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映画やアニメ、マンガ等が「倫理的に問題がある!」としばしば炎上(?)しますが、本当の問題点は「非倫理的な物語であること」ではなく「モラルセンターが不在であること」だというケースは多いです。観客の感じる「それって道徳的にダメじゃね?」という感想を、代弁してくれるキャラがいないわけ。
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ちなみに、学校のテストじゃないんだから「モラルセンターがいるから良作!いないから駄作!」なんて単純な話じゃないです。たとえば『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は登場人物みんなクズで、まともな道徳心の持ち主はすべて大して価値のないキャラとして扱われています。最高の映画ですよね。
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『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の場合、主人公の〝語り〟がツッコミの役割を果たしているように俺は感じます。レオナルド・ディカプリオ演じるジョーダンは、自分が道徳的に正しくないと分かったうえで、正しくないことをしている。それが観客の目には痛快に映る。スコセッシ監督はやはり天才。
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「モラルセンター」という単語を俺が初めて目にしたのは、『ブレイキング・バッド』の制作裏話です。日本語で読めるソースが消えてしまったのですが…。「Jesse Pinkman moral center」とか「moral compass」という単語で検索すると、英語のソースを発見できるかもしれません。
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「コンテンツはユーザーに作ってもらって自分たちはプラットフォーマーに徹して手数料を取ればいい」という発想でどいつもこいつも中世ライン川の関所で通行税を徴収していた貴族みたいなビジネスモデルを模索する現代のネット社会で、自分でカネを出してコンテンツを作るNetflixはマジで偉い。
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俺が子供の頃にベストセラーになった『金持ち父さん貧乏父さん』の内容を一行で要約すると「自分で手を動かして仕事するのは愚か、プラットフォーマーになって使用料を徴収して〝寝ていてもカネが入ってくる仕組み〟を作れ」なのだけど、それを真に受けた(?)レントシーカーが現世には多すぎる。
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もちろん「みんなの役に立つインフラを作ること」と、ただのレントシーキングの間には、越えがたい壁があるのだけど。たとえば近世のアムステルダムやロンドンで運河を掘った事業主が通行料を取るのは(道義的に)当然だと思う。
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「ドイツもこいつも」と「ライン川」をかけたダジャレです。伝わったカナ???
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脚本の教科書「物語の縦軸を明確にするため主人公の〝目的〟を設定しましょう。海賊王になりたいんですか?鬼になった妹を人間に戻したいんですか?」
TRIGGER神「うるせーーー!!全部のシーンが面白くて気持ちよければ、面白くて気持ちいい作品になるんだよ!!」
ってのが『エッジランナーズ』の感想
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ファミレスの配膳ロボットを猫型にデザインした人、マジで〝人類〟という生物をよく理解している。人型ロボットのペッパーくんはちょっとした失敗で嘲笑されていたわけで、配膳ミスなんてした日にはガラの悪い客に叩き壊されていたはず。でも相手が猫だと「仕方ないか…猫だし…」みたいな気分になる。
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学生時代には「Rootportくんって変わってるねw」と笑われて、でも俺は「個性的ってことだな!」と前向きに捉えていたんだけど、Twitterに分からされた。俺は毎日すき屋を食べ続けることもホットサンドメーカーで肉を焼くことも写真から給湯器の型番を言い当てることもできない。ただの没個性な凡人だ…
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「科学者に〝暇〟を与えろ、彼らは暇さえあれば研究して成果を出しちゃう人種だ、事務仕事で忙しくさせてはならぬ、必要なのは暇だ」というインターネットでよく見かける話を裏付けるような成果。 twitter.com/FNN_News/statu…
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飼い主の言うことを全然聞かない犬は「バカ犬」と呼ばれてしまうのに、飼い主のキーボードの上で居眠りを始める猫は「バカ猫」とは呼ばれない。〝期待値を下げること〟の重要性が分かりますね。
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そして自らの飼い犬を「バカ犬」と呼ぶ飼い主の8~9割は、内心では(でも、だからこそ可愛い)と考えています。ホモ・サピエンスという猿の面倒くささが分かりますね。
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NASAのここが神:
宇宙実験をライブ配信してくれる。
NASAのここがダメ:
解説がヤード・ポンド法。40マイルズ/アワーって何km/hだよ!!!
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「ズバ抜けた成果を出した科学者に暇と予算をたっぷりつけよう!」という発想にも俺は懐疑的で、なぜならメンデルの遺伝の法則が当初どのような扱いだったかを知っているから。批判されたならまだマシで、欧米の科学界からほぼ完全に無視された。
〝ズバ抜けた成果〟かどうかを、誰が評価するのん?
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日本で初めてウォッカを国内製造・販売したのは、のちに『スペースインベーダー』で有名になる株式会社タイトーだった……って逸話、面白すぎませんか。もともとタイトーは、ロシア革命から逃れてきたユダヤ系ウクライナ人のミハエル・コーガン氏が1950年代に興した輸入業の会社だったらしい。
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ウォッカ(※高品質だったらしい)の販売で飲食業界と繋がりができる→ピーナッツベンダーというコインを入れるとピーナッツが出てくるマシンを喫茶店などに卸すようになる→(中略)→スペースインベーダー……という流れだそうだ。
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ピーナッツベンダーののちには、ジュークボックスやピンボールゲームも扱うようになったらしい。こうやって並べてみると、「ウォッカの会社がゲームを作った」というストーリーになんとなく納得感が出てくる。
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ヒトの味蕾の数には個人差があって、
①ハイポテイスター(味蕾少なめ、激辛料理などの強い味を楽しめる)
②テイスター(味蕾の数は普通。平均的な味覚)
③スーパーテイスター(味蕾多め。敏感な味覚を持つが、敏感すぎて濃すぎる味は楽しめない)
…の三種類に分類できるらしい。
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「SF作家はインターネットの登場を予測できなかった」という言葉には諸説あって、ネット〝のようなもの〟が登場するSF小説は実はたくさんある。が、エイサイハラマスコイ踊り72時間耐久を予測できた作家は間違いなく存在しない。
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エイサイハラマスコイ踊り1時間の映像がざっくり2GBだとして、72時間で144GB。平均視聴者数が800人なら115,200GBのデータがDLされることになる。映画『JM』でキアヌ・リーヴスが脳内に埋め込んだ〝ヤバいデータ〟が320GBだった(はずな)ので、キアヌ360人ぶんだ。隔世の感を覚える。
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生物学者「DNAの大部分は翻訳されるわけでも何か意味ある情報が記録されているわけでもない〝ジャンクDNA〟です。もしも知的な存在が生物を設計したのなら、情報媒体をこんなにもったいない使い方をするはずがありません」
創造論者「エイサイハラマスコイ踊り72時間耐久を見ても同じこと言える?」
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Q.染色体末端の〝テロメア〟には、なぜ同じ配列が反復しているの?
A. 空飛ぶスパゲティモンスター版の「エイサイハラマスコイ踊り72時間耐久」みたいなもんが記録されているから。