部活動がショービジネスと化し、それがパワハラ的な日本社会の中で運営される中で、さまざまな問題が起きているにも関わらず、それを社会問題として取り上げることはタブーです(突発的事件として取り上げられることはありますが)。28/
また、件の女性記者が高校球児にセクハラをされ、しかも事後の事件を取り巻く人々の話もひどいものであったことは、あってはならないことですが、さもありなんと私は思いました。27/
外部の、柴田さんのような立場の方に話を聞いていただけると、「今のところは頭はおかしくないだろう」と気持ちが晴れます。26/
まず、このように長々とお話を聞いていただけるだけで心より感謝申し上げます。ありがとうございます。あのような職場にいると「本当は自分がおかしいのではないか」と思うことが度々あります。実際「あいつは頭がおかしい」と職場で陰口を叩かれていることを知っています。25/
我々素人顧問は、トップ以外のチームの引率をすることを「ドサ周り」と自嘲を込めて呼んでいます。私はマスコミとは全く接点がありませんでした。全国で準優勝した際、私は顧問だったのですが、トップチームの活躍が華やかに報道される一方で、[続] 23/
「ドサ周り」で苦労する我々はまるで存在していないかのようで、これが同じ学校の同じ部活で起きていることなのだろうかと全く現実感がなく、奇妙な感覚を覚えました。24/
顧問の多忙はマスコミの記者は何となくは想像しているものの、そこに関わると自分達の商売が批判されかねないので触れないようにしていると思われます。マスコミはトップチームのみを取材し、それ以下は見向きもしません。22/
使い潰した若い教員は募集して補充すればいいと考えているのでしょう。しかし、報道されているように、教員の確保は年々厳しくなってきています。この辺の危機感が経営陣にはないようです。恐らく、部活動のこの現状は内部にいる人間しか知らないでしょう。21/
これを私は搾取であると考えております。労働者としてふさわしい待遇がなされるべきであると思います。学校側としては極めて安いコストで全国レヴェルの部活を今まで成り立たせてきたので、改める必要性を全く感じていないというのが現状でしょう。20/
しかし、このようなあり方により、多くの高校生にスポーツに触れる機会を提供することで、日本のスポーツ界の裾野が広まり、全国高校選手権(マスコミが主催しています)や、ひいてはプロスポーツも成り立っていると私は考えております。これも搾取の構造であると思います。18/
学校も経営上、強豪校のネームバリューを大いに利用して生徒募集しており(冗談まじりに管理職は「全国大会出場は、タダでマスコミが勝手に広告をガンガン打ってくれるから大歓迎」と言っています)、それは素人顧問の多大なる犠牲にもとに成り立っています。19/
顧問の引率がないと高校の運動部は全く活動できません。そういうルールです。素人顧問が休みもなく、ほぼ無報酬で動員されることで部活動の世界は成り立っており、部活動に絡んでいる業者・旅館の生業も、顧問の引率がないと成り立たないのです。16/
一部の人間が経済的利益を得る一方で、我々は本来の私はこれを搾取であると考えます。職務を全うできないどころか、疲弊によりその質を著しく低下させています。17/
使い捨てられるか、耐性のある人間が残るかのどちらかであり、私のように耐性がないのに生き残る例は少ないでしょう。教員の仕事は、本来は専門教科を教えることですが、顧問になると部活の事務仕事と引率に時間を取られ、本来の仕事がおろそかになります。15/
転職活動をする暇もなく酷使され続け、ある年に「もう限界だ」となって辞める、というケースが多いです。学校の世界は部活をやって当たり前と考えられているので、法的措置を取るという人もいません。14/
妻もフルタイムで働いているので、子育てを全て妻に任せるのは無理です。また、子どもがいる教員が顧問になると育児を含めた家事は全て奥さんに放り投げることになりますので、奥さんが部活にとても理解がある人でなければ、不和となり、これも多く離職の原因となります。若手ほど家庭を選びます。12/
教員は部活の顧問をやるものだというのが学校の世界の慣習です。本校では校長が一方的に顧問を人事で命じ、部活を仕切っているベテラン顧問や監督の言われるがまま、特に若手が顎でこき使われるのが現状です。それをやってこそ一人前の教員になれるという風土があります。13/
素人顧問の多くが、休日に無為に時間を過ごす、この時間が大変辛いと言います。特に真夏と真冬は、暑さ寒さできつさが増します。試合には大体、OBの学生コーチが帯同しているので、試合の指揮は彼らが取ります。10/
プライベートの時間はほとんどなく、あっても家でぼーっとするか寝るかしないと体が持ちません。妻は、私が辛い状況にあることを理解してくれて支えてくれたので助かりましたが、子どもを持つことが遅かったのは部活の多忙が一因であると思います。11/
普段、試合出場機会のない部員にそれを与えるため、長期休業の際には各地でリーグ戦の合宿が開催されており(これが各地で地域産業化しています)、その引率を素人顧問がします。公式戦にせよ、合宿にせよ、素人顧問は試合をぼーっと眺めているだけです。9/
ローコストで商売ができる分野なので(コストは現場の教員が負担している)、問題を取り上げたくもないのでしょう。部員は多数いますから、トップに上がることができない大部分の部員の面倒見は、素人顧問に丸投げされます。カテゴリーは幾つもあり、全てが何らかの地区リーグ戦に参加しています。7/
その事務手続きと試合引率が素人顧問の仕事であり、これが相当の負担です。また、対外試合は学校の許可が必要であり、このための書類を整えて許可を得るのも非常に煩雑です。8/
よってマスコミもまた、素人顧問の搾取の上に商売をしていると言えます。部活動の問題が大きくマスコミで取り上げられるようになったとは言え、ショービジネス足りうる高校スポーツの問題についてはマスコミはほとんど取り上げません。6/
耐えられない人は退職してしまい、ブラック労働に耐性のある人間だけが残るという悪循環が続いています。学校経営が競技部に依存する大きな理由は、競技の全国大会がテレビで全国中継され、マスコミでも大きく取り上げられ、宣伝になるからです。マスコミもそれで商売をしています。5/
また、多くの教員がこれを当たり前のことだと受け止めてしまっており、問題であると声を上げること自体がタブー視されています。これは、多かれ少なかれ、現在取り上げられている部活動問題に共通することでしょう。4/