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そういった外交的なバランス感覚は未だ存在するにせよ、そして将来における大統領が現在のバイデンと同じ判断を持つかは別にしても、バイデンが台湾有事「では」軍事的にget involvedすると考え、またそれを口にすることを明確に行ったと言うことです
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(20年にわたりこの話に付き合ってきた)私はこれで、「アメリカ政府」の「戦略的曖昧性」が書き換えられたと断言することはできないと思いますし、日本の一部新聞の書き方は簡単に断言できるものだと感嘆しますが、それでも「現職大統領」の認識が「明確な」ことだけは認めざるを得ません。
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(もしそういう解釈を取らなければ、バイデン大統領の判断力、発言能力そのものを強く疑うしかなくなってしまいます。)
そして、この発言の次が難しい。中国はどのような対応をするのでしょうか。すべきなのでしょうか。無行動は暗黙の容認と受け止められかねない、でも行動する好機とも言えません。
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賽は投げられた。
果たして、これがどういう展開を生むのか。
台湾も、日本も、アメリカの強い「コミットメント」だと無邪気に喜んでいる場合ではなく、様々な展開に備えることが必要でしょう。
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蛇足「バイデンが台湾有事「では」軍事的にget involvedすると考え、またそれを口にすることを明確に行った」
軍事的に関与するべきと考えている(だろう)ことと、今それを口にすべきと考えていることは論理的には異なる。少なくとも後者はかなりバイデン個人として実施した。前者はおそらく。
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CNNによれば、バイデン発言の軍事的関与は武器売却など一連のものを指すとのことだが、この逃げは辛いと思う。
ただ、ホワイトハウスのスタッフすらも大統領の発言に真に驚いていることは昨日からずっと確かなようだ twitter.com/jimsciutto/sta…
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米政府の一部にとっては「失言」と言いたくなるものだろうが、大統領は確信犯、ということ。
今後も大統領発言と政府による修正は当面セット販売だとは思います。むしろそうしないことの方が注目される。 twitter.com/seijipremier/s…
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ジャスティン・ビーバーさんがハント症の顔面神経麻痺を発症されたと公表されました。28歳の彼の顔左側は全く動かないとのこと。
彼が気落ちすることなく、静養して、また素晴らしい歌声を聞かせてくれることを祈っています。
私が顔面神経麻痺で左半分の神経を喪失したのは博士3年、同じ28の時です
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気づいたのは、朝起きたとき、いつものように洗面台でうがいをしたら、口に含んだ水がなぜか鏡に飛んだんです。寝ぼけていたのでよく分からず、もう一度やっても同じ。
段々と頭が起きてきて、鏡をまじまじと見たところ、左側はまばたきもせず、眼が開き、口が開いたまま。呆然としました。
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しばらく何もできませんでした。当時はすぐにググる、という時代でもなく、大学近くの一人暮らしだった私は、学生保健センターに行きました。
運が良かったのは、そこに偶々、顔面神経麻痺に詳しい先生がいたこと。すぐに紹介状を書いてくれて、数百メートル先の東大病院に行きました。
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たしか脳の異常が無いかなどのテストもされましたが、すぐに耳鼻咽喉科に回されました(顔面神経麻痺はそっちです)。そして大量のステロイド剤と胃薬を渡されました。保険効いているのに、1万円近く払った記憶があります。
後に分かりましたが、どれほど早くこの初期治療ができるかが重要です。
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ステロイドの大量服用は、それが終わったくらいから、「何じゃこりゃ」というくらいの気持ち悪さに襲われました。その頃には実家に戻っていたので、寝込んでいました。
東大には顔面神経麻痺の専門外来もありましたが、基本は経過観察だけでした。半年くらいかけて、左半分は9割戻ったそうです
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とはいえ、自分的には7,8割しか動かせないし、顔はやっぱり非対称になった気がしました。それでも、麻痺の最中は寝るときも食べるときも、顔がマスクのように動かないので、それに比べるとマシでした。
後遺症もでました。ワニの涙というらしいですが、唾液が多めにでると左から涙が出ます
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そこまで支障は無いので、いつもミニタオルを持つようにはしています。さして美味くないラーメン屋とか中華でも油が多いときとか唾液と涙が出て、作っているおっさんが感動してくれています。
失った神経の再生過程でバグが起きると時々起こる症状、とは聞いています。
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顔面神経麻痺の発症は10万人に20,30人というデータをみました。少ないように見えますが、何の前触れもなくウイルスで生じます。
予防法は特にないですが、私も肉体的、精神的な疲労のピークで生じました。自分の体力を過信していたのでしょう。
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顔が動かない、というのは他者には分からないほどのショックです。見た目もありますが、食べるのもしんどいし、目が閉じられないとシャンプーもしみるし、寝るときも乾きます(眼帯します)。
ですが、それでも神経は再生はすることが救い、と思うしかない。
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私の亡父はとても深刻な指定難病と長年闘いました。15年以上経った今は、交通事故のようなこの病気になったことも、父の辛さに比べれば、と思うところもあります。母に言われたとおり、人生、色々なことが起きます。
それでも当人のショックが癒えるには数年かかるものです。
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この長い連ツイをした理由はたった二つです。
まず、もし、もしいきなり顔面が動かないという症状が出た場合は真っ先に病院に行ってください。初動が本当に大切です。
周囲の人は当人のショックが計り知れないことを分かってください。一見すると他者が分からない、そのギャップも苦しいんです。
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この病気にかかったものとして、同じ仲間に言いたいことは、けど僕たち自身はなるべく気にせず、明るく生きましょう、ということです。
僕は奥さんに買ってもらった顔面ローラーを使いながら、(まだ顔はこわばりがちなので)きっと他の人より気持ちいいはず、と思って日々笑って生きています。
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私も滑舌は悪くなりましたが、なんとかなります。テレビでも解説できるし、英語も下手なりに話しているし、最近はもっと口の動かし方が難しい言葉も習っています(先生には問題ない、と言われました)。
長いツイートになりました。ここまでにします。
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長めのインタビューをこのタイミングで朝日新聞オンラインに掲載頂きました。
ペロシ氏の台湾訪問が持つ意味は 米中、対話の道はしばらく厳しい?:朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASQ82…
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ペロシの機体を撃墜するなんてことは起きません。中国が意図的に戦争に発展させることはまずない。
軍事的威嚇は、かなり起きるでしょうし、サイバー空間もそう。貿易ではすでに中国の台湾への措置が発表されています。
問題は、こうしたPLAの活動量増加がどれほど続き、偶発的なことにつながるか
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また、米中が対話できる雰囲気ではない中で、危機管理に必要なチャンネルはさらに細くなる。
様々なデメリットを上回るメリットは何なのか。正直、それを誰も説得的には説明できないのが、今回のペロシ訪台です。
私は日本、米国のメディアに、かなり明確に、自分の立場を伝えています。すると、
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繰り返しですが、台湾との関係強化は粛々と、静かな環境で行うべきであり、今回のような象徴的な、それも本来は一議員として選出されているに過ぎない下院議長の訪問は逆効果です。
米中それぞれが政治的にロックされ、そして台湾も拒むという選択肢はなかった。海峡には今晩から明日、大嵐が来ます。
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過去の台湾海峡危機については以下を参照ください。たぶん、2が手軽で、便利です。
1『共存の模索』勁草書房、2015年
2「米中関係と危機:政治的意思による安定とその脆弱性」東大社研・保城広至編『国境を越える危機・外交と制度による対応―アジア太平洋と中東』東京大学出版会、2020年。