画ファンが認知した記念碑的名作である
第27位 「時計仕掛けのオレンジ」 (アレックス/マルコム・マクダウェル) ここまで狂気に満ちた映画があるだろうか。暴力と快楽にのみ生き甲斐を覚えるという、主人公にあるまじきキャラクター造形といったらない。人間と暴力という究極のテーマに踏み込んだ残酷なおとぎ話。全身の感覚を震わせる超傑作
第28位 「レオン」 (ゲイリー・オールドマン) 名作に名悪役あり、とはまさにこのこと。麻薬捜査官のボスでありながら裏で街の麻薬売買を取り仕切り、自らもヤク中という凄いキャラ。圧倒的な眼のヤバさ、ベートーヴェンを歌いながら撃ち殺す破天荒っぷり、ラストのレオンとの代決...名シーンの宝庫です
第29位 「死刑にいたる病」 (榛村大和/阿部サダヲ) 白石和彌監督がフルパワーを注ぎ込んだ国産猟奇サスペンス。阿部サダヲ演じる大量殺人鬼の、いかにも実在しそうなリアリティが凄まじい。背筋の凍るマインドコントロールのメカニズム、そして思わず引き込まれてしまう光のないあの“眼”...戦慄の傑作
第31位 「十三人の刺客」 (松平斉韶/稲垣吾郎) 極悪無比、残虐非道。物凄いインパクトで観客を恐怖させまくるサイコパス殿様。その暴虐の限りを尽くすかのような振る舞いは凄まじいの一言。稲垣氏がSMAPでのイメージを超えて、悪役の適性を日本中に見せつけた超名演
第33位 「ナイトクローラー」 (ジェイク・ギレンホール) サイコパスなパパラッチが、スクープ欲しさに暴走した挙句、やがて自分で凶悪事件を捏造し始めるスリラー。全編に溢れる異様な熱気と力強い展開に引き込まれる傑作。眼の下に隈を作り、瞳孔の開ききったJ・ギレンホールの怪演が凄まじい
第34位 「ヒメアノ〜ル」 (森田くん/森田剛) 国産サスペンススリラーの傑作。前半はコメディを装って、中盤から急転直下のサイコサスペンスになるという構造の異常さ。そして森田剛演じる殺人鬼の、サイコパスでありながら隣に住んでいそうなリアリティが恐ろしい。独特の気味の悪さが光る一本
第35位 「八つ墓村」 (多治見要蔵/山崎努) もはやサイコパスというより化け物だが、この方の32人殺しシーンは邦画史上に残る凄まじいインパクト。桜吹雪が舞う中、頭に懐中電灯を2本装着し、猟銃と日本刀を持って白塗り顔で襲ってくる映像...その恐怖と美しさはとても表現できない
新作レビュー 「茶飲友達」(2023年) 高齢者専門売春クラブをテーマにした映画。傑作です。お年寄りの方々、そしてクラブを経営する若者たち、それぞれの孤独が痛いほど伝わってくる。ユーモアを織り交ぜながらも、辿り着いたラストカットの余韻が凄まじい。1館から全国50館以上に拡大公開が決定。ぜひ
第39位 「ミスト」 (カーモディ夫人/マーシャ・ゲイ・ハーデン) キリスト教狂信者のおばさん。怪物の襲撃はハルマゲドンの始まりだと絶叫し、自分の支持者を増やしてコミュニティを崩壊させてゆく様は殺意を覚えほど憎たらしい。“史上最悪の後味”と言われる本作に間違いなく貢献しているハイパー悪役
第40位 「バトル・ロワイアル」 (桐山和雄/安藤政信) 中学生同士が殺し合うゲームにおいて、唯一自分から志願して参加した殺人マシン。ターゲットを見つけるや否や、片っ端からマシンガンで撃ち殺し、終盤はついに白眼を剥いて襲撃してくる様には戦慄するしかない。巨匠監督が最後に描き出した化け物
第42位 「RUN/ラン」 (サラ・ポールソン) 生まれつき身体が弱く、車椅子生活を送る少女が、母親の恐ろしい本性を感じ親元からの脱出を試みるスリラー。何かがおかしいという状況の中、あくまでもジリジリと進行する前半が素晴らしい。想像を絶する凄まじい毒親ぶりに戦慄する後半も見応え抜群。
第44位 「パフューム ある人殺しの物語」 (ベン・ウィショー) まごうことなき変態映画。究極の香りを求めて殺人鬼になってゆく香水師の物語なのだが、常人には到底思いつかない戦慄のラスト30分が凄すぎる。あの展開は完全に常軌を逸している。香りの魔力を具現化した映像表現も凄い。忘れじの傑作