676
677
板前修行を始めた頃はいつか1人前の料理人に成って都心で高級割烹を開きたいと思っていたが、夢破れて下町の貧民相手に「安いだけの料理」を作る日々だけど、そんな都心の高級店がコロナショックで壊滅状態なのを見ると人生は何処でどう転ぶか解らないものだなと実感する。
手堅い商売は危機に強いね。
678
コロナ感染者がまたぞろ増えてきて、そうなると高単価な飲食店の売上が減る。売上が減れば当然仕入を絞る。緊急事態宣言解除後ここ最近は高価なウニやカニなどを拾う事が出来ない日々が続いていたけどマスコミが感染者増加を煽ってくれるおかげで高級素材が安価に仕入れできるとさ。大衆店の時代だよ。
679
680
681
682
683
ここまで飲食店を取り巻く環境が悪化すると体力の無い店は諦めるしかないよな。同情でダラダラと生き残ってもあまり意味が無いし。
やはり身の丈に合った商売が大事だって事だよな。身の丈に合わなくなったら被害が少ない内にキッパリ店を畳む。
体力や実力のある店、必要とされてる店は必ず生き残る。
684
685
686
17時開店から21時過ぎまで4時間以上粘るクソ常連がいたらそいつが座った席はその日回転しない。常連同士で喋ってばかりの金を使わないクソ客が巣くう個人店は外から見ると常にカウンターに客がいて繁盛してる様に見えるだけ。夫婦2人で店をやるなら手元の毎月50万円位は残らないと割に合わないだろう。
687
688
朝、魚市場に行くと日を追うごとに買い出しに来る飲食店が減っているのが解る。コロナ前のような活気が全くない中でカラ元気なのか以前と同じように威勢のいい声で啖呵売りしている仲卸の姿を見るとついつい余計に買ってしまうんだよな。
「しみったれてねえで持ってってくれよ」
「解ったよ」
てね。
689
690
客から「おすすめの料理は?」とか「おすすめのお酒は?」とか聞かれても答えない第1の理由は面倒臭いからで、第2はこちらが勧めた品を頼まない馬鹿客がムカつくからで、第3は客に嘘をつきたくないからなんだよね。
付き合いで仕入れた売れ残りを売り捌きたいけどそれを「おすすめ」なんて嘘つけないよ。
691
692
693
694
今日来た客に会計が3800円だと伝えたら酒5杯につまみ5品で3550円のはずだ、間違っていると指摘されて彼のスマホを見ると飲み食いした料理と値段がギッシリ書かれていて、酒場でいちいちメモしながら値段を計算してまで飲んで何が楽しいのだろうと悲しくなった。そんな彼はお通し代を計算し忘れていた。
695
696
昼の開店時のクソ忙しい時間にジジイが2人も電話を掛けてきて「店にはどうやっていくのか?」と聞いてきたけど店の電話番号を探し出せるなら住所も自分で探し出せと怒鳴って切ってやったが、その内の1人が電話を掛け直してきて逆ギレして「お前の店には絶対行かない」と言ってたけど来なくていいから。
697
年始からケチ臭い呑兵衛がいる一方で、新年初訪問だからと手土産をくれたり従業員に寸志をくださる上客もいて大変ありがたい。
何もお返しできない中で店としてできる事は他の客と可能な限り区別する事くらいだ。
みんなと一緒が大好きな庶民は「差別」と批判するだろうが、差別するに決まってるだろ。
698
本日のおすすめ
店「おすすめはホワイトボードに書いてあります」
客「おすすめの中のおすすめはなんですか?」
「男の中の男」とか「王の中の王」は聞いた事あるけどおすすめの中のおすすめって聞かれても知らねえよ。テメエで考えて食べたい物を選べよ。
決めれないならネットの中の友達に聞けよ。
699
700