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「言った通りになった」
「行政や学者や医者は無能」
事態が深刻化する毎にこう言って憚るSNSのインフルエンサーには、少し心理的な距離を取りましょう。
COV19を制圧する確実な手段がない中、医療従事者や行政機関は必死です。彼らの負荷をどう減らすか、冷静な対処が重要。
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呉座先生事件単体のみならず、関連して様々な見知った先生方から無意識のミソジニーとハラスメント対応への無理解に満ちたツイートが流れてくる事が、常々の事とはいえ胸が痛い。
ハラスメントや性差別に対峙できる学術界を、自分たちの世代は作っていきたい。
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何度でも言いますが日本は医療従事者を全力で守らないといけないです。感染防護具の生産強化、物的心理的サポート。
イタリアやフランスでは、感染している医療者が人手不足で前線に戻る極限ケースも。
イタリアで医師50人死亡 欧州 医療従事者の相次ぐ感染が課題に
www3.nhk.or.jp/news/html/2020…
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日本の病床数は人口比OECD1位だが、約7割が私的病床。これは日本の医制始まって以来の構造的問題で、公的病院割合が高い欧州の福祉国家に比べると政策コントロールがききにくい。
当然だが民間病院には運営の裁量があり、診療報酬では感染症対応は赤字、経営的観点からはCOV19には消極的になる。
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「医療崩壊」という言葉が飛び交っていますが、いわゆる「普通の病院に人が殺到する」という状態をイメージしている方が多いかもしれません。
身近な診療所・クリニックなどは普段より閑散としていて医療崩壊なんて感じられないと考える人も多いでしょう。
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舛添氏は、あまり知られていないが、難病政策では厚労相時代に多くの業績を残している。平成に入ってからは特定疾患は年度1疾患程度しか拡大されなかったが、H21年には舛添氏の主導で当時としては大盤振る舞いの11疾患を追加指定。難治性疾患克服研究事業の範囲と予算額も見直し・拡大された。
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今東京都では「経路不明」の新規感染者が増加し、感染者の半数が経路不明です。都内のクラスターを把握できていません。
発生数自体は抑えていますが、大都市圏のオーバーシュートのリスクは最大限警戒するべき水準。
「爆発的感染拡大」瀬戸際続く
nikkei.com/article/DGXMZO…
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普段人前で怒りを出したりはしないが、ALSの患者さんが出席している会議で一度だけ烈火の如く怒った事がある。患者さんが口文字や文字盤を介助者が読み取り発言するまでは、多少の時間かかかる。患者さんの発言を「時間がかかる」と遮る人がいた。遮った相手は結構歳上の方だったが我慢ならなかった。
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フランスは昨日COV19死者がいきなり400人以上跳ね上がった。これまで病院死のみをカウントしていたが、高齢者施設での死者を初めてカウントしたため。スペインやイタリアでも同様の現象あり。
これはある程度感染が蔓延した後は日本でもあり得る事で、死者の把握が病院死に留まらなくなる。 twitter.com/afpbbcom/statu…
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あなたや私と同じように、この患者さんには自分の意思を自分の言葉で話す権利がある。ここには意思伝達手段もある。ないのは私たちの忍耐だ。私たちは今彼の発言を静かに待つべきです、と。
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厚労省研究班が行ったLINE調査の分析結果。
発熱の理由はCOVIDとは限らないので発熱の数にこだわるべきでないが、着目すべきは職業別の発熱率の差。
グループ1: 長時間の接客を伴う飲食店を含む対人サービス業、外回りをする営業職のリスク脆弱性が明らか。対策は必須。
mhlw.go.jp/stf/newpage_10…
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・扇動やパニックが予想されます。デマや公的機関以外からの情報に注意しましょう。恐怖感の煽りは、一切信用してはいけない。
・在宅業務に切り替えを。最大限。
・家にいましょう。大人数いる場所に近づかない。
・今まで通り手洗い励行。 twitter.com/nhk_news/statu…
