101
田舎にある実家でも、コロナそのものより、感染によりコミュニティから迫害されること、「針のむしろ」になることへの恐怖のほうが大きいという。
ただ一方で、日本のこういう風潮が自粛(正確には萎縮か)を促し、マスク着用率を高め、感染拡大を抑える一因にはなっているのかもしれない……。
102
職員を恫喝するような人はみない。たとえ俺に対しては礼儀正しくても。
その逆は、みる。
診察室では言いたい放題でも、受付や電話で最低限のマナーを守る人なら、みる。
103
我が家で考えると、俺が三姉妹をみて、7ヶ月の長男を妻がケアすることになりがち。だから、なるべく長男をみるように強く意識する。
もしも、役割負担の大小がいまいち分からないという人がいたら、配偶者にこう声をかけてみてはどうだろう。
「今日は役割を交代しよう」
104
大切なことなので改めて。
#育児のヒヤリハット
「学校に水筒を持たせ忘れて、危うく脱水」
この対策は「水筒を持たせ忘れない」ではない!
「水道水は飲んで良い」を教える!!
105
虐待など機能不全家族のもとでは、子どものオーラルケアが悲惨なものになりがちで、虫歯が非常に多いこともしばしば。
「銀歯の多さ」をからかったり批判したりする人がいるが、それは本人にはどうしようもなかった生育環境をからかい、批判していることになるのかもしれない、という意識はもとう。
106
自分の問題に集中すべき場所と時間なのに、どうしても他人の言動が気になるのは、そうすれば「自分の問題と向き合わずに済む」から。
依存症治療で入院した人の多くが、この段階を経験する。
107
コロナ患者を受け入れている中規模病院の副院長が嘆いていたそうだ。
「自治体から病床を増やすよう依頼があり、増やしたは良いが、少し落ち着くと、もう不要で補助金停止と。また患者が増えたから病床増やして……と。ハード確保はある程度すぐにできても、人事はそんなにコロコロ変えられないよ」
108
依存症の人向けの集団講義をすると、
「Aさんは態度が不真面目、Bさんは居眠りで、腹が立つ」
と不満を受けることがある。
「あなたにとって、Aさんは大切な人?」
「いいえ、まったく」
「あなたの回復に、Bさんは必要な存在?」
「いいえ」
これだけの会話で、自分の課題に気づける人も多い。
109
>日本酒換算3合を365日飲んでいると、男性の場合、だいたい10年間で依存症になり、女性だと6年間でなる
>要するに、人が生涯において「安全に飲めるお酒の量」というものはあらかじめ決まっている
薬物に過剰に厳しく、アルコールに甘い日本 buzzfeed.com/jp/naokoiwanag…
110
コロナ禍が始まり、小学校からの通知に「発熱で休む場合には欠席扱いにしない」というのがあった。
今までこれがなかったのが不思議で、ようやく正常な状態になったのだと感じる。
体調不良でも「欠席」を気にして登校する子が少しでも減ると良いし、その感覚が社会に浸透するともっと良い。
111
少し補足。
これは家族が紹介状を開封したのではなく、受けた医師が「あなた、こんなことしたの?」と確認したみたい(詳細不明)。
112
娘たちには「相手に悪いこと、痛いことをしたら謝りなさい」と教えている。
それと同時に、謝られるほうには、
「許すかどうか決めるのは自分。納得するまで許さなくても良いんだよ」
と教えている。 twitter.com/BookloverMD/st…
113
軽度知的障害のある中年女性が、同じく知的障害のある子どもがグループホームに入るからと、携帯電話の契約に行った。
帰宅した彼女は、なぜか5台も契約していた。
当院のPSWは、
「携帯会社は、知的障害者や高齢者に対して、昔からそういう悪辣なことをする」
と怒っていた。
気をつけよう!
114
37年前の今日、小学4年の俺は生まれて初めて飛行機に乗って、一人で東京に行った。
親戚の家に到着してテレビを見ていると、飛行機墜落のニュース速報が流れた。
その飛行機には小学3年の男子が一人で乗っていた。俺と同じく生まれて初めての飛行機。甲子園を見るためだったという。
115
以後、希死念慮や自殺願望を語る患者さんには、こちらから「次の外来には必ず来る」という約束を提案することが増えた。
患者さんから教わることは多い。
116
いろいろな兄弟姉妹をみてきた。胸温まる関係もあるが、圧倒的に多いのは呪詛や嘆きだ。
「兄のせいで」「姉に振り回されて」「弟がこんなだから」「妹さえいなければ」
きっと、そう思わずにはいられない出来事があったのだろう。ほとんどの場合、最初からそんな関係ではなかったはずだ。
117
薄く関連する話として、ブックオフのことを書く。
ブックオフがなぜこうも受け容れられたかというと、古書店に古本を持っていって「値踏み」されるときの居心地の悪さをなくしたから。破れてさえいなければ、どんな本でも引き取る。それも明るく。
故・坂本社長がそんなことを語っていた。
118
夕方に電話をかけてきて、すぐにでも入院したいという本人、今すぐ入院させてほしいという家族。その日の対応は無理なので、翌日午前に入院手配。
いざ翌日になると、両者とも「やっぱり大丈夫」でキャンセル。
ところが、その日の夕方になると両者して「今すぐ入院を!」。
やはり対応不可能。 続
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患者さんと兄弟姉妹の関係が非常に悪いとき、医療側が家族の包容力のなさや無理解を嘆いてしまうことがある。
しかし、彼らの言動は決して偏狭さや無理解のせいではなく、関係を悪化させるような出来事が積み重なったせいかもしれない。そういう想像力は、常に持っておきたい。
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80代の女性。若いころから農業に従事していたが、セミリタイアしている。
最近、身体が弱ったように感じ、声も以前みたいには大きく出せない。医療に携わる孫に話してみても「もう、そういう歳だね」と流されてしまう。自分でもそういうものかなと思っていた。続
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逆の発想、つまり「ベビーカー禁止車両」「赤ちゃん乗れない車両」を一つか二つ作る(もちろん名称はもう少しソフトに「静穏車両」とでもする)。
ベビーカーや赤ちゃんを排除しているように見えるが、実は「ベビーカーが邪魔」「赤ちゃんがうるさい」という人をそちらの車両に誘導する仕組みである。
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相手の話をネガティブに解釈する患者さんがいる。
「検討します」と言うと「ダメってことですか?」。
あることについて尋ねられ、「諦めたほうがいいとも、諦めるなとも言えない」と答えると「諦めろってことですか?」。
さて、どう返しているか。
「僕は、なんと言いました?」
123
淡々と「今日のごはん」の写真を公開してきた菜食主義のインフルエンサーが、ある日から「菜食主義に疲れた」と言って肉も食べるようになったとしても、たぶん大して叩かれない。
でもその人が、菜食主義の時期に他人のごはんに口出ししていたなら、「これまでさんざん言ってきたくせに」と叩かれる。
124
遊んだり、ケンカしたり、仲直りしたり、抱き合ってはしゃいだり……、我が家の子どもたちのそんな姿を見つめながら、この関係が壊れない4人であり続けてほしいと願う。それと同時に、こういう関係を歪めたり砕いたりしてしまう精神疾患に対して、怒りや憎しみや恐怖を抱く。
125
>本人以上に傷ついている
この表現は間違い。
目に見えない傷の深さを人と比べることはできない。
当事者には当事者の、家族には家族の、傷つきや苦悩がある。
ただ、医療的ケアを受ける当事者に比べ、医療の対象とはなりにくい家族が援助不足で苦しむことは多いように感じる。