以前、外来で「生理痛がひどい」と受診された20代半ばの患者さん。これまでも辛かったが、親に「生理なんか女性はみんなあるんだから痛み止めで我慢できるでしょ」と言われ続け、ひたすら耐えてきたようでした。 診察すると、子宮内膜症が進行しており、卵巣も腫れ、早期の手術が必要な状態。 ↓
少し前になりますが、10代の女の子から「初めてのセックスを先日したが相手がシャワーも浴びずコンドームも付けずされて、終わった後から出血が続いてて心配です」という概要のご相談を受けたことが数件ありました。 普段仕事では感情の起伏をほとんど出しませんが、男への怒りが収まりませんでした。
帝王切開は概ね1時間程度で終わる手術ですが、 ・常に緊急手術の可能性あり ・赤ちゃん出るまで全身麻酔できない(基本) ・出血量がトップレベルに多い ・難しいケースも多く術者の技術や経験が大切 ・癒着胎盤など命に直結する合併症もある ・自分の病気を治すための手術ではない です。 ↓
4-5歳のお子さんに「赤ちゃんはどこから来るの?」と聞かれた場合、それは性行為のことを想像しておらず、「自分はもっと前にどこにいたんだろう?」という単純な疑問です。 それは、脳の発達により時間や空間というものを認識し始めるから。 なので、大人が勝手に恥ずかしさのあまり否定するのはNG。
カフェで仕事していたら、同じフロアに座っていた大学生数名が大きな声でずっと喋っていたんですが、途中で友人に電話して「今夜数人で泊まりに行ってもいい?え、風邪っぽいの?全然いいよー気にしないから!じゃ後で!」と話していた。。 なかなか厳しい現実を見た気がする。
私は男なので月経がなく、毎月痛み止めを買うこともないし、月経が少し遅れることで妊娠可能性に不安を抱えることもなく、不正出血があったことで産婦人科を受診する手間も生じない。 逆を言えば、多くの女性はこうした不安や負担を日々抱えているということ。 これを誰もが想像・思慮できてほしい。
骨盤内の状況から、ほぼ不妊の状態だとも判断されました。 こうしたことは、実は珍しくありません。 「月経痛は鎮痛薬で対処可能」ではあるけど「潜在的な子宮内膜症の悪化を止めることはできない」です。 10代でも、月経痛が辛い人はまず一度、産婦人科に相談しましょう。 ご家族もご理解下さい。
以前、夜の当直中に妊娠後期の女性が「胎動が感じられなくて不安」として救急受診を希望して電話がありました。 ざっくりですが、胎動を感じにくいという訴えの多くは実際問題ないです。ただ、一部は「緊急での帝王切開が必要」な状況です。 なので、深夜でも当然来てくださいとお伝えしました。 ↓
以前、帝王切開を執刀し、術後に患者さんの状況を見に行ったら、私の目を見て涙を流しながら「ありがとうございました」と言って下さった方がいました。隣の旦那さんは「大袈裟だなー1時間で終わったじゃん笑」と。 でもその女性は「たった1時間でも、私も赤ちゃんも死ぬかもしれなかったんだよ」と。
「処女ならHPVにもかからないし子宮頸がんにもならない。なら中学生にはワクチン不要でしょ。」という意見を耳にします。 現実を知らなすぎます。 我々産婦人科医には、緊急避妊の相談で小学生も中学生も来ます。大抵は不安と恐怖を抱えて。 誰にも初回は予想できない。だから「予防」が大事。
「月経中は毎回痛み止めを飲んでる」 これだけで、 「治療が必要な可能性の高い月経痛(=月経困難症)」 だと思ってください。 「少しは我慢しなさい」 「私はそんなこと全然ないけど大袈裟じゃない?」 「月経の話するなんて恥ずかしいからやめなさい」 こんなこと言う人の意見はスルーでOKです。
私が患者さんのご家族への病状説明で唯一泣いてしまったのは、子宮頸がんで複数の抗がん剤(化学療法)が効かず、余命わずかということを小さなお子さんを抱えている旦那さんへ伝える時でした。 あれほど悔しく無力感に包まれた時はなかったです。 ↓
未だに見かけますが、 ・産後の骨盤の歪み→歪むことはないので矯正は不要です ・子宮の血流が悪い→整体や触診で診断、治療は不可能 ・リンパ液の流れが悪い→触診じゃわからないし不妊や月経痛に影響するとは考えられません 好みで施術を受けるのは個人の自由ですが、医学的根拠は正しく理解を。
妊娠中絶薬が1年以内に国内でも承認される見通しとのこと。これは「特殊な薬」ではなく、世界数十カ国ですでに使用されてきた薬です。 効果も十分高く、安全性も国内の臨床試験で確認されました。 女性のSRHRを守るための大きな一歩。 オーサーコメントを書きました。 news.yahoo.co.jp/articles/48677…
なんか、HPVワクチンや緊急避妊薬、妊娠中絶薬の話になると、ほぼ必ず「これで性に奔放になることへの懸念が大きい」な意見が出ますが、まず性活動を楽しむこと自体は悪いことではないし、男女ともに性感染症なんかにかかりたくないし、妊娠してもいっかいう発想になる女性は全然多くないでしょう。
私はこれまで1000件以上のお産に立ち会ってきましたが、そんなごく一部の経験内でも、 ・ずっと健康だった妊婦さんが出産時に多量出血で大量輸血&集中治療室へ ・出産時に胎児心拍が落ちてきてへその緒が首に4or5周巻きついて新生児蘇生へ などは複数回ありました。 「安全神話」はないんです。 ↓
いい歳した人が、低用量ピルを飲んでいるという女性に対して「え、お盛んなの?」とか「付けないのが好きなんだ」と発言するのはマジで恥ずかしいというかその瞬間に言われた女性からの人としての評価が地に落ちる(たぶん)し不快この上ないと思うので認識を改めておいた方がいいです。
今朝カフェにいると、隣の70-80代くらいのご婦人数名から「まだ子ども小さいのに、子どもと旦那がかわいそう。なんで産んだんだろうね。子どもが一番可愛い時期なのに。」と。 昨日のニュースについてでしたが、これを当然のように話される。 こうした家族に囲まれるお母さんの辛さはどれほどか。
人のセックスに基本、口は出せません。趣向も関係性もわからないので。 でも、健康や人権に関わることはやはり包括的性教育として全男女にきちんと提供しなきゃいけない。 改めてそう感じています。
Yahoo!ニュースのコメント欄を見てみたらひどいものだったので、オーサーコメントを書いておきました。 必ず一番上に表示されるので、こういう時はありがたい。 少しでも、早計すぎる誤解と恐怖、不安をなくせれば。 よろしければシェアしてください。 news.yahoo.co.jp/articles/46949…
もちろんほとんどが無事に終わりますが、手術する産婦人科医もヒヤヒヤすることが少なくない。 マトモな産婦人科医に聞いたら「帝王切開は楽で簡単な手術ですね」と答える人は皆無かと。 全ての出産は、本当にたくさんの奇跡の上にある。(それを実現するために医療技術の進歩が続けられています)
みなさん、ご自身が初めて誰かとセックスしたとき、それを事前に自分の親へ伝えましたか? きっとほとんどの方は「そんなわけない」と思うでしょう。 だからこそ、小6あたりにHPVワクチンのお話を子どもにしてあげる必要があるんです。誰にも(本人にも)初交がいつかなんて分からないんですから。
私は産婦人科医として女性の健康を支援することに誇りを持っています。 それは、「生物学的に女性であるだけで健康面に負担を抱えているならサポートがあって当たり前」と考えているから。 男性と違い、月経、妊娠、出産、更年期、人生の様々なタイミングで持続的な負担を抱えている。ならば支えたい。
これは私が産婦人科医だってことは関係ないですが、全ての男性は「女性はナンパや威圧的な男性によって恐怖や被害を受けやすい傾向にあり、実際に経験してきたかもしれない」ということを頭に入れておくべきだと思う。 そのくらい、残念ですが世の中にありふれてしまっていることだから。 ↓
セックスをする機会のある男性はまじで爪を短く切っておくべき。 診療しているとわかりますが、女性の腟の表面はとても繊細で弱いです。 また、腟の奥には指が届くところに子宮頸部があり、ここは爪が当たると容易に出血します。 爪が長いままセックスするのはNG。 性教育に必要なことの一つかと。