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COVID-19の対応では、「医療崩壊」の現象はまず、指定感染症の治療をする医療機関に指定されている病院と、地域の基幹を担っている大病院の急性期病床のパンクから始まる事が見込まれます。
重症者はICUや急性期病床での集中管理が必要となるからです。
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難治性疾患の基礎研究や治療は近年飛躍的に進歩し、新しい薬剤の選択肢も増え、多くの患者さんが合理的配慮があれば治療しながら就労を継続できるようになりました。
一方、難病の治療法は確立の域にはまだ達しておらず、寛解と再燃を繰り返しながら患者さんは日々孤軍奮闘されています。
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北イタリアのデータと基幹病院の医師の論文などからも、ある地域でクラスター潰しの対策が突破されて地域レベルで流行が起きた場合、この「医療崩壊」が起きると考えられます。
日本では北海道が危うかったですが医療機関の方々と行政の努力で破綻的状況とはなっていません。
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特定疾患と小児慢性特定疾患の医療費助成制度の支出方式を見直したのも舛添厚労相期で、一般医療保険の高額療養費での適用補てん方式とし、難病の医療は医療政策としての財政的基盤をこの時期に獲得していった。難病や障害等の目立たず自治体の長にとって評価もされにくい分野の重要性を理解していた。
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感染症医の高山先生のpost. 岩田先生の劇的な動画をご覧になった方は、感染研のサマリーとこちらもご覧になって、少し視点のバランスを取った方がいいかもしれません。
facebook.com/10000130548907…
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東日本大震災でも被災地の急性期病床を有する医療機関がパンクあるいは機能ダウンし危機に陥りましたが、日本中の他の地域へ大規模移送が可能でした。
今回はこのような対応は難しいでしょう。クラスター潰し、地域レベルの流行の阻止はかくも重要な対策です。
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サイエンスの仕事は提言と説明まで。国民から行動制限の社会的な合意を得るのは本来政治家の仕事ですよ。
医療も専門家サイドもこれ程踏ん張ってるのに、政治が与野党ともに頼りにならない。人々に語りかけるのは、政治の責任なのに。
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政策や職務の実績はそれ自体として冷静に評価や批判を受けるべきでしょう。
しかし疾患それ自体を事由に能力や適格性を断罪する事は、患者さんに対する明確な差別でもあります。
リベラルで多様な価値観を尊重する立場から、差別的な言動が出てくる事は個人的に非常に残念です。
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なおたまに訊ねられるのですが、お陰様で完全寛解しております。健康体そのもので、ランや山歩き、水泳楽しんでます。
分子標的薬はじめ難病の世界では新しい機序の新薬が登場し、その恩恵を随分前に受けました。
今は、患者さんのお役に立てる研究を目指してます。
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急性期病床は、突然大規模に増やす事は難しいです。たとえ何か奇跡を起こして施設や人工呼吸器や他の集中医療機器を増やせても、人的リソースの問題があります。
それらを適切に使い専門的な治療にあたるトレーニングされた医師やナースを急には増やせないからです。
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抵抗の難しい障害のある方に、計画的に残忍な暴力を振るう行為を到底許すことはできません。障害や疾患のある方々が社会参加し市民として生きる手段は、政策研究が多様化し着実に社会制度は進化を遂げています。たとえどんな障害があろうとも、私たちは、全員がこの社会で尊厳を持って生きています。
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都道府県には「医療圏」という医療計画を決める医療の地域枠組みがあります。各医療圏の急性期病床は、常時70%〜90%程度他の疾患の治療のために埋まっています。
重症者の患者さんが加速度的に増えると、急性期病床は瞬く間に満床になります。
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⑧改めて被害者の方々、犠牲者の方々に、心よりお見舞いと連帯の気持ちを申し上げます。既に犠牲になった方々に対して、このような表明は遅きに失するものでしかないかもしれません。しかし戦後最悪の私人による殺傷事件に際して、犠牲者の方々に対する人間的な追悼が少ないことが気にかかっています